追想

ねこです 作

だから、要約すると、「あなたには僕が見えていたか?」という問題に帰結する訳ですよ。
あの僕は生涯報われないでしょう。
「一瞬でも、その無機質な虹彩に映してほしかった…!」と、膨大な自我(エゴ)を飼い殺し続けている。
あなたに僕の細く白い首を絞められる、白くぼうっとして、こきりと音がして、甘美な夢から覚めると、あなたの唯一人の友人がいるよ。そのときあなたがどんな表情をしていたかはいつも思い出せない。
あなたをころそうとすると、僕の非力な腕ではあなたの健康に育った首をへし折れる訳もなく、僕は僕のナイフを取り出して(これは、姉に託されたもの…?)、刺そうとして、二日酔いのように目が醒める。あのときあなたはいつも僕を軽蔑するように無抵抗だった気がした。
だから、最初で最後で最大の呪詛を、「幸せになれ。」と、吐く。
お前が幸せにならないまま死んだとき、私はお前を殺しに行く。

追想

追想

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-05-15

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