キュビズム の 肉

キュビズム の 肉

短歌十首。

   









街の青 

駆け過ぎてゆく赤

紫の眠り覚えず

黒を裏切る




命 賭け

日々は鋭く 汚染する

会いにきてくれ

夜を織るなら




暗がりは

宿命どうしの灯し火で

汚れた性(さが)を泥で愛しむ




サイレンの夜に追われて

  塗るcolour

暗い列車の

アクセント 踏む




謀略を

秘めたページの亡命線

こころどうしを読み合う奈落




静寂の壁を殺して

振り子揺る

    キュビズム の 肉

  ひとでなくなる




裏切りの身体が堕ちるMotionで

熱が

知らせる

  失う  予告




嗤い合い

夜を塗りあい 血を混ぜて

舞踏をふたり

鏡 

ならべて




血脈を覗く錠剤

指の先

薔薇のソースは   硬質

          裸体





冷えた霧

降る

灰色のアヴェニューは

    消えた誰かの  影を織る夜




  

キュビズム の 肉

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

キュビズム の 肉

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-05-08

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