マスターズ

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我が子をこれ程までに愛する世界の心象の虚無なのでしょうか。人間を生きる事とは、1人で生きるのか、それとも2人で生きる事なのでしょうか。
私という人間は1人で自然の原理について探求して、知性とは何処から来て何処へ行くのかを知りたいのです。
神の手を私の手が握り取り、神の手の中の温度を注意深く知るのが大好きなのです。
広くて大きくて何もない草原をゆったりとした足取りで、神と共に一緒に歩む事は心暖まりじんとする不思議で未知な感覚なのです。
神と手をつないで温めあってアンドロメダ銀河を眺めて、宇宙の広さを一緒に体で確かめ合う事が、個性を確立する為の一つの方法なのです。
大海原を広く彼方に眺め見渡す処女の血潮したヒラエルギーの生命線に、一つの高い人間像をスムーズになめらかに全てを昇化して洗い流す時、2人は感動して人間の静寂な温度を知ったのです。
2人で高い山峰の頂を見渡す時、その豪勢で雄々たる大らかな態度に、人間もこのように不変に何事にも動じない姿勢を持つ寛容ななめらかさを教えられ、私達の感受性は、ああ、全てこのままでいいのです。
2人でその立派な木の御姿を見つめる時、何という長い年月を生きた堂々たる生き様に、大自然への共生感を持ち、私達は優しく他者と共存する助け合いに生きる姿勢を教えられるのです。
初めて神が書いたスコアを2人で眺める時、そこにぱっと光が当たった。
神々しい光が照射した無限の知性が内蔵した御恩に、体をしっかりと寄せ合い超越した次元の宇宙を、崇高なときめきと共に昇らせて偉大な威厳にさらわられていく。
大自然のリズムを体蔵した大河を、身も心も許し許され委ね委ねられ、万物を預けて眺める時にこそ、この世界の全てを忘れる事ができる。
さあ、これからあの世へ一緒に生きましょう。
2人で宇宙論についての講義を受けて、神の真実の吐露に感化される時、世界はこのように神の手で全ては転がされていたのを知った。
宇宙はしんと静まりかえり神の創成したリズムにゆったりと戯れている。
神の子よ、目覚めなさい。
私はこの時空を広く見渡して一つの宇宙を創造した時の、神のリズムを知り心が移ろいゆく情熱の美しい熱気を、そっと私の手の中で感覚したのです。
私達の見知らぬ神の万物を創成した手の美しくしなやかな形状に、この万天の発想性のきらめきに和んで嬉々と寄り添っているのです。
この世界は見知らぬ創造主の意気を放ち嬉々としたリズムで躍動し、この昇天した今ずっと神を見つめていたいのです。
神しか知らない、私達がこれまで感覚してきた情報の中で、一番必要な情報を選任して生き様に今生かすのだわ。
神の創造した意識の移ろいが一つの芸術作品として感覚されて、この作品に感化された魂は無限のバイオリズムを獲得する。
創造主による素晴らしい力を私達は手にする事ができたのです。
私達をこのような奇跡の存在にしたのは、宇宙の一体誰の仕業なのでしょうか。
私達をここまで激情の深遠な彼方に行き渡らせる創造物。私達はこの手ひとつで宇宙を創造するようになったのです。
私達は様々な困難を乗り超えて、宇宙に広がる景観はこれまで以上に感応性に満ちて叙情に溢れる。
人間の生き様を、生き神様として写経しているのです。
この広大深遠な宇宙に唯一人しかいない、創造主としての人間となったのではないでしょうか。
私達の生きている宇宙は全て神の手で書かれているのです。何もかも身を委ねてなすがままになっていくのです。
もうそれでいいのです。
私達は人生の森羅万象の中でひと際に輝やき、宇宙の彼方まで見渡せる光を用意して発した。
この宇宙の諸現象が全て意味を成して定理が証明された。
この一つの真理にさあ、結集していくのです。集体成は結集をしていくのです。
私達は自然の諸現象を先生として貪欲に我が物として、一人の男と女を作り上げた。
宇宙は我々と同じように主観の通りに移ろいゆき、マスターズの優美な物語が進行しているのです。
私達は宇宙の様々な驚異の情景を見た時に、全ての問題を解決した爽々しさに、月夜は晴れ渡り愛に満ちて万物の情景が宿る一つの魂が現れた。
私達は人間になる事を選び成長し進化していく。この人生とは本当に素晴しいのです。
そして人間は1人では生きてはいけないのだと認識するのです。
私達は今これで全てがいいと、このままでいいと感じました。私達は生きてきて本当に良かったと、これで全てが報われたのです。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-05-21

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