高橋歩の事件簿
ファイル1
暑い・・・暑い日の夕方
ーーーーーー叫び声が響くーーーーーー
東京の新宿辺り。駅から300メートルの路上で若い女性が男に痴漢をされた。男は一目散に逃走。黒のフードつきの服に黒色のズボンをはいているのを周りの人間も目撃していた。女性は放心状態で動けずに座り込む。ふと女性は我に返ったように地面を見た。するとそこには1枚のメモ紙がありこう書かれていた
「また触りに行くね」
女性は恐怖で身体が震え、耐えられず叫んでいた。
ーーーーーーなぜ、なぜ私がーーーーーー
●東京・渋谷区・某所(数日後)
路地裏で壁に若い女性を押し付け動けない体制にする黒服の男。抵抗するが口を塞がれ喋れない女性。すると男は顔を近づけ舌を出し、女性の耳辺りを舐めようとしている。抵抗しようとする女性。すると
歩の声「あらら、またそんなことしていいのか変態さん」
振り返る男。そこには黒髪で細系の女子が仁王立ちで男を睨み付けている。びっくりしたように女性を突き放し立ち去ろうとする男。だが、歩が立ち塞がる。
歩「おっと逃がさないよ」
男「どけ」
歩「あんたを捕まえる。さあ、お縄につけ❗️」
男「どかねえのか。だったら」
素早い動きで歩を突飛ばし、逃げる男。
歩「あっ待て」
時すでに遅し。見失う。
するとそこに諸岡賢治がなぜか高い所から現れる。
賢治「ったくお前って奴は大バカ野郎だな」
歩「あっははごめんね賢治」
賢治「まあ、慣れてるからいいけどよ。お前みたいな女嫌われるぜ」
歩「ムッ❗️ひどい奴だな賢治くん。後で泣いてやる‼️」
賢治「犯人捕まえるぞ、世のために、な⁉️」
歩「ひどい」
賢治「悪かったよ」
走り出す二人。
●同・横浜市・ホテル
高層ホテル
●同・内・シャワールーム
女性が鼻歌を口ずさみながら髪の毛を洗っている。
●同・部屋
ベイブリッジや観覧車、ランドマークタワーの見える窓を見ながら優雅にワイングラスを手で静かに揺らす寝巻姿の男。どことなく神妙な面持ち
テレビでは首相の安倍川有三率いる与党に対して辞職を求める市民がデモを行う映像が流れている。
「疑惑の解明をしろ」「即座に退陣」「上級者と下級者という階級社会反対」「安倍川辞めろ‼️」「国会開け‼️バカ野郎」「メディアコントロールして情報統制するな‼️」「テレ朝を還せ‼️」
「お友達芸能人やメディア幹部と会食するな」
「日本を私物化するな」
そんな日本の現実を哀れみの目で見る男。
× × ×
シャワーの栓を締める女性。着替えて部屋に来る女性。高橋さやか。歩の妹だ。
テレビを観て哀れんでいる男を見やるさやか。
後ろからやさしく抱く。
さやか「哀しいの?」
男「日本は終わりだ。狂った奴らが日本を支配し、あらぬ方向に導こうとしている」
さやか「今の首相?」
男「ああ。終わりだ」
さやか「大丈夫大丈夫」
さやかを見る男
さやか「私達が変えさせないから。頑張ろう。ね」
男「何にもできないさ。メディアだって統制を受けている」
さやか「そうかな?意外に弱い奴らかもよ。だって頭悪そうだし」
男「えっ?マジ」
●時間経過・路地裏
袋小路みたいな場所に行き着く男。静かに呼吸する男。独り言のように
男「何だよあの女。普通の女じゃねえぞ」
っと歩たちが追いつき、
歩「みーつけた。さあ、被害者に謝罪してお縄に」
っと男が抵抗するようにナイフを出し突き付ける。
男「ざけんな。捕まるかよ」
歩「なんでか弱い乙女に触ろうとした」
男「決まってるだろ、欲望を満たすためだ。お前も覚えてた方がいいが、男っていう生き物はよ女をめちゃくちゃにしたいって思いが強いんだ。そりゃそういう如何わしい店にいきゃいいかもだが、普通の街歩いてる女子がいいんだ。かわいい子が多いしな」
