流れ雲

《流れ雲》


どうやら僕は行き先を見失ったみたいだ


気がつくと、そこは肌寒い場所だった。

夏雲の僕にとっては、生きていけない場所。

青い青い空を、ぼんやり眺めていたふわふわ雲の僕は

季節が変わった事に気がつかなかったんだ。



夏雲の僕が、この先どこに向かうべきなのか

迷子の僕にはわからない。


だけど、僕が浮かんでいたあの青い空はもうない。

季節は巡ってしまったんだ。


季節が変わったなら

僕も変わらなくちゃ。


夏の雲から秋の雲へ、そしてやがて冬の雲へと。

そうやって、僕はまた流れていくのだろう。


僕は雲なのだから。

流れ雲

流れ雲

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-22

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