タイムマシン
洗面所の電気を消して、洗濯機置き場の電気を消して、風呂場の電気を点けずに
風呂場の換気扇を止めて
服を脱いで、風呂場の扉を開ける
最初にシャワーを浴びて、なにかを流してから、浴槽に入る
此処には僕一人しかいない
真っ暗ではない
風呂場の壁に付いている、温度とかを調節する機械が光ってるから
その機械の追い焚きのボタンを押した
「追い焚きを開始します」
のアナウンスとともに、ゴゴゴゴと音が風呂場に響いた
タイムマシンみたいだ
それは二十分程度のことで
忘れたいことを、思い出したり
思い出したくないことを、忘れてなかったり
僕の汗がお湯にとけ、ぬるく蒸発して、飛ぶ
それは、二十分程度のことだった
浴槽を出て、なにかを洗って
タイムマシンの扉を開けた
外との温度差で頭がクラクラする
脱力感に倒れそうになりながら
飲んだ炭酸水
喉がビリッとして、微かにわかる現在
タイムマシン