匂い

音澤 煙管 作

匂い

あ!この匂い…


なんだったんだろう
あの匂い、

今じゃとても懐かしい
心を何時も揺らしてた、

これからじゃ遅いかな?
もう揺れない心だし、

遠く遠くに見た夕陽
どこまでも追いかけた、

今は追わずにじっとして
夜明けだけを待っている、

同じ朝陽も夕焼けも
揺れないで待っている、

今の心に届かない
匂いもしなく枯れて居る、

熱い心で冷めた目で
眺める風は遥かに遠く、

故郷があるわけじゃないし
尽きる時を考えて、

やがて土に還る花の様に
ここで根を張る大木に、

なれるわけでもないぼくは
また風に任せて流れるだけで、

地に足着かないぼくだけど
今は南へ流されて居る、

道も拡がり荒れてくる
視界に眩しく大きな水面、

あ!この匂い…
ここがぼくの故郷だった、

柔い匂いに心が揺れる
やっと帰郷した大海原に、

でもやがて…
誰かに指示され宙に浮く、

空の上で雲になる
仲間も騒いで堕ちる雨に、

また旅の始まりだ
なんだったんだろう?
あの匂い…

匂い

匂い

  • 自由詩
  • 掌編
  • 冒険
  • アクション
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2019-04-14

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