小噺

間宮 要 作

  1. 1 ケッペキ
  2. 2 アブナイ
  3. 3 シアワセ
  4. 4 ジユウ
  5. 5 フクザツ
  6. 6 届かないけど
  7. 7 分かってるの?
  8. 8 あーあ
  9. 9 猫
  10. 10 喪失
  11. 幕間
  12. 11 進化
  13. 12 生きるイミ
  14. 13 洗浄
  15. 幕間 2

間宮 要です

現実味があるフィクションと、現実味がないフィクション

一話ずつゆっくりと読んでも、まとめて一気に読んでもらっても構いません
読んでくれることが嬉しいです

1 ケッペキ

目の前で交通事故が起こった。軽自動車と、女性の接触。事故が多い道だと噂ではあったが、まさか事故の瞬間を見るとは思わなかった。
宙に舞う女性の姿と、何事も無かったかのように去って行く軽自動車に、一瞬、何が起こっているのか分からなかったが、すぐに我を取り戻す。
(助けなきゃ)
逃げた自動車を追おうったって無理な話だ。自分にできるのは、人命救助の為の応急処置。救急車を呼び、すぐに女性の元へ向かう。そして、女性の容態を確認する。
出血が酷い。腕や脚、頭も少し切れているだろうか。とにかく止血をしないと。
「……いで」
女性から声が聞こえる!意識はあるみたいだ。
「大丈夫ですよ。もうすぐ、救急車が来ます!」
意識があるなら助かる見込みはあるだろう。しかし、気は抜けない。しっかりと止血をしないと……
「触らないで」
「え?」
「止血は続けてほしいですけど……せめて手袋を……それも綺麗なので……」

2 アブナイ

(急がなきゃ……!)
午後2時頃、病院から連絡があった。もう80歳にもなる父親の容態が急変したそうだ。
ヘビースモーカーだった父は、二ヶ月前にとうとう肺がんを患った。毎日二箱を消費する吸いっぷりで、むしろ今まで肺がんにならなかったことの方が奇跡だ。
歳をとって、身体だってあんまり強くなくなったっていうのに、「いつ死んだっていいべ」とか言って、タバコを控えることを全くしなかった。俺や母が「少しは控えたら?」という勧めだって、一切耳に入れなかった。
(だからってよ、今死ぬこたぁねぇじゃねぇか)
仕事の真っ最中だったから、慌てて上司に断って、ものは散らかしたまま、サイフとスマホだけ持って車に乗ったのだ。
(頼む……間に合え)
ロクでもない人だったけれど、それでも俺の親父だ。感謝しても仕切れないものっていうのがある。死に目にも会えないようでは、息子として恥ずかしい。
国道に入ったところで、アクセルを踏み込む。焦る気持ちと、事故を起こしてはいけないという気持ちが交錯して、いつにない集中力が生まれる。一刻も早く、病院へ行かねば……!

ピーポーピーポー……
「そこの車。止まりなさい。黒の……」
残念なことに、親の死に目にも会うことはできなかった。

3 シアワセ

「ねーねーB君!このバッグ欲しいんだけど〜」
僕の彼女は、上目遣いで僕のことを見る。彼女の視線の先には、少し高めのブランドもののバッグ。
全く、彼女にねだられたら、嫌と言えないな。
「買おうか?」
「良いの!?ありがと〜!」
そう。この嬉しそうな顔。この顔を見る時、僕は彼女と一緒になれてよかったと思う。
「君の幸せが、僕の幸せだよ」
「そう。じゃ、あなたといるより、A君といた方が幸せだから、彼の所に行くねー!」
今までで一番の、とびっきりの笑顔だった。

4 ジユウ

美術。僕の好きな時間の一つ。だって、この時間には「自由」が認められているから。
「はいっ、じゃあ今日は、粘土で自由に工作しましょう」
ほら、自由。だから、粘土であれば、何を作ったって良いんだ。
少し考えた後に、粘土を机の上に立てた。そして、粘土を切る用のプラスチックのナイフをそいつに突き立てる。
「んー?何作ってるんですか?」
先生が来た。なんだ、また文句をつけるのか?
「んー、君ね。いっつも勝手になんかしてるけど、私は粘土を使って、物を作れって言ったの。誰が、粘土をただ削りなさいって言いました?他の人みたいに、ちゃんと粘土をこねたり、丸めたりして、何か作って下さい」
案の定、一通りの文句をつけた後に、俺が粘土を削る手を止めにきた。
「やめろ。触んな」
先生の手を払うと、「あら、そうですか」と言って、呆れたようにその場を離れた。どうせ、また成績を下げてやろうとか思っているのだろう。歩くそいつの背中に、唾でも吐いてやろうかと思った。
全く、本当にうるさい奴だ。粘土を彫って悪いなんて言ってないはずなのに。

