Neo border [ Version1.0 ] ■ 008 ■
Foresight
近未来、現実国家では正すことのできない不合理がネット上に仮想国家を生み出した
■ Neo Border 008
Markは今や名誉だけもらったメンバーの一人でしかない。
彼のはじめの想いと“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”が少し異なった方向に進み始めたこと。
国創りには国創りに長けた信用できる優秀な人たちが参加してくれたことで
これからどんな風に進化していくのか少し離れた場所で見てみたくなった。
それに正直な話、仮想国家の膨張は彼のバックパックには入りきらない。
定期的に実施している
“あなたが属している仮想国家はあなたの理想に近い国ですか?“アンケートは
常に高い水準で高評価を得ている。
一応の夢がかなった、
創立初期の主要メンバーたちも要職から離れた。
旅先で友となったWilliam Madisonも、一ヶ所にじっとしていられる性格ではないし、
“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”の基礎を作ったJohn Reevesもあらかた完成してしまったシステムよりも
また別の領域でクリエイトしていくほうが彼らしい。
そして、Markはいつものように旅をしていた。
そして”Ragnarok Crisis(ネットパニック)”が起こった。
MarkにはMarkの思いがある。
ネットは基本空が見える場所ならばどこでもアクセスできるが、それに気づいたのは発生から数時間後のユースホステルへ行くためにバスに乗ったときで、
お互い見知らぬ乗客たちが”Ragnarok Crisis(ネットパニック)”の話をしているのを聞いたからだ。
あわててモバイルから“仮想地球(Globe of Virtual Reality)”にログインアクセスしたが拒否された。
サイトトップには女神が今起きている危険をささやき、あらゆる自己防衛策を即時行うよう促していた。
「Defcon 1 なんだ・・・」
すぐさま友人たちに連絡を取ったが、メールの送受信も携帯もアクセスしにくいため要領を得ない。
日が落ちるころやっと宿についた
回線を確保し特別なProxy経由でやっと、William、John、仮想国家群議長や主要幹部と連絡が取れ、事態の概要をつかんだときには、真夜中になっていた。
「明日の朝一番でそちらに向かう」と仮想国家群議長に伝えると、少し間をおいてから
暗号化されたファイルに
「今は来るな。実は少し前から妙な風を感じている。
なにか事が起きたとき私たちが矢面に立つから、君たちはこの件の真理を見つけてほしい」
このパニックの裏には何かあるのか・・・
混乱したり、悲しんでばかりもいられないようだ
彼の旅はひとまず休止。
William、Johnと共に”Ragnarok Crisis(ネットパニック)”の状況の確認と情報収集をそれぞれのフィールドで行うことになった。
Neo border [ Version1.0 ] ■ 008 ■
”仮想地球(Globe of Virtual Reality )”についての解説サイト
http://www2d.biglobe.ne.jp/~mik-lion/about/globe/of/virtual/reality/index.html