The Voice Ops

この作品における注意事項です。
①米印は、ト書きです。読まないでください。
②米印のないカッコは読んでください。
③このお話は、兼任有りで6人。兼任なしで7人読めます。男女比は、最低でも3:3でおねがいします。7人の際は、どちらに1人追加しても構いません。

The Voice Ops

〔登場人物〕(6人or7人)
男性:雅信(まさのぶ)、俊樹(としき)、拓海(たくみ)
女性:有真(ゆま/チュークリーム)、絵理奈(えりな)、亜美(あみ)
その他:アナウンサー(兼任可、男女どちらも可)


アナウンサー「ニュースをお伝えします。本日、日本の若者の恋愛調査の結果のまとめを公表し、彼氏及び彼女のいない人が全体の50%に達し、そのうち、一度もパートナーを持ったことがないと答えた人が、全体の40%に上るとの回答が出ました。今回の調査は、大学一年生のに値する18歳から、大学四年生までの22歳の男女を対象にして実施されたもので、これによると、“調査を実施した日までに、彼女がいるかどうか”を調査。すると、50,26%もの方、およそ半数が“いない”と回答し、“一度も恋人を持ったことがない”と答えたのが、全体のおよそ4割を占める結果となりました。この結果の原因として、政府は、“若者のお金不足と、インターネットにおける娯楽の異常提供”を挙げました。実際、とある20歳男性の方の意見として、『自分には、画面からは出てこられない彼女がいる。話しかけると、いつでも返事をしてくれるから気にしていない。』などと、サブカルチャーへの異常な愛が見受けられるものを挙げている方が“15%”もいたようです。」


雅信「はぁ…、また振られちまったよ…。そろそろ、彼女を一度は持たなきゃいけないんだけど、どうも、俺のハートをくすぐるような人がいなくてね…。」

亜美「あら?雅信くん。こんなところでどうしたの?いつもの貴方らしくないわね。」

雅信「あ、亜美教授。ど、どうも…。」

亜美「…もしかして、ゼミでの周りの様子に対して、何か不満でもあるんでしょ?“自分がリーダーでまとめているのに、誰も自分に付いてきてくれない”とか、“何でもかんでも、自分に仕事を押し付けるな”とか。」

雅信「それでしたら、自分から教授に尋ねに行きますし、1人でここまで考え込みません。」

亜美「…じゃあ、“ゼミのメンバーの中で、自分だけが独身”ってことに、嫌気がさせているんでしょ?」

雅信「…。」

亜美「図星ね。」

雅信「(当てに行くんじゃねえよ、このビッチ。お前も、高校時代に付き合ってた人と、大学卒業後、すぐに結婚してんじゃねえかよ…。)」

亜美「キミは、学校の成績としては全くもって問題ないわ。日頃の態度もね。

…ただ、ここ最近、とはいってもキミが四年生の春学期から、少々、焦りが見えているわ。就職活動で見られるものとは、まったくもって別物のそれ。もしかして、日常生活にも、何か支障をきたしているんじゃないかしら?」

雅信「…教授には、何も関係ない。俺の話だ。自分で全て解決する。
そして、こちら。本日のゼミのプレゼン用の資料です。全員分を冊子にして用意しておきました。」

亜美「…わかったわ、雅信くん。あとで。」


(※そして、ゼミの時間。周りは、雅信以外、“全員がカップル”。本日のプレゼン担当は、彼だ。)

雅信「以上で、私のプレゼンは終わりです。何か、質問や気になることがあれば、挙手をお願いします。」


(※ゼミ終了後)

俊樹「ノブ、今日のプレゼン、お疲れちゃん!