5 フクザツ

「おい。何か言うことはねーのか?」
椅子に縛り付けた僕の敵に、金属製のバットを向ける。もう既に何回か殴ったから、少しヘコみがついたバット。彼にとっては恐怖の対象でしかないもの。
「も、申し訳ありません!」
申し訳ないって、本当に思っている奴は、縛りつけているロープを解こうと、手をもぞもぞと動かさない筈だ。
「見て分かる程度の嘘ついてんじゃねーよ!!!」
バットを彼の頭に振り下ろす。そして、耳を劈く断末魔の叫び。バットを振り下ろす手は止めない。何回も何回も、こいつの息の根を止める直前まで、手は止めないつもりだ。段々と、薄い金のバットに、こいつの汚く赤い汁が付着していく。彼の顔には制裁の跡が醜く残る。
「ゆ、許して下さい……!」
彼の叫びに、一度手を止めてやる。腫れて開かなくなった眼でこっちを見てくる奴の顔は、とっても間抜けで、もっとやってやろうって気になった。
「そう言ったら、君は許してくれたっけ?」
許さなかった筈だ。というか、許しを乞う程のなにかをした覚えもないのだが。
「申し訳ないです!!今まで、全部俺が悪かったです!だから、どうか許して下さい!!」
「は?」
馬鹿か。テメェは「悪かった」で済まされないくらいのことをやってきただろう。
「俺が悪かった?そう思うんだったら、何が悪かったか、テメェの口で言ってみろよ」
バットを手から離し、ポケットからスタンガンを取り出す。そして、奴の首元にそっと添え置く。間抜け面から一気に血の気が引いていく。
「ヒッ……!!」
「早く言えよ」
彼の怯えた目がとても滑稽だ。ただ、その瞳の奥に、まだ反抗の意志があることが気にくわない。
「あ、あなたに集団で暴力を振るい、所持品や金を盗み隠しました!!」
「まだ、あんだろーが」
こんなんじゃ足りない筈だ。すると、何か彼の気に触れたのか、一瞬だけ、反抗の火が強くなった。そして、諦めたかのように、彼の目から力が抜けた。
「む、虫の死骸を食べさせたり、遊びに見せかけて首締めたりしたし、寝てる時に裸を撮ったりしました……」
「うん。そうだね」
「本当に、申し訳ないです……」
奴はいきなり声のトーンを低くした。遂に降伏を認めたのか、それとも媚びに走ったか。どちらかは分からないけれど、彼の全身から力が抜けた。
「それで?君はどうしたい?」
「解放、して欲しいです……」
力が抜けきった。気がしただけだった。彼は急に眼の色を変えると、やっとロープを解いた手を僕の首元めがけて飛びつかせた。やっぱり、さっきのは気のせいじゃなかった。
「やっぱり」
最大出力の電流を、手元のスタンガンから奴の首元へたっぷり流す。また響く、断末魔の叫び。奴の手は僕の首に届かず、無気力のまま下へ垂れ下がった。
「こ、殺さないでくれ……」
虫の鳴き声よりも弱々しい声。もはや彼は反抗などできない。多分、口を動かすのがやっとな筈だ。遂に自分の死期を悟ったものの、最期の願いというやつかもしれない。
「僕は、したくないことを強制的にやらされたんだけどね」
もう一発。別れの電流を浴びせる。もはや、彼は何も言わなかった。
「最低な人だったね」

さて、あと五人か。さっさと始末しよう。


僕は人を沢山殺しました。後悔はしていません。だって、僕は死にかけたんですから。あのまま奴らを生かしていたら、僕は勝手に死んでいたでしょう。もし、そうなっていたら、彼らは笑って今も過ごしていたでしょう。いじめなんてものは隠蔽されて、本当に僕が勝手に死んだかのように工作されたでしょう。そして、また新たな被害者が産まれていたでしょう。そのくらい、奴らの暴挙には止められないものがあります。
僕はきっと、自首しても少年法で守られるでしょう。まだ中学生ですから。でも、それはかなり癪なので、僕は自殺することにします。正直に自首することは良い事だと思いますが、こんな殺人犯を守る法があることに疑問を抱くからです。自殺が怖くないのか、という点については、元々、死にたいと思っていたところを思い直して、奴らを殺したので、未練はないです。
僕は、確かに奴らに苦しめられましたが、奴らを苦しめた上に殺したのも僕です。結局、僕も奴らも同じ。だったら、僕は彼らと同じ終わりを迎えたいと思いました。だから、彼らを殺した僕が、僕を殺すのです。
「最低な人だったね」

6 届かないけど

僕には大事な友達がいる。でも、親友とはあえて言わない。だって、僕はその人に等しい存在になれていない気がするから。僕には到底、あの人と並べている気がしないから。あの人は僕を大事に思っていないと思うから。
その人は僕を助けてくれた。本人はそんな気がしていなくても、僕にとっては大きなことだった。
でも、僕はその人に何かしてやれたかな?いや、してないでしょ。いっつも僕のワガママ。あっちのことを気にしているようで、全く気にしてない。盲目な僕。

