流れ雲
《流れ雲》
どうやら僕は行き先を見失ったみたいだ
気がつくと、そこは肌寒い場所だった。
夏雲の僕にとっては、生きていけない場所。
青い青い空を、ぼんやり眺めていたふわふわ雲の僕は
季節が変わった事に気がつかなかったんだ。
夏雲の僕が、この先どこに向かうべきなのか
迷子の僕にはわからない。
だけど、僕が浮かんでいたあの青い空はもうない。
季節は巡ってしまったんだ。
季節が変わったなら
僕も変わらなくちゃ。
夏の雲から秋の雲へ、そしてやがて冬の雲へと。
そうやって、僕はまた流れていくのだろう。
僕は雲なのだから。
流れ雲