多久さんの事件簿【令和は最高でも災いもある編】26

Shino Nishikawa

多久さんの事件簿【令和は最高でも災いもある編】26

多久さんの事件簿【令和は最高でも災いもある編】26
首相は、この世には精霊がいたことを確信した。
国民が、精霊の存在を信じるのかなと心配したが、心地よい風がふいたので安心した。
今日は5月1日。元号が変わった。空気が教えている。
4月1日から4月30日まで、令和という元号に反対した者達が、何人も亡くなった。
目の前で毒を飲んだり、ナイフを刺したりしたのだ。
リンリンリン‥
鈴がなっている。これは、精霊の物だろうか?
護衛も、精霊かと一瞬思った。
でも、違う。
霊界風の着物の人間達が出て来て、首相の前で、首狩りをしたのだ。
いや、もしくは、ナイフでの集団自決かもしれない。
警察がすぐに取り押さえたが、精霊を信じすぎて、油断していた。

首相は今の光景が、精霊がやったと信じたかった。
車の中で、涙が出てしまった。


皇后は、新皇后に、注意書きを渡した。
正式な書は、別にある。
それには、『くれぐれも陛下を、お前、君という呼び方をしないように。』などという事が書かれていた。
新皇后は、いたずらっぽく笑った。いつもそういう呼び方をしていたのだ。
本当は、自分の方が、皇室に先にいた。だから本当の夫婦ではない。

皇室では、新聞を読んだり、漫画を描いたりしている。
ランニングマシンをしながらの電話もかかしていない。
精霊とのおしゃべりだ。
夜は、日記を書く。
とても孤独な日々だ。
でも、慣れてきている。

新天皇は、ゴルフの練習をしたりしている。
もしも暇があったら、天皇として、霊話をしていればいいと思う。
変な子に叱ったり、偉い子に褒めたりすれば、天皇なのだから、伝わるはずだ。

「はは、普通の仕事、したいですよね。」
新天皇は言った。

一緒に住んでいても、新皇后は、一緒に眠る気はなかった。


「あー、疲れる。」
多久は言った。
「そうだな。どうして、俺達がこんな夢まで見なきゃいけないのか、分からないよ。」
マロが言った。
今は2人で、皇居に来ていた。

令和は、思い出深い時代になりそうだ。
令和が終わる時は、みんながお別れを惜しむだろう。

本当の美しさは、ここから始まる。

多久さんの事件簿【令和は最高でも災いもある編】26

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