咲く花、散る花

ゐさむ

雨に濡れた桜の花びらは、じっと地面に張り付き、
掃除人が諦めるのをじっと待っていた。
花びら達は知っていたのだ。
ゴミ袋に入れられたが最後。
母木の土には帰れないことを。

熱を取り戻した陽射しが暖めるアスファルト
黄土色に変色していく花
綺麗に咲き誇ったのは近い過去の話
それはまるで
お世辞にも綺麗とは言えない桜たちの墓場のようで。
僕らはそれを平気な顔で踏みにじる
そこにいるのが悪なのだと
散ったやつらが悪なのだと

散った桜に要は無い
あとは勝手に死んでくだけ
どうぞご自由、お勝手に
僕らは一年待てばいいのさ
どうせ来年だって咲くんだろ?

タイヤ付きの囚人車両は線路の上に列をなす
景色を楽しむ余裕なんて無い
張り巡らされた広告にコンプレックスを蹂躙されるから
それは当然のように
拒否するする人間を劣悪だと蔑み、嘲る
整形しないのは悪なのだと
金が無いのが悪なのだと

金の無いやつに要は無い
物質主義、個人主義
どうぞご自由、お勝手に
そのうち思い知るが良いさ
散らない花など無いことを

咲く花、散る花

わたしは上からその様子をずっと眺めていた。
明日は我が身だと。

咲く花、散る花

季節遅れも甚だしく 散った桜をほうきと塵取りで掃除してた想い出です。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-25

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