やっぱり、出来る奴は違うねぇ~。昨年なんて、一人であちこちプレゼン大会へと足を運んで、賞を受賞しているし。お前には、頭が下がらん。
なぁ?絵理奈。」
(※ノブとは、雅信のこと。)

絵理奈「そうね、全くだわ。トシの言う通り。
困ったら、とりあえずノブに頼めばOKだからね。

そうして、私たちは、街へ繰り出すと。」
(※トシとは、俊樹のこと。)

俊樹・絵理奈「エヘヘ」

雅信「…ハァ。なんで俺だけ奴隷と同じ扱いを受けにゃいけねぇんだよ…。」

亜美「ちょっと、そこの二人?
雅信くんに、何でもかんでも押し付けないで!誰のおかげで、あなたたちの個人プレゼンは成功したと思っているの??

恩知らずな二人には、何か罰を与えないといけないわね。」

俊樹「え?俺たち、頑張っているでしょ??発表も、良かったでしょ??」

亜美「発表“だけは”ね。内容は、ほぼ彼任せだったじゃない。

私、心配だわ。あなたの卒業論文作りが。」

絵理奈「ほらごらんなさい?」

亜美「貴女も人のことが言えないわよ、絵理奈。

遊ぶことよりも、さっさと就職活動を終えちゃいなさい?卒業論文は、前に提出してくれた、アレでいいから。」


(※大学から、帰宅途中のこと)

拓海「お、雅信じゃん。お疲れ様。」

雅信「拓海か。お疲れさん…。」

拓海「相変わらず、学畜(がくちく)になってるねぇ。

どうせ、周りはカップルだらけで俺だけ独身だから、仕事任せにさせられっぱなしなんだろ?お前の顔面に、そう書いてあるぜ。」
(※学畜〈がくちく〉とは、“社畜〈しゃちく〉の学生版”という意味の、作者の造語である。)

雅信「Shut up!(シャラーップ!)」

拓海「冗談だよ。(笑)

俺にも、彼女はいるはいるけど、仕事や課題は、さすがに自分の手で済ませるね。人に任せていいものと任せてはいけないものの区別はハッキリとさせているからね。あかねにも、その点はわかってくれているし。彼女も彼女で、自分の仕事は自分の手でやるって決めているようだし。」
(※あかねとは、拓海の彼女の名前である。)

雅信「後は、俺に彼女が見つかればOK、ってところだね。

(見つからねぇから困っているんだけどな…。)」


拓海「…そういえばだけど、お前の声、なかなかのイケボだな。」

雅信「…ハァ?急になんなんだよ。寒気がしたわ。」

拓海「お前、そこそこしゃべりには自信があるだろ?あれだけの聴衆を前にして、何回もプレゼンをしてきたんだったら、それは楽だろ?」

雅信「ま、まぁ、それは苦手ではないね。」

拓海「それに、お前は知らないと思うけど、なかなかのイケボってことで、一部の奴らは、それの虜(とりこ)だそうだ。その一部の中には、女子も含んでいるらしいが、ラジオ感覚で楽しんでいるそうだ。」

雅信「俺は、ラジオのDJじゃないし、歩くラジオ局でもない。“機械化人間”とか“アンドロイド”とか、くだらねぇニックネームとかも、断固としてお断りだ。」

拓海「なら、そのDJを、もどきでもいいから始めてみたら?」

雅信「はぁ?一体、どういうことだよ?」

拓海「“フリキャス”ってやつ、知っているか?“フリーキャスト”の略称で、誰もが動画配信者になれるってやつ。専用の、無料アプリをダウンロードすれば、すぐに始められる。それに、自分のスイッターのアカウントやアウトスタグラムのアカウントを連結させておけば、聴いてくれた人とも繋がれる。
お前なら、マナーの問題も気にすることはなかろう。いつもの講義通りに、馬鹿な真似や、炎上しそうなことさえしなきゃ、特に問題はない。」

雅信「ほぉ。」

拓海「アプリに関しては、俺がすぐに教えてやる。とても簡単さ。何なら、俺もやっているからさ。アプリや機能の使い方は、俺にでも聞いてくれりゃいいさ。」

雅信「ありがとう、拓海。早速、やってみる。」

拓海「あぁ、それがいい。」


(※帰宅後、雅信の自宅。現在、彼は実家から上京をしていて、1人暮らし。)