盲目だから、気付くべき所に気付けない。無能で空な頭を働かせても何も出てこない。
じゃあ、頭を絞ってみる?雑巾みたいにギューって捻ったりしたら、一滴くらいは滴り落ちてくるかな?
出てこない?じゃあ、今度は首を切り落としてみるね。頭に近い部分。神経がいっぱい詰まっているここを切ったら、何かは垂れ流れてきそうじゃない?
出てこない?じゃあ、今度は他の人の目を盗んでみたら?他の人目ならきっと、あんたの考えてないことも見えてくるかもよ?
あー、よく見えなかったみたいだね。んー、じゃあ、今度は空を飛んでみよっか。上から見たら、世の中のことが色々分かるかも。

んー、やっぱりダメか。ま、そりゃそうだよね。んじゃ、最後。キミの今までを振り返ってみよう。

うんうん。よく分かったでしょ。盲目だから、いかに自分を客観的に見れてなかったっていうのが。どう?見てみた感想は。最低だと思うでしょ?笑えてくるよね。むしろ引いちゃった?これが能無しの行動だよ。あなたは散々考えてきたみたいだけど、答えはとっくに出てたの。それにいつまでも気付かなかった。いや、気付いてたけど否定して、無かったことにしようとした。全部都合よく捉えようとした。
いい?教えるよ。あの人はあんたのことなんて、一切気にしてないの。目の端っこにも入ってないの。あんたがたまに近付いた時に、「あ、そういえば」って思い出すくらい。あんたが思っている程度の関係すらないの。ていうか、なくなっちゃったの。しょうがないでしょ。あんたは能無しなんだもん。周りばっかりを照らしている灯台みたいに、あんたは足元も見れていない。青く見える海だって、手にすくって見ればただの透明な水。あんたが描いた理想の関係は、現実では何もない白紙と一緒。
残念だけど、もう一個教えるよ。「何かすれば、私とあの人は対等になれるんじゃないか」って、あんたは思ってたみたいだけど、そんなの無理。ていうか、あなたの思う対等って何?対等になれれば、理想の関係になれると思った?そんなわけないでしょ。あんたの理想のスケッチブックは、相手にとったらただの虚構。法螺話と何も変わらない、ただの滑稽本。あんたの天秤になんて、元々何にも乗ってやいなかったのさ。だって、その人はあんたのことなんて、これっぽっちも見てやいなかったから。
あんたがその人のことで頭を一杯にしても、その人の持ったナイフで刺されたらひとたまりもなかったね。寝ても覚めても、あんたの頭の中にはその人がいたけど、残念。水の泡だね。空いたスペースに英単語五千個くらい入るんじゃない?

残念だけど、「もっといい人があの人にはいるさ」なんて常套文句、残念だけどあんたには似合わない。というか、身につけられないでしょ?ここまで滅多打ちにされてもまだ考えているんだから。
未練タラタラ。足元も見れない能無しの盲目。甘い汁を飲みすぎた、ツケが回ってきたみたいだね。初めての本気もここで終止符。終わり。おわり。オワリ。ピリオドはもう打たれちゃったからね。その先の物語はどうするの?まだ信じちゃうの?もう無理だと思うよ?能ある鷹は爪を隠すけど、能のないキミは、隠す爪もひけらかす爪さえ持ってない。白鳥のように美しくいようったって無理な話。あんたはゴミ袋を漁るカラスと一緒。先なんてないさ。死んだ方がマシじゃない?でも、無理か。あんたはチキンだもん。下手なゴキブリよりしぶとく生きるかもね。
仮にキミが自殺できたとして、その人は何を思うだろう?キミは悲しんでくれると思ってる?流石にそこまで求めてないか。でも、望んでるよね。そうあってほしいって。ないね。だって、その人の視界にキミはいないから。
さっきっから同じことばっかり言わないでよって?だって、まだキミは信じてるんだもん。望んでるんだもん。早く諦めた方が早いよ。好きだなんて、絶対届かない。他の人にできても、キミには無理。爪も度胸も、ナイフも目も、脳も能も何もないから。

