グレイ家の兄弟 a Battle in Woodyhenge

Amelie

再戦開始

 ライカンスロープとの戦いから3日後、G4は三男ロジャーの運転でウッディヘンジ遺跡に向かった。道中で聞いていたカーラジオからは、ソルシティの軍事基地に居た兵士が全員惨殺され、また同市内の数カ所で人間と狼を混ぜたような生物の遺体が多数発見されたという、耳を疑いたくなるニュースが流れていた。G4はそれを聞いて眉をひそめた。これだけ残忍な行為をした者が誰なのか、彼らにはすぐ分かった。

 車で移動することおよそ2時間、G4はペブルシティの外れにある木造のウッディヘンジ遺跡に到着した。車を降りると、彼らはお互いにうなずき合い、ディヴァインフォームを発動した。

 あの有名なストーンヘンジの木造版に見えなくもないウッディヘンジ遺跡内部に入ると、そこの中心部には既にライカンスロープが居た。
「待っていたぜ。ホモ・サピエンスの兵士や、ゲームに参加できなかったことに不服をとなえた同族相手のウォーミングアップに飽き飽きしてたところだ」
「仲間の命さえ、平気で奪うのか…!」
「どいつもこいつも弱かった。それよりホモ・サピエンス、滅びのときだ!」
 ライカンスロープが「開戦宣言」をすると、G4は1回のジャンプで浮上し、ライカンスロープに向かって飛んだ。ガルーの族長は早速フレディにハイキックをお見舞いし、ブライアンにチョップをし、大きくジャンプしてロジャーの頭を踏みつけたあと、ジョンの腕をつかんで1回転して地面に投げ飛ばした。

 ライカンスロープは無造作に両腕を動かし、斬撃の嵐を発生させた。斬撃は四方八方に飛び、G4全員にヒットした。フレディとジョンは胸に、ブライアンは右腕に、ロジャーは左腕に傷を負い、しばらく顔をゆがめた。


 同じ頃、ドクター・フリックの研究所にて。ドクター・フリックは、G4から事前にライカンスロープの強さを聞いており、その弱点を見つけるべくいろいろ調べていた。
「う~ん、やつに何か致命的な弱点はないだすか…」
 半分焦りながらタブレットで検索を続けていると、彼はあるものの画像を目にして、顔つきが変わった。
「ん?こ、これだす!」


 一方、ウッディヘンジ遺跡で、フレディが立ち上がり、その両手にバレーボール大の火の玉を発生させ、ライカンスロープに投げつけた。彼はそのいずれもよけたものの、左右から挟まれるように火の玉攻撃を受けた。
「!!」
 そう、フレディの放った火の玉はいわゆる追尾弾、つまり標的を感知し、逃げられても命中するまで追い続ける火の玉なのだ。
「ぐっ…」
 トリッキーな技を喰らったライカンスロープが歯ぎしりしていると、ブライアンが両手を挙げて直径3メートルほどの水のボールを発生させた。彼がそれを放ると、水のボールは瞬時に無数の水の矢に形態を変え、ライカンスロープのほうに飛んでいった。それらは全て標的に当たった。
「ぐはあっ…!」
 ガルーの族長はふらつき、ついに膝を突いた。フレディはこの様子を見て、ロジャーに話しかけた。
「ロジャー、例のやつをやるぞ」
「ああ」
 グレイ家の長男と三男はライカンスロープの前でハイジャンプし、長男は利き足に炎を、三男は雷をまとわせ、日本の某ヒーロー二人組のように空中ダブルキックを決めた。
「うおぉっ!」
 武闘派たちの強力な技を受け、ライカンスロープは仰向けに倒れた。
「よし、やったぜ!」
 フレディとロジャーはグータッチを交わした。しかし…、
「いや、そうでもなさそうだ」
 ブライアンがぼそっと言った。その直後、ライカンスロープがゆっくりと起き上がり、深呼吸をした。
「ええーっ!?」
 ロジャーは愕然とした。その横で、ジョンが首を激しく横に振った。

ライカンスロープの反撃

 ライカンスロープは両肩についた土を払うと、連続回転キックの動きで脚から衝撃波を放った。衝撃波はもろにG4に当たり、4人ともウッディヘンジの柱まで吹っ飛ばされた。彼はフレディのほうを見ると、瞬間移動するかのように猛スピードで標的のすぐそばに来た。
「立て」
 ガルーの族長に促されて、フレディはそのとおりにした。するとライカンスロープは片手でフレディの首を締め、そのまま持ち上げた。彼は苦しくてもがくフレディを見て、残忍なほほ笑みを浮かべた。
「ああっ!」
「フレディ兄さん!」
 長兄の危機に焦る弟たち。しかしフレディは渾身の力を込めて全身から炎を発生させてライカンスロープに抵抗した。これには彼も驚き、思わず手を放した。地面に落とされたフレディは激しくせき込んだ。
「大丈夫、フレディ兄さん?」
「ああ、心配ないよ」
 駆け寄ってきた末弟に、長兄は気丈に答えた。

 そうしている間に、ライカンスロープはターゲットをロジャーに変え、全身に紫色の炎をまとって前方や上方から突進してきた。彼の攻撃のあまりのスピードに、速攻が自慢のロジャーもよけ続けるしかなく、やがて柱のほうにまで追い詰められてしまった。残忍な人狼はそこでロジャーの首を左手で締めるように押さえつけ、右手でその腹部を強く殴った。
 ライカンスロープは倒れ込んだロジャーを一瞥したあと、今度はブライアンのほうに移動し、背後から彼の二の腕と手首をつかみ、ゾッとさせる声で言った。
「さあ、どちらか選べ。大事な腕をかみちぎられるか、このままへし折られるか」
 ブライアンの体には背中の中心から凍らされたような感覚が走り、彼はおびえた顔で首を横に振った。と、そのとき、砂がライカンスロープの顔を直撃した。日本の某お婆ちゃん妖怪のように、ジョンが手のひらから砂を放ったのだ。目や鼻に砂が入ったライカンスロープは、何度も顔をこすった。
 恐怖の選択から解放された次男は、四男と軽いハグを交わした。
「ありがとう、ジョン」
「いやぁ、ブライアン兄さんが助かってよかった」

 しかしそのあと、ライカンスロープはフレディの頬を平手打ちし、ブライアンの腹部にニーキックを加え、ロジャーの額に水平チョップを浴びせ、ジョンの腰を「×」型に引っかいた。G4は全員倒れ、しばらく起き上がることができなかった。
「何だ、ホモ・サピエンス。もう限界か?もっと俺の『娯楽』に付き合えよ」

グレイ家の兄弟 a Battle in Woodyhenge

グレイ家の兄弟 a Battle in Woodyhenge

「グレイ家の兄弟」の第8回です。ガルーの族長・ライカンスロープに指定された場所で、G4が再戦します。異次元級の強さと残虐さを持つライカンスロープに、G4は勝てるのか!?

  • 小説
  • 掌編
  • アクション
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-29

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. 再戦開始
  2. ライカンスロープの反撃