雅信「さてと。就職活動に卒業論文作成も終わっているし、残る講義もゼミだけ。アルバイトは明後日だから、早速、拓海の推していたやつ、やってみるか。」


(※フリキャス、起動。拓海が、生配信をしていた。)

雅信「あ、拓海だ。どんなものなのか、見てみようっと。」

拓海「さぁ、どんどん閲覧者が集まってきたね!
閲覧者10名の方、いらっしゃい!本日も、お勤めに学校と、お疲れ様です♪俺の枠で、のんびりとしていってちょうだい!初見さんがいたら、軽く自己紹介をしてほしいな。コメント欄の方でもね、仲良く楽しんじゃってちょうだいね♪」

雅信「いちよ、挨拶くらいだけでもやっておこうっと。

初見です。“ノベリオン”と申します。ここ最近、知人から、フリキャスが面白いと教えてくれたので、今日から始めました。まだまだ分からないことばかりですが、お手柔らかにお願いします。」
(※ノベリオンとは、雅信がフリキャスをする際に名付けたニックネームである。)

拓海「お、初見さんだね。“ノベリオン”さん、って呼べばいいのかな?ようこそ!よかったら、コラボに上がらないかい?一言、言ってくれたら、助かるよ。」

雅信「“では、お言葉に甘えさせて、コラボにお邪魔します。自分の声は、あまりよろしいものではありませんが、それでもよろしいのであれば、是非。”

さて、俺のデビューキャスだ。やるぞ。」

拓海「お!上がってくるようだね。皆も、温かくこの方を迎えてあげてね。」


(※コラボを開始しました。)

拓海「ようこそ、ノベリオンさん。」

雅信「どうも、初めまして、オルシェノイドさん。ノベリオンと申します。おしゃべりは、あまり得意ではありませんが、どうか、よろしくお願いします。」
(※オルシェノイドとは、拓海の、フリキャスにおけるニックネームである。)


(※コメント欄には、「え、何?!このイケボ。」「予想以上にイケボだった…。」「ノベリオンさん、初めましてだけどカッコいい…。」「凄い奴がコラボに上がってきたぞ…」と、好印象だったようだ。)

拓海「ノベリオンさん。見てくださいよ!このコメント欄!気に入ってくれた方が多いようですよ!」

雅信「そのようですね。
お声をかけてくださり、本当にありがとうございます。少しの間ですが、楽しませていただきますね。」

拓海「どうぞどうぞ!楽しんじゃってください!」


(※すると、とある一人の閲覧者が、雅信のコメントに対し、返信が来た。)

雅信「オルシェノイドさん。私宛て(わたしあて)に、コメントが来ているようです。『素敵な声に、癒されてしまいました。勝手ながら、3点フォローを失礼します』と来ています。」

拓海「あぁ、チュークリームさんね。是非とも、フォロー返ししてあげてくださいよ。喜ぶと思いますよ。」
(※チュークリームとは、オルシェノイドの枠に遊びに来る、女性のリスナーであり、配信者。)

雅信「では、チュークリームさん。私も、フォロー返し、失礼しますね♪

ところで、キャス主の枠では、どのような内容の配信をされているのですか?」

拓海「ここでは、セリフ読みや声劇が主な内容だね。あとは、雑談をする感じ。

…何なら、何か一つ台詞でも読んでみる?」


(※すると、先程のリスナーから、読んでもらいたいセリフが届いた。)

拓海「お、セリフが届いたようだね。

…ちょっと長めのセリフだけど、行けるかい?カッコの中も読んでほしいそうですよ。」

雅信「え?どうやってセリフを見るのですか?」

拓海「コメント欄の中に、URLが貼ってあるでしょ?それを押せばOK。

“コトバン”って言う名前のサイトで、そこに、セリフを書いて、送るのさ。」

雅信「へぇ、そうなのですね。

…あ!出てきました出てきました!少し、読み込みますね。」

拓海「はい、了解。

チュークリームさん、セリフの投下、ありがとうございます!まずはね、このセリフを読んでもらってね、どんな感じなのかを、一緒に体感しましょう!

