キュビズム の 肉
短歌十首。
街の青
駆け過ぎてゆく赤
紫の眠り覚えず
黒を裏切る
命 賭け
日々は鋭く 汚染する
会いにきてくれ
夜を織るなら
暗がりは
宿命どうしの灯し火で
汚れた性(さが)を泥で愛しむ
サイレンの夜に追われて
塗るcolour
暗い列車の
アクセント 踏む
謀略を
秘めたページの亡命線
こころどうしを読み合う奈落
静寂の壁を殺して
振り子揺る
キュビズム の 肉
ひとでなくなる
裏切りの身体が堕ちるMotionで
熱が
知らせる
失う 予告
嗤い合い
夜を塗りあい 血を混ぜて
舞踏をふたり
鏡
ならべて
血脈を覗く錠剤
指の先
薔薇のソースは 硬質
裸体
冷えた霧
降る
灰色のアヴェニューは
消えた誰かの 影を織る夜
キュビズム の 肉
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich