私と想像の神さま

神さまが私を見ている。
そう思ったのは今日、ついさっきのことで。
何故、神さまが私を見ているかというと、
神さまが、私の味方だからだ。
味方でなければ、誰も助けない。


私は、神さまに助けられている。
ついさっきも、3時のおやつを食べようとして、
ちょうど母親が職場の同僚から差し入れを貰ってやってきた。
私は部屋の中で、漫画を読んでいたのだ。
ついこの間だって、嫌な体育の授業の時、
大雨が降って教室でのビデオ鑑賞に変わった。
私の世界は、私を真ん中にして回っている。
そう、思っていたのに。


今日は、雨が降っていた。
どしゃぶりの雨だった。
私は、晴れだと思っていた。
だって、今日は遠足があるから。
遠足が中止になって、室内で集団ゲームをすることになった。
私は嫌だった。
だってもう。私の計画は終わっている。
頭の中で想像していた楽しいことは終わったし、
この次楽しいことが起こるなんて、想像できない。
私の時間は、終わっているのだ。


なのに世界は終わりを告げないで、
先へ進んでいく。
私は、足を踏ん張ってみたけれど、止まる気配は無かった。
私は、神さまの気持ちを量ろうと思った。
神さまは、次に何を考えているのだろうか?
すると、ある一人の男子生徒の顔が浮かんだ。
ああ。そうだ。
×××君と、一緒の班になれるじゃないか。
遠足で決められている班は×××君と違うけれど、
室内(この場合は体育館だ)での班は、背の順で分かれているので、
×××君と一緒だ。そうだ。一緒にゲームを楽しめるのだ。
そう思うと、神さまはやっぱり自分にとっていい人だと思えた。


次の日、やっぱり雨だった。
私は雨の中を登校するのは嫌いだった。
神さま、馬鹿。
胸の辺りがムカムカとしたので、静かに心の中で呟いた。
けれど、今日の給食のメニューはシチューだったので、
+-0だと思った。
きっと、神さまが調整したのだと思った。


きっと、幸せが増えすぎたら、
不幸になった時に辛すぎるから、
不幸が増えすぎたら、
生きていけなくなってしまうから、
神さまがうまく調節して、人間を生かしているのだろう、と思った。


別に意味なんかないけれど、そう思った。

私と想像の神さま

私と想像の神さま

神さまについて女の子が考えた哲学を、たんたんと述べています。 味気はありません。 でも読んで頂けると、嬉しいです。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-10-17

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