楽しみだなぁ♪」

雅信「はい、読み込みができました!」

拓海「では、読んでいただきましょう!ノベリオンさんのセリフまで…、

3、2、1、アクト!」


雅信「『なぁ、弟。久しぶりに、外で軽くバスケでもやるか。ちょうど、天気もいいし気温もいい感じだからな。

よし、公園に着いて、準備運動も終えたし、1on1(ワンオンワン)でもやるか。よし!来い!

…ハァハァ、ちょ、待て待て。着いていけん。まだ、ボールを渡して始まったばっかりだぞ。そんなに3P(スリーポイント)シュートをポンポン決めに行くなよ…。ゴール下のシュートも狙ってくれよ…。
何?お前も上手くなったなぁ、だぁ?!こちとら、仕事の合間に、シューティングやらディフェンスやらの練習をしているんだよ。バスケを専属しているわけじゃない。

(そういや、今、奴はクラブチームのキャプテンだからな。俺も、やっていたかと聞かれたらやってはいたが、4年ほどだけだからな。だが、アイツは、小1の頃からしているからな。しかも、中学年からクラブチームに入って、スタメンで活躍していたし。
…そりゃそうか。)

ん?どうした??
喉が渇いたから、自販機で何か買って来い、だと?
…はいはい。買いますよ、キャプテン殿。アクエリアスでよろしいですかね?副キャプテンは、貴方には敵い(かない)ません。』

…このような感じで、よろしいのでしょうか?」


(※コメント欄は、称賛の嵐。大好評のようだ。)

拓海「ノベリオンさん、流石ですよ!まさに、このセリフにピッタリなイケボ!!
チュークリームさんも、大喜びのようですよ!

お、花火に拍手、枠のフレームにと、アイテム投下、ありがとうございます!」

雅信「喜んでいただけたのであれば、光栄です。

“チュークリームさん、ありがとうございます♪”」

拓海「ちょうど、枠の終了時刻のようですから、この辺で締めますね。閲覧者70人で、現在、閲覧中の20名様。 って、そんなにいたんだ。

そして、コラボに上がってくれた、ノベリオンさん、ありがとうございました!」

雅信「はい、ありがとうございました。」

拓海「では、また、お会いしましょう。お疲れ様!!」


(※フリキャスが終了)

雅信「拓海、ありがとう。久しぶりに、心から楽しい時間を過ごせたよ。」

拓海「お役に立てて光栄さ。楽しんでいる感じが、俺からも伝わってきたぜ。」

雅信「早速、さっきのチューさんから、ラブコールが来たぜ。」

拓海「チューさん(笑)。」

雅信「明日は暇だから、自分でも枠をやってみるよ。彼女にも伝えておいたし。」

拓海「俺は、明日はアルバイトだから、行けたら行くわ。」

雅信「了解。」


(※時を同じくし、場所も同じフリキャス。オルシェノイドの枠を楽しみにしていた、1組の、例のカップル。2人仲良く枠を見ていた。)

絵理奈「さぁ、始まったわよ。オルシェの枠。」

俊樹「…はいはい。今行きます。」


絵理奈「何か、ノベリオンっていう、初見の人が上がるそうね。主、結構辛口だけど、耐えられるのかしら?過去に、彼の厳しさで、大泣きして、フリキャスを辞めたって人いたけど。」

俊樹「さぁな。多分、今回も、厳しさに耐えかねて、泣いて終わるだろうな。」


(※コラボに上がるノベリオン。彼の声に気付いたのは、俊樹。)

俊樹「ん?これ、雅信だろ??この声、聞き覚えがあるぞ。」

絵理奈「まさか、アイツがこんなところにいるわけないでしょ?」

俊樹「…いや、間違いない。奴は雅信!