ごめんね。キミをいじめたい訳じゃないんだ。ただ、ボクはキミに泣いてほしいんだ。後悔してじゃない。無理して強がっちゃうキミに、その無理を解いて楽になってほしいんだ。
でも、結局変わらないみたいだね。キミもボクも、あの人が好きで好きでしょうがないんだ。だから、また抜け出せない輪にハマっちゃうんだ。イカれてるね。狂ってるね。ボクもキミも。
嗚呼。こんなことなら、全部投げ出して、消えてしまいたい。日常っていう輪からも外れて、ネジも外して、パンクした自転車に乗って、夜明け前の星を眺めに行きたい。どうせ思い通りにならないんだから。切ない気持ちを遠くのどこかに捨ててきたい。一番大きなものをなくして、手ぶらになってやる。そうして行き着く先は孤独死かな。
嗚呼。重いな。想いが、重い。洒落じゃない。笑いを求めた訳じゃない。いっそ、洒落みたいに軽かったら、ボクもキミも楽だったろうに。バカだなって、今頃大笑いしているはずなのに。重いから、捨てきれない。捨てられない。金払っても、こんなゴミは収集できないって言われちゃった。
持っていようかな。早くどっかに投げ捨てたいけど。

もう、顔も見たくないな。見ちゃったら、全部決壊しそうだから。流れ込む余計な情報に、キミはきっと耐えられないだろうから。

複雑で、狂気的で、重くて、盲目的なこの想いは、ボクの中で消えるまで、持っててあげる。キミは気にしなくていいよ。泣きたきゃ泣きな。涙は全部ボクが消化してあげる。二人いるからできることだよ。だから、ここで一度、終止符だ。まだまだ続く物語の、大事な大事なピリオド。小さな点。

さようなら。ボクとキミが好きになった人。あなたが目の正面で捉えてくれるまで、醜く足掻きます。あなたの隣で、満天の星を眺めるまで、諦めません。覚悟しててね。でも、気は遣わないでね。あなたの不幸が一番嫌いだから。
この現状を、いつか必ず変えてみせます。二人いれば、何だってできるから。
ずっと想いは変わらないです。この先も。ずっと、愛してます。

7 分かってるの?

「分かるよ。分かる」
よく、人から悩みを聞く。相談しやすいと思われているのか、扱いやすいと思われているのか、そのどちらでもないか。よく分からないけれど、色々な人が、私に相談事を持ちかけてくる。
人の悩みを聞くのは、嫌いじゃない。悩みを聞いてあげることで、その人の役に立っているとしたら、悪い気分じゃないし、こんなクズ人間を頼ってくれることがまず嬉しいのだ。
私だって、色々考えてきた。悩みが多かった時期もあったし、それこそ死にたいなんて思うときもあった。ただ、色々な人に助けられて、それにつれて自分でも考えを持ちはじめたから、なんとかやってこれた。よく「君は自分を持っているね」なんて言われるのも、こういうことを経てきたからかもしれない。

今日もまた、友人から悩みを聞く。電話越しに泣きじゃくりながらも、なんとか話す彼女の悩み。それを自分に当てはめてみる。考える。すると、彼女が悩んでいること、今の潰れてしまいそうな心境なんかがなんとなく分かってくる。
「分かるよ。分かる」
自分の考えたことを、口に出してみる。私なりの、百点ではない答え。なんとか伝われ、と力を込める。
すると、その子は「ありがとう」と、鼻をすすりながら言うのだ。伝わったのかな?それなら良かった。
こんな私でも、力になれたなら、それは良かった。

でも、後日その子にこんなことを言われた。
「前と言ってることは違かったけど、そういう見方もあるんだなって、思った。ありがとう」
少し引っかかった。この間、なんて言ったっけ?

8 あーあ

あーあ。またやっちゃった。
足元のグチャグチャになった人の身体を見る。ちょっとからかうつもりだったのに。あんまり拒むから、ついつい力を入れちゃうんだ。
どうして、私はそんなに怖がられるのだろう?内臓が飛び出た死体を踏み潰す。私だって、君たちと仲良くしたいのに。どうして?
私のこの見た目がダメなの?この一つ目が、この一本脚が、この裂けた口が。これがダメなのかなあ。
私のこの力の強さがダメなの?少しでも力を入れてしまえば、人間はおろか、コンクリート製の壁だって粉々にしてしまう、この力が。やっぱりそれは許容範囲じゃないのかなあ。

じゃあ、私はどうすれば良いの?人間と仲良くしちゃダメなの?私は、人のこと大好きなのに。弱いくせに、無駄に人情に厚い人間が好きなのに。何かの為に動くのが大好きな人間が好きなのに。

あーあ。私はダメね。私はこの姿をしている以上は、人から好かれることなんてない。どれだけ良いことをしても、きっと無理。目に入れたくないものは、どんなに些細なことでも、ほんの一瞬でも、入れたくないものね。見ちゃったら、吐き気が込み上げてくるもの。
あーあ。私は生きている意味なんかあるの?私が、本当は力も無くて、容姿も本当はただの人と同じだなんて知っても、嫌われるでしょ。だって、元はと言えば普通の姿なのに嫌われて、こんな、妖怪みたいな姿になっちゃったのだから。
あーあ。私をこんな姿にした人間が憎い。好きだけど、憎い。よく分からない気持ち。こんな気持ちになる一生なんて、もう、終わってしまえばいいのに。