歩「うーん、私にはよくわからないけど男の人ってやっぱバカだ」
男「あんだと」
歩「勘違いしないでもらいたいけど、街歩いてる乙女が全部が全部エロいだの、実はエッチが好きなんて言ってるけどそんなことあるわけない。それは妄想の域だ。触られて愉快な人なんていりゃしない。男の人は時に乙女を性欲を満たす道具として扱う。乙女だって人間だ‼️物でもないし、ましてや性の奴隷じゃない」
男「黙りやがれ‼️」
突進してくるように来る男。歩、間一髪男の手首を掴み、捻る。叫びにならない声を洩らし倒れる男。っと賢治が遅く登場。
賢治「なんだ、俺が出る幕はなかったな。しかし結局この男はレイプの前科もありらしい。さっきの女子も危なかった。壁に追い詰め逃げ場をなくした所で行為に及ぼうと思っていたみたいだな。なんと卑劣な」
歩「賢治、男の人ってやっぱ常に欲を満たさないといけないの?」
賢治「おいおい歩、直接過ぎないか?まあ俺はそういう気は起きないな」
歩「好きな人には」
見る歩。賢治、照れくさそうに。
賢治「さあ、わからないな」
行ってしまう賢治。サイレンの音が聞こえ、刑事課の山中が来る。
山中「よお、高橋、こいつか」
歩「刑事課の人間ならわかるでしょ。そいつたっぷり説教したからあとよろしく」
山中「また良からぬことに首突っ込んで、ショッキングな出来事にまた遭遇しちまうぞ」
動きが止まる歩。暗い顔になる。たが平静を装い。
歩「かも知れないね。でも私は悪を許さないから」
その場から立ち去る歩。
●時間経過・六本木
首相の安倍川有三が専用車で高級料理店に降り立ち。その離れた場所から安倍川の動向を怪しく見守る男。
この物語はフィクションです。つづく
ファイル2
●ゴーちゃんテレビ局・全景
港区にある巨大テレビ局。
●社長室
デモが流れるテレビ映像。それを見て薄ら笑いを浮かべる社長。
社長「これで安倍川は終わりだな」
っとノックがあり、血相を変えた総務課や広報の人間が入ってくる
総務課「失礼致します社長。局の郵便受けにこのようなものが・・・」
それは民自党からの封書である。さらにそれと同時に社長室の電話がなる。
受付「官邸関係者から電話が入っています」
社長「繋げ・・・お世話になります社長の富川・・・」
官邸関係者「テレビで流れるこれはいったいどういうことだ‼️」
社長「事実を取り上げているだけだ。偽りでもなんでもない」
官邸関係者「封書はお読みいただけましたか?番組責任者を官邸にと」
眉を潜める
社長「立場をわきまえているかね。言語道断だ。このようなことで抗議とはいかがなものか」
官邸関係者「責任逃れをするのか。また連絡する」
電話が切れる。
総務課「社長」
社長「何心配するな。新聞社と週刊誌に書かせるか。なんとしても終わりにしないとな独裁政治を」
●未来新聞社
政治部の山崎が電話を取る。
山崎「はい、政治部・・・えっゴーちゃんテレビ?官邸から。それは本当か。ええ、ええ。今から向かいます」
部長「どうした山崎」
山崎「テレビにまた官邸から圧力があったらしい」
部長「なんだと。よし❗️事実確認をして、夕刊にも流せ」
●時間経過・日刊未来社
情報がファックスされてくる。社会部の矢沢が受けとる
矢沢「はぁ。官邸がまた。おいこれボロクソ書いてやろうぜ。すごいぞ」
翌日の朝刊、夕刊
朝刊「官邸、テレビに報道圧力」
夕方「全くこの男は懲りるのを知らない。隠蔽、改竄、はぐらかし、ごまかし、すり替え、そして報道圧力
そこまでして逃げ回る幼稚な男たち」
高橋歩の事件簿