だが、何故、こんなところにいるんだ?それに、何故上がったんだ??」

絵理奈「知らないわよ、そんなこと。
どうせ、拓海から、冗談交じりに、始めないかと誘われたんでしょ?」


俊樹「アイツ、セリフまでも読んだぞ。そこまで上手くないのによ…。」

絵理奈「…そう?確かに、違和感もなくはないけど、これまでの経験が活かされているようね。こんなところで発揮するようなものじゃないと思うけど。」


(※翌日。初の枠開きを行う雅信。)

雅信「さて、時間になったから、始めよう。設定は、こんな感じでいいのかな?

ようこそ、ノベリオンの枠へ。初めて、枠を開いてみました。“チュークリーム”さん、いらっしゃい♪よかったら、ゆっくりしていってね。」


(※なんと、いきなり、無通知配信を始めた彼。彼女は、約束通りに来てくれた。)

雅信「突然の配信だから、チュークリームさん以外は、気づいてないのかもね。」


(※その後、彼女以外に閲覧者はなく、アニメの話で大盛り上がりをし、枠が終了。

その後、彼女からスイッターのDMで連絡が。)

チュークリーム「『スイッターでは、初めまして、ノベリオンさん。チュークリームです。実は、貴方がコラボに初めて出た際に、その声に感激してしまいました!そして、先程の枠では、独り占めできて、私、幸せでした!
もっと、貴方の声を聞きたいですし、お話がしたいのです。“MINE(マイン)”、交換してもらえませんか?』」
(※MINE〔マイン〕とは、チャットや通話のできる、メッセージ系アプリの事。)

雅信「あ、チュークリームさんからだ。

『こちらこそ、楽しんでいただけて嬉しいです。こちらこそ、MINEの交換、お願いしますね。こちらからQRコードをお送りするので、お願いします。』 っと。」


(※MINEを交換。チュークリームの中の人の名前は、有真(ゆま)というらしい。
MINEでのやりとりをしていく2人。)

雅信「雅信と申します。よろしくね。」

有真「有真と申します。よろしくお願いしますね。」


(※この時、2人は気づかなかった。 同じ大学の同級生であるということに…。)

亜美「はい。今日のゼミはここまで。」


(※雅信のケータイが鳴る。主は、有真。)

雅信「はい、お疲れ様です、雅信です。」


有真「お疲れ様です♡

突然で申し訳ないのですが、今日、ご一緒に帰りませんか?」

雅信「はい?」

有真「ご一緒に帰りたいなと。」

雅信「あの…、どちら様でございますか?フルネームと、その他情報をお願いします。」

有真「宇多有真(うだゆま)、貴方と同じ、黄金沢大学(こがねさわだいがく)、人類学部
の4年生です。菊池(きくち)ゼミの所属です。」

雅信「…あ!思い出した!!

もしかして、“マドンナ”と周りから崇め(あがめ)られているという方でしょうか?」

有真「はい。間違いございません。余計な混乱を招いてしまって申し訳ありませんでした。」

雅信「いえいえ、気にしておりません。

こちらこそ家路をご一緒させてくださいませ。」


(※2人が帰っていくその様を、例のカップルと亜美教授が見つめる。教授は、2人の関係を知っていたようだ。)

絵理奈「教授。こ、これは…。」

亜美「やっぱりね。だろうと思っていたわ。

有真って子、雅信に、前々から興味があったみたい。でも、あまり関われなかったみたいで、困っていたみたいよ。まさか、インターネット上で知るなんてね。」

絵理奈「教授は、“インターネット上で、知り合いのことを知る”ということに対して、どのような考えをお持ちですか?」

亜美「私は、ダメとは言わない。私も、実際にそれで知った人も数人いるから。
でも、信用度は、100%中10%くらいかしら?人違いをしたら、インターネット上の方が、ただでは済まなそうだからね。

今回は、たまたまこうなったからよかったけど、次もそうなるとは言い切れないからね。やるとしたら、細心の注意を払いながら、犯すリスクも意識しつつすることね。」


(※雅信と有真は、同じ電車の中。意外なことに、互いの家も、近かったそうだ。)

雅信「有真は、家ってどこ?」

有真「川浪(かわなみ)駅の近くです。歩いて7分程ですかね?」

雅信「マジか?!