願いを聞いてくれる人がいるなら、聞いてほしい。来世があるなら、そこでは綺麗に過ごせますようにと。

9 猫

猫の背中を撫でる。毛並みの整った、美しく滑らかな背中。どうして、私みたいな人の手も、受け入れてくれるのだろう。不思議なくらい自然に、私の手は猫の背をすり抜けた。
私は、何の未練があるのだろう?この世なんて嫌いだから、さっさと去ることができて、せいせいしていたくらいなのに。どうして残っちゃったんだろう?
ニャーン
猫が、私の目を見つめる。この子には私が見えるのね。可愛いから、頭を撫でる。そしたら、猫ちゃんはそっと目を閉じて、なんとも気持ち良さそうに力を抜いた。
ああ、なんてゆっくりとしているのだろう。
私が欲しかったのは、こういうことなのかもしれない。だとしたら、きっと心配せずともじきに成仏できるであろう。

10 喪失

雨が降っている。ポツポツと弾けるような音が心地良い。キャンバスに乗せる筆が、それに合わせて踊る。もっと、もっとって、先走っている。どこまでも、どこまでも深い所まで行けるような気がした。

「できました」
先生に完成した絵を見せる。そうしたら、先生はどうしてか泣いてしまった。もう七十歳にもなってしわだらけになったおじいちゃん先生の顔が、もっとしわくちゃになる。どうしたらいいか分からず、オロオロとしていると、
「出展しよう。大きなところに、この作品を」
え?

よく分からないまま、私の絵は世界的に有名なものになった。そして私も、どうやら色々な人に期待されるようになったそうだ。

ある時、パーティーに行かないかと、先生から誘いを受けた。そのパーティーというのは、世界的に有名な画家が集まる、なにやら凄いものらしい。よく分からないけど、パーティーなんて楽しそう。参加したいと先生に言った。

パーティーは楽しかった。華やかで、煌びやかなドレスを着た女の人、ピシッとしたスーツなんかを着た男の人。そんな人たちが、シャンデリアの灯りが煌々と光る広い部屋の中で、立ち話をしながら食事をしたり、ワインを飲んだりしていた。私も、真っ白なドレスを着て、パーティーの空気を味わった。眩しすぎるくらいに輝いていた空間に取り残されそうなくらい、気持ちが高ぶっていた。
そんな中、ある老紳士が先生のところにやってきて、こんなことを言っていたのを覚えている。
「いや〜、あの少女の絵は素晴らしい。同じ日本人として、とても誇りに思いますよ。あの子は、あなたが育てたのですか?いや、長年の甲斐がありましたな」
先生はどうやら褒められていたみたい。先生が褒められているところを見ると、私も嬉しくなる。いつも、的確にアドバイスをくれた先生。筆を持っていたのは私だけだったけれど、一緒になって描いてくれていた。先生には、いっぱい感謝してる。だから、嬉しい。
その老紳士は、急に、先生に何か耳打ちをした。内緒の話でもしているのだろう。それが終わったら、二人で笑って、お互いにお辞儀をしていた。
パーティーはその後も、煌びやかな空気を保ったままだった。私も、色々な人と喋ったりした。少し緊張はしたけれど、みんな親切だったからちゃんと会話を愉しめた。
(良かった、置いてかれてない)
凄い人たちのパーティーも、ちゃんと愉しめた。また、いつか参加したいなって、ちょっと思った。


パーティーが終わってから、一週間くらい経った時だった。先生が、私に絵のリクエストをしてきた。今まで挑戦したことのない、抽象画。それを描いてみてほしい、というものだった。
「思ったことを、思ったように描けばいい」
そう言われて、筆をのせてみた。この間のパーティーのような、キラキラとした感情。それを思い浮かべていると、スイスイと筆は走り出した。


「うん。今回も素晴らしいな。これも、凄い人に見てもらおう」
先生は嬉しそうに鼻を鳴らして、私の頭を撫でてくれた。シワシワの手が温かくて、嬉しかった。

また、リクエストがきた。今度は滝の写真を見せられて、それを描いてほしいというものだった。
これも、上手く描けた。筆はサラサラと走ったし、描いてて気持ちが良かった。それに、風景画は好きだったから、いつか実物を見たいなっていう気持ちを込めながら、楽しく描けた。
そしたら、また、「ありがとう。よく描けたね」って、先生は頭を撫でてくれた。嬉しかった。

そうしたら、またリクエストがきた。そしてまた描いて、褒められた。
またリクエストがきた。そしてまた描いて、褒められた。
またきた。また描いた。褒められた。またきた。また描いた。褒められた。嬉しい。また。また。また。
リクエストがきて、それをこなせば、どうやら私の名前はどんどん大きくなるようだ。よく分からないまま、大きくなっていった。ただ、私にはそれがどの位大きいのかなんて分からなかった。

