人生

神は私にこの世界で何をさせたいというのか。どのような至練をお与えになりたいのですか。
私とは一体どのような人間なのでしょう。この世界で私にも訳のわからない事をしているのでしょうか。そのような仕業に私では無い人間を生きるはめになってしまったのでしょうか。
私をこんな人間にしたあなたがそれ程までに悪かったというのか。人間とは苦しみが喜びにぱっと変わる時に、ほのぼのとして懐しみ人生に泣いて感動しなくてはならないのです。
この世界でそんなにも神様はたやすく人間をなめていいのでしょうか。
そんな男には決してなりたくなかった、そんな男には。あなたは一体何を考えているというの。こんな人間の傑物がいたとは知りませんでしたわ。
あなたに私はそんな罪を犯して、またひとり夜に悩ませてしまったのでしょうか。
人生で様々な経験をして悩んで苦しみをつき抜けてつき抜けなければいけない。そして揺り篭の中の赤ちゃんは言葉を初めて語るのか。わかるその後の姿を、人は今夜もひとたび化けなくてはならない。
私は人生にひとつの真理を与えた。人間の苦しみの意味がわかり始めるまで、人間とは一体この夜人生の至練に耐えれるのでしょうか。
私はあなたの仕打ちにどのように耐えていかなくてはならないのか。私にはまだそれに答える自信が無いのです。
神はきっとこの至練に打ち克てるからお与えになったのです。それはそれでいいのです。
お願いですから。人生に少しだけでも苦しみの意味を教えて。その真意の意味を優しく囁くようにそっと伝えて、意味なんて何もなかったとどうぞ言って、私をどうかどうか安らかにさせて、そして一番嬉しくときめかせてください。
人生の苦しみの意味がやっと何となくわかり初めたような気がした時、あなたが美しい聖人としてそこに立っていた。
こんな人生の至練もありかなと、必要以上に何気なくあなたをうっとりとして想い、何と言う私は愛する者を初めて知った事にはっと気づいたのです。
人生とは今を人想いに死んだ方がいいのではないか。
何という喜怒哀楽の微かな変化に、人生とは深い感銘の中にまた深く身を寄せて、苦しみと共生して、ひとたび身をかがめて深く感じなければ、ああ、人生はひとつに死んでいかなくては、ああ、無情にひとつ愛が死んだというのか。
神様は私にそのような至練に耐えさせるというのか。そして一人の孤独な人間はまた考えこまなくてはならないのです。
人間らしくしてまたそのように愛を語らなくてはならないのか。
人間として生まれて初めてこの素晴らしく凄い感情を我ながらに感じた。あなたは人生に何という美しい情景を見せくれたのでしょう。あなたは可憐な心でこれ程までに私を魅せてくれるのか。

今更ながら私は人の心を持っている事実を知ったのです。
これ程までに人の悲しい心を強く感じなければならない。この人生劇場の中で一体誰が駒を転がしてもて遊んでいるのか。私はわからなくなったのです。
私の心は一体何を感じて、何に時間を費さなければならなかったのでしょう。
人生でここまで人の心を感じてきてふと想う。私って結局生きてるんだなあと、ああ、教えられたのです。

そしてふわっと静かに死を選ぶ時が来たのです。
ああ、私は死ぬの、あの方の元へと行く時が来たのではないか。この世界で課されてきた自分の役割をふと想い初めるのです。
ああ、私とは死んで生きて何の意味なんてなかった。たかが人生、すぐにでも死んでいきたかったのです。
あなたという人間の形をした神を見た時、私はすでに人間ではなかったのです。
あなたはなぜにこんなにも苦しみを与えて私をお見捨てになったのでしょうか。
私は私のままでいさせて、あともう少しの時間だけなのですから。私はもうとっくに人間ではなくなったのかもしれない。
ふとこのように苦しみをつき抜けた時、もう人間ではなくなっているのです。
そして私はそれを知った時にはもう人間ではなかったのです。
私一体こんな人生で良かったのでしょうか。今になってわかる。これで本当は良かったと。
さあ、これからは全ての苦しみを忘れる時間にしていきましょう。この人間の社会を全て忘れましょう。
何もかもそう全てがこの宇宙に一つだけの一つとしてない心を作り初めた。さあ、これも神様であった一人の人間から一つのエレガントな啓示を用意してくれていたのです。
私がいる、それだけでいいではないかと。どこまでも寛容な精神で乗り超えた人生の道があった。ふと人生がたったひとつの感性になった。ああ、これで良かったんだわ。
私が私を育てる時、心という不思議さにふと不思議な人生がこの感情に移ろいゆく意味を知ったのです。
神よ、きっと私に秘密の園を見せてくれたのです。私は宇宙に一つだけの一つしかない一つの移ろいゆく心というものを知ったのでしょう。
私とあなたはそんな美しい世界の中にいて、自分の心を生きて生きさせて、このように確かに人生を生きてきたのです。
こんな人生で明日死んでもいいとふと想えるのです。ああ、もうこれでいいのでしょう。もう何も死なんて怖くない。
私の心で全てを感じ尽くして本当に良かったのではないでしょうか。
ああ、私にも人生でひとつだけいいと想える事があったのですから。