実は、俺の家も、最寄りは同じで、歩いて5分程。」

有真「もしかして、家の近くに、ドラッグストアは有りますか?」

雅信「ドラッグストア?…もしかして、エルシアのこと?

それなら、近いよ。」

有真「そうです!エルシアです!」

雅信「なら、俺も時々使うぜ。ポイントカードも持っているし。」

有真「(ノベリオンさんと、こんなに近くにいられるなんて…。
私、幸せ…。)」

雅信「そろそろ、駅に着くぜ。忘れ物に気を付けろよ。」


(※改札口を出て、歩き始める2人。)

有真「あの、雅信さん。」

雅信「ん?有真、どうした??」

有真「あの、実は…。」

(※食い気味に)
雅信「有真、“俺と付き合ってくれ!”」
有真「え?!」

雅信「俺が初めてフリキャスを始めたとき、すごく気に入ってくれていたからうれしかったし、俺の枠でも、楽しみながら参加してくれていたから、少し泣きそうになったんだよね。細かなアドバイスも助かったし、話題提供もよかった。
それに、こうやって、実際に、そばにいられるんだ。

もっともっと、有真と一緒にいたい。」

有真「私も、こんなに素敵なイケボで知的な方といられて幸せです。

…このままずっと。」


(※人影が全くない通りの、一本の電灯の下にて。)

雅信「有真、好きだよ。これからも、ずっとね。」

(※電灯の下、2人が優しく抱き合い、唇を重ね合う。)

有真「雅信さん、愛してます♡こちらこそ、お願いしますね♪」


(※それから数年後、2人はめでたくゴールイン。その時、また恋愛調査が行われたが、大きな改善が見られた。)

アナウンサー「ニュースをお伝えします。本日、日本の若者の恋愛調査の結果のまとめを公表し、彼氏及び彼女のいない人が全体の9%に留まり(とどまり)、そのうち、一度もパートナーを持ったことがないと答えた人が、全体の3%に上るとの回答が出ました。今回の調査は、大学一年生のに値する18歳から、大学四年生までの22歳の男女を対象にして、数年ごとに定期的に実施されたもので、これによると、“調査を実施した日までに、彼女がいるかどうか”を調査。すると、8,75%もの方、およそ半数が“いない”と回答し、“一度も恋人を持ったことがない”と答えたのが、全体のおよそ3割を占める結果となりました。ここ数年の調査より、改善の効果が大きく見られた結果となりましたが、その要因として、政府は、“経済成長の復活による、資金のゆとりの確保と、インターネットの有効活用が大きな効果を生んだ”という2点を挙げました。実際、とある20歳男性の方の意見として、『よく遊ぶオンラインゲームの仲間の女性がが、実は同じ都道府県住みということが存在し、実際に顔を合わせるようになり、デートに出かけるようになった』という回答が見られ、19歳の女性は『インターネットの動画配信サイトにて、好きなアーティストがたまたま同じで、ライブで顔を知った後(あと)、現在も、何度かお出かけをしている』との回答が見られました。インターネットの使い方に気を付けていると、明るい将来が待っているのかもしれませんね。」


END

The Voice Ops

訂正情報
・5月10日 このお話の中に、自分が挙げた短編集を織り交ぜていたことを、まえがきに載せるのを忘れていました。
(※気になる方は、私の挙げた、"徒然なる 短編集"をご覧下さい。)
・7月19日(金) 権利情報を変更

The Voice Ops

インターネット上で、実際の友達を探すという行為をしたことがあるのではなかろうか?もしかすると、地元の、意外な人物と、インターネット上では”既に”繋がっているのかもしれません。

  • 小説
  • 短編
  • 恋愛
  • 青年向け
更新日
登録日
2019-05-05

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work