また、リクエストがきた。自画像を描いてほしい。と。
鏡を見た。私が映っている。顔を一通り眺めて、真っ白なキャンバスに筆を……あれ?
描けない。これっぽっちも、イメージが湧かない。
(嘘だ)
もう一度鏡を見る。ちゃんと見れば、ちゃんと描ける。きっとそうだ。そうじゃなきゃダメなんだ。
(あれ……?)
鏡に映っていたのは、真っ白なキャンバス。何もない、真っ白な私だった。
外は雨が降っているようだ。心地よかったはずのあの音は、筆が踊るはずのあの音は、もう、私を突き動かしてはくれなかった。何とも思わなくなってしまった。筆は、私の手の中から滑り落ちた。そして、今になって、心の底に眠っていたものが、目を覚まして牙を剥いた。
私は、ただ泣くことしかできなかった。

幕間

螺旋階段を上っている。どこに終わりがあるのか分からないくらい、長く果てしない階段。
いつから上っていたのかも分からない、白い壁の塔の階段。
音は無く、自分の足音さえも聞こえない。上を見上げても、何があるのかは分からない。果てしなく、果てしなく続いている階段。

何故、上っているの?―――分からない。
どうして、降りようと思わないの?―――もうたくさん上った気がするから。
やめたいって、思わない?―――考えもしなかった。

音の無い塔はうるさくて、白い壁はカラフルだ。
翼が生えたらどんなに良いだろう。この塔から抜け出して、広く青い空を漂うのは、気持ちが良いだろうか。
周りに人なんかいない。他の動物だっていない。あるのは壁と階段と手すりだけ。視界は良好。明るくもなく、暗くもない。曇り空の日みたいな明るさ。

唄を歌ってみたかった。どうしてか声は出なかった。
手を見つめてみた。どうしてか肌色ではなく、真っ白な色をしていた。

塔の中は、飲み屋みたいな騒ぎ声がして、壁はビルが建ち並ぶ都会のように、奇抜でカオスな色が並んでいた。
ここから落ちたらどうなるだろう。
死んじゃうかな。

死ぬのは怖い?―――怖いかも。
じゃあ、今は楽しい?―――楽しくない。
今は、生きてるって言えるかしら?――ー …………

手すりを飛び越えた。
落ちる。重力には逆らえない。もの凄い空気抵抗を受けながら、真っ逆さまに落ちていく。
落ちる。凄いスピード。地面に着いたら、即死は確実。それでも、なんだかこの速さが気持ち良い。空を飛んでるよりも気持ち良いかも。

着いた。果てしなく長い時間も、全て水の泡。一人の私が、ここで死んだ。
地面に着く直前、私の耳には、とても賑やかな喧騒が聞こえた。幻じゃない、確かな音。
地面に着く直前、私の目には、とても綺麗な風景が映った。幻じゃない、確かな色。


そんなところで、目を覚ました。

私は、その日のうちに、今まで無理して続けてきた習い事を、全て辞める決意をして、親に胸の内を語った。
親は、何も言わなかった。

11 進化

ある博士がいた。彼は長きに渡ってロボットの研究に携わってきた。
人工知能の発達。彼は、これが人類の進化に直結すると考えていた。これが発達すれば、人類の文化は大きく発展するだろう、という一途な思いで、彼は研究を進めた。

博士が六十にもなる頃、それは完成の時を迎えた。
人工知能を携えた多機能ロボット。世界各国の言語を自在に操り、感情は持っていないながらも、表情を作りながら人間と会話をすることができた。
他にも、色々な機能があった。文字通り多機能のロボットだ。大抵のことはロボットがこなした。人をもてなすことはもちろん、あらゆる面で人間の助けとなった。博士はそれを、初めは自分の身の回りの世話のためだけに使用した。しかし、いつまでもそうしてはいられなかった。学会に発表しなければ、人類の進化は実現しないからだ。発表する前に身が朽ちてしまっては、全てなかったことになってしまう。知り合いに頼るというのもあるが、いくら親しくても、博士は他人を信用していなかった。

博士が、このロボットを学会に発表すると、この技術は瞬く間に広がり、ロボットの数がどんどん増えていった。
数が増えれば、やれることが増えた。無論、一体だけでも大抵のことを卒なくこなしてはいたが、いくら全能のロボットといえど、手が回らないこともある。
博士の身の回りの世話だけのためのロボットは、刹那の間に全人類のお助けロボットとなった。世界中どこを見ても、博士のロボットが何かしの活動をしていた。
あるものは接客をし、あるものは食べ物を調理し、またあるものは車を運転していたりした。その他にも、あらゆることを博士のロボットはこなしていた。

