背中のひとたち

背中のひとたち

   








背中に刻まれた数年間を

誰にも明かさず

風を切りこの街を行くひとたち


誰もが誰にも告げようとはしない

誰もが押し黙り誰かを知ることはない

それでも風を切るのだ


鋪道を 背中のひとたちがあふれてゆく

切なる懸命さが街を尊くする


夕暮れの微笑は彼らに優しい




  

背中のひとたち

作者ツイッター https://twitter.com/2_vich

背中のひとたち

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-16

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