テロ対策は闇が深い!Berta
この話は『テロ対策は闇が深い!Ärger』の続きです!(1話は『テロ対策は闇が深い!Able』)
※この話は『小説家になろう』にも載せます
※この話は『小説家になろう』では第二章にあたります
Berta
ゾンビ愛護団体総本部近くにて……
「保科一等、宇賀二等より本部に運べとの指示がきました」
そう言ったのは名取だった。すると名取の隣にいる保科という男性は「じゃあ連れていくか」と言うと、地面に突っ伏している男性の腕を掴んだ。そして無理矢理立たせた
保科と名取は、作戦通りゾンビ愛護団体総本部周辺の警備をしていた。そして色々なことがあったため、拳銃を所持している男性を捕まえていた
「しかし危なかった。名取がいて助かったよ」
保科は横にいる名取にそう言った。すると名取は「有難うございます」と言った。そして名取は近くに止まっている車のドアを開けた
「さて、乗り込め」
保科はそう言うと手錠をしている男性を車の後部座席に乗せた。そのとき、男性は抵抗していたもののこちらは二人のため無理矢理車に乗せることが出来た
「それじゃあ行こうか」
保科はそう言うと運転席に座った。なので名取も車に乗り込んだ
「名取、一応他の人に離れることを伝えておいてくれ」
「了解です」
名取はそう言うと、保科の指示通り無線を使って報告をし始めた。そして報告が終わると無線を切った
二人の乗っている車は東京本部に向けて走っていた
「保科一等」
「ん?」
名取は運転している保科を呼んだ。すると保科は前を見ながらそう答えた
「この男、何で拳銃持ってたんでしょうね」
名取はそう言った
ゾンビ愛護団体が重火器を所持しているのは、ゾンビ対策官なら誰でも知っていた。しかしゾンビ愛護団体の人間が何もない日に拳銃を持ち出し、捕まるということは過去には無かった
「さぁな。気分とかじゃないか?」
保科がそう言うと名取は苦笑いをした。すると保科はバックミラーで捕まえた男性をチラッと見るとこう言った
「今のは冗談だ」
「えぇ、知ってますよ。これでも保科二等とはそれなりに仕事してますし」
名取はそう言った。すると保科は「そうか。じゃあ本題に入ろうか」と言った
「もしかしたらコイツら何か掴んでるかも知れないな」
「何か?」
名取は保科の発言に対してそう聞いた。すると保科「何か……」と小声で言うと、今度ははっきりとした口調でこう言った
「そう。何かしらの情報をだ」
「情報?それは何ですか?」
名取はそう質問した。しかし保科もあくまで推測で言っているだけであり、何かを知っているというわけでは無かった。なので保科は名取にこう言った
「さぁな、あくまで推測だから…… ただこの行動に意味がないはずがない」
保科はそう言い切った
ゾンビ愛護団体は昔から意味のない行動は一切しない組織だった。なので今回の事件も何かしらの意味があったのではないかと保科は考えた
「これで本当に意味がなかったら面白いですけどね」
名取は窓から外を見るとそう言った。するとそんな名取は保科は「それはない」と言った。なので名取は「何でそう言い切れるのですか?」と聞いた。すると保科はこう言った
「カンだよ」
ゾンビ愛護団体総本部近くのトラックにて……
「え?拳銃を所持している男性を捕まえた、ですか?」
東京本部にいる監視官への連絡を終えた宇賀は、今起きていることを真野に教えていた。するとその話を聞いた真野はそう言った
「悪いがもう少し小さい声で頼む」
宇賀がそう注意すると真野は「あっ!」と言うと手で口を押さえた
いま宇賀と真野の乗っているトラックは、ゾンビ殲滅局が改造したトラックで、荷台には何かあった時のために武装した監視官達が乗っていた。なので出来る限り目立つような行為は避けたかった
「すみません。大声だして……」
真野は小声でそう謝罪した。しかしあくまで大声は出さないでほしいというだけであり、小声で話さなくても良かった。なので宇賀は真野に「あぁ大丈夫。小声じゃなくても」と言った
「けど、その捕まえた男、私を追ってきてたりして……」
「まぁあり得なくもないな」
宇賀がそう言ったときだった。突然トラックに取り付けられている無線機が鳴った。なので宇賀はその無線に出た
そしてしばらくすると宇賀は真野にこう言った
「今から話を聞き出すそうだ。詳しいことは後で保科さんか名取に聞こう」
宇賀がそう言うと真野は「はい」と言った。そして外を見ると、今回の任務について振り返りをし始めた……
テロ対策は闇が深い!Berta
名取新(なとりあらた)
三等監視官
武器……拳銃