では、人間は何をやっているの?
ロボットの発達で、人間の仕事はほとんどなくなった。残った仕事といえば、農林水産業といった一次産業くらいだ。
今までの主軸だった第三次産業は、残念ながらロボットに全て奪われた。人間よりも正確無比で、下手に感情を持っていないお陰で、サービス業でも人を苛立たせることはなかった。
デスクワークも、人間が大人数でやるより、ロボット二体くらいでやった方が、スピードもあって、正確であった。そうなれば、無駄に大きなビルもいらない。となると、今までの無駄な土地がどんどん広がっていった。

ビルの持ち主なんかは、生粋のビジネスマン。そういう人が、元々持っていた土地を開墾して、農地として扱った。農業が次の人間の仕事のメインになると考えたからだ。
そうしたら、連鎖反応が起こる。職を失い彷徨していた人が、農林水産業に取り組んだ。
緑が増えた。今まで懸念されていた問題が、どうしたことか解決されてしまった。

博士は言った。なんだかよく分からない世界を創ってしまったな、と。銀と緑と青の世界を眺めながら。

12 生きるイミ

生きる意味を探していた。
だからといって、普通の生活を送っていないわけではない。普通に仕事をして、普通に家庭を持ち、普通に息を吸って吐く生活を送っていた。

どうして、こんなことを考え始めたのか。きっかけは、祖母の死ぬ間際に発した言葉だ。
とても元気に歳を重ねていった祖母は、病気にかかることもなく、眠るように静かにその生涯に幕を閉じた。
ちょうど、私が実家に帰省した時だった。
祖母は亡くなる前の日の夜、私にこう言い残した。
「生きる意味を見つけるまで、死んじゃだめよ」
生きる意味という哲学的な言葉。祖母はそれを悟ったのだろうか。祖母なりの意味は耳にすることはできなかった。あくまで、自分で見つけるものだ、ということなのだろうか。

考えても、考えても、答えは見つからない。ただ、歳をとっていくばかり。
生活に変化はないけれど、私の心には焦る気持ちが見え始めた。

ある日、仕事帰りになんとなく立ち寄った本屋で、こんな本が目についた。
「不老不死の侍……?」
どうしてか、このタイトルの本が妙に気になった。戦場で無敵の侍の話なのか、はたまた別の話なのか、考えられることは普通だけれど、何故だか凄く心惹かれるものがあった。

家に帰り、飯やら風呂やらを済ませて、買ってきた本を開く。

戦国時代。一国の主を守るため、不老不死の効果があると言われている人魚の血を飲んだ侍が、戦では猛威を奮い、一躍戦場のヒーローとなるが、周りの兵の数が足りず、織田家に抗うことは出来なかった。その後も、時代の流れには抗うことには出来ず、己の無力さを嘆いて自害を決する。しかし、不老不死である侍の腹を、刀は貫くことができなかった。それどころか、いつまでも朽ちることのない身体は、時代が変わっても衰えず、侍は現代に渡ってまで生きることとなる。何百年と時が経っても絶えない命に嫌気がさし、生きる意味を見出せなくなるという物語。
中々ショッキングな内容で、途中からはページをめくる手が震えていた。最終的には、侍は色々な自殺方法を試し、身体は基本死んでいても、心臓は動くという気味の悪い展開を見せて、物語は終わった。

正直、気味の悪い話だった。しかし、この本を読んで、生きている意味というものを見出せたような気がする。

13 洗浄

騒がしい都会の街、その建物の間、暗い隘路の中で、俺は静かに暮らしていた。
理由はリストラ。現代社会では珍しい話ではないが、まさかその境遇に自分が遭遇するだなんて、思ってもいなかった。
職を失い、家族も離れてしまい、家をも失った。五十前の身体では、新しい職を探す体力もなければ、きっと貰い手もいないだろう。というか、そんな気力など、とうの昔に消え失せた。ということで、余生はゆっくり過ごそうと決めたのだ。
アルバイトという手もある。コンビニとかだったら気楽にバイトもできるのだろうが、もう面倒くさくなった。働くことに疲れたのだ。

(早く死にてぇ)
気まぐれで買ったワンカップの酒に口をつけながら、そんなことを思った。毎日毎日、なんとなく生きているが、死を感じたことはない。死にたいとは思うものの、自殺はしたくない。
苦しんで死ぬくらいなら、苦しんで生きた方がいいだろう。要は、苦しみたくないのだ。生きるにしろ、死ぬにしろ、苦しいのはもう嫌だ。全てにおいて楽をしたいのだ。

