泳ぐ魚と歩く僕

僕の上を魚が泳いでいる
青い空を優雅に泳いでいる
口から吐く泡さえも優雅で
僕はただただ奴らを見ている

僕はゆっくり道を歩いてる
信号で止まらない様わざと
でも結局は赤信号に捕まって
その上を魚が泳いでいく

明日はきっと雨が降るよ
そしたら魚は落ちてくるよ
そして僕は奴らを踏んづけてやるんだ
でもきっと明日も晴れだから
恨めしそうな目で魚を見るだけ

明日もきっと晴れならさ
僕はもう空を見るのをやめたいよ
もう待っているのも疲れてきたんだ
でもヒレもエラもないもんだから
仕方なしに走ってみるんだよ

走って走って
息が切れて
走って走って
喘いでいたら
口からプカリと泡が浮かんだ

泳ぐ魚と歩く僕

泳ぐ魚と歩く僕

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-05-09

CC BY-NC-ND
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