陰惨を独白する
灰色の青春の中で、快楽は過ぎ去り、音楽は音楽に聞こえなくなった。
濁色の沈められた独白した陰惨、縦横に広がる経緯。
それでいて、それでも、醜いものを求めるしかない。
いいや、僕にとっては、結局、醜かろうと惨かろうとよかったのかもしれない。
彼らを大脳皮質で感覚し、そしてその果てしない快楽と渇仰の中で僕は扁桃体の震えを感じる。
この幻覚の中で正常に機能しているものなど、きっと一つもない。
そんな環境下で彼らが求め続けることは、僕にとってはそれなりには馬鹿馬鹿しい事なのだ。
幾度とない自己嫌悪と尽きない自己顕示欲と数多の自己研鑽の中で神経てきたことば達。
その両手に迎えられた言葉たち。
迎合された快感と淫蕩に縫合されたことばたち。
網膜に焼き付き聴覚を犯しながら僕の脳内に広がってゆく彼らという存在。
熱く溢れる、その冷たく横たわった深潭への想い。
閃光電球の中で溶ける氷が弾ける。
そういう意味の無いイメージの中で僕は彼らを偏在させてゆく。
顕現させた健全の中に捧げて。
陰惨を独白する