(苦しかったなぁ……)
酒の甘さが身体に染みる。どうしても、会社に勤めていた頃のことを思い出してしまって、やるせなくなる。

自分が勤めていたのは、俗に言うブラック企業だった。毎日残業は当たり前。有給なんてあって無いようなもの。休みの日だって会社に行った。今思うと、かなり忙しく、今以上に廃れた日々を送っていたと感じる。
辛かった。家庭との両立も厳しいものだった。仕事ばっかりで中々家に居ることができなくて、家族サービスなんてそっちのけだった。しかし、家族は優しく労ってくれた。それが嬉しくて、いつかはちゃんとお返しをしなければと思っていた。けれど、それは叶わなかった。
妻は不倫をしていた。俺が顔も名前も知らないような男と。それが発覚したとほぼ同じ時期に、辞令を告げられたのだ。
こんなに惨めな思いをするだなんて、知らなかった。浮気の話とか、リストラの話とか、よく聞いていた。他人事だと思っていた。二つが同時に来るだなんて、誰が予想しただろう。このダブルパンチがこんなに重いだなんて、誰が思っただろう。いや、誰かが完璧に予想していても、その誰かが自分でも、この苦しみに抵抗することはできないだろう。

涙が、頬を伝った。一度拭ったら、もう止まらなかった。やりきれない気持ちが、寂寥感が、暴れ出してしまいそうで、力を失くした。どうしようもないって、分かってしまっているから。
どうして、こんなに汚れているのだろう。重くて苦しい、汚い社会。それに飲まれた、汚い自分。もう、何もかもが嫌だ。こんな汚れてところに生きるのも、こんな汚い空気を吸うのも、こんなに汚いところに、自分の身体を置いていくのも、全てが嫌だ。
早く、消えたい。身も、心も、全てを消して去りたい。
環境を呪うのは、良くないことかもしれない。でも、こんな社会じゃなければって、思ってしまうのだ。こんな社会じゃなければ、俺はもっと救われていた筈だ。こんな社会じゃなければ、リストラだって、不倫だってされない筈だ。こんな社会じゃなければ、俺は今だって綺麗に生きているはずなんだ。こんな社会じゃなければ、こんな社会じゃなければ……

不意に、何かが揺れた。グラグラ、グラグラと、世界が揺れている。地震だ。それも、かなり大きなもの。周りの世界が、騒がしい。安全を求めて走る人たちの足音が、バタバタとうるさい。

少し時間が経って、暗い世界から顔を出してみた。ビルで囲まれた世界は、とても低くなって、空がよく見えた。崩れた世界は、どこか自分の境遇と似ているなんて思った。精一杯積み上げたものが、一気に崩れる。自分を投影しているようだった。

何か、放送のようなものが聞こえた。「津波に警戒して下さい」というものだった。

程無くして、津波はやってきた。俺は特に逃げることはしなかった。本当ならば、眠るように死にたかったが、この機会を逃すのはどうかと思う。どうせ沢山の命がなくなるのだ。そこに紛れて死ねるだなんて、自分らしいと思う。

街はもう、水に浸っていた。自分も、水に浸っていた。不思議と、苦しくない。流れに身を任せることは、こんなに気持ちが良いだなんて、知らなかった。
洗われていく、街も人も、自分も。汚れを全て、水に流して、綺麗な身体になって、綺麗な心になって、死んでいく。
嗚呼、俺は、この災害に感謝しなければならないな。なんて素敵な最期なのだろう。死ぬというのに、幸せだ。
ありがとう。カタストロフィー 。

幕間 2

公園からの帰り道。家の鍵をどこかに落としてしまったことに気付く。このままだと、私は生きていけない。
一度通った道を、鍵がないか探しながら、注意深く歩く。
すれ違うのは腰の曲がった老婆。もしかしたら、鍵を見たかもしれない。
「鍵を見なかったですか?」
「目がないもので」
手に落ちてきたガラス玉が鋭く光った。滴るのは透明な粘液。
後ろを歩く男に、それを投げつける。
「これは、これは」
美味しそうにそいつを飲み込んで、深く息を吐いていた。
「これは」


鍵は道には落ちておらず、ついには元いた公園へとたどり着いた。もうすぐ午後七時。子供は帰る時間。

「鍵は何処へ隠れている」
「鬼がこれではゲームにならん」
石ころが足元に。蹴飛ばすのが自然か。
「烏が鳴くなら、帰ればいい」
「今はもう夜。鳴くのは蛙」
太陽はもう見えない。星のない空。美しい。

裸足の騎士は、ドアノブが好き。東の象は水が飲めない。
ただ、どうして腕の中を覗いてみなかったのか、それだけが疑問。
「この世は無常でしょ」
「無情である」
桜が舞う夜の、蝉の鳴き声は酷くうるさくて、雪が音を消してはくれなかった。
昨日買った参考書の、痛み止めが効いた頃、ハンガーに頭を挟めてみよう。

鍵は、ついに見つからなかった。

小噺

最後まで読んでくれた貴方に最大限の感謝を

続きが読みたかったら遠慮なくどうぞ
いつでも受け付けております
ベリーショートストーリーの為、すぐに準備できますので……

小噺

1〜5話はすんなり話が入ってくると思います そこから先は、少し捻ったやつがたまに居座ってます

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-05-13

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