錆びた言の葉

声が纏う別の意味を 声が帯びる殺傷性を
声に抱く感情を 声に溺れる陶酔を

知っているか 知っているのか

感覚を知れ 感情を知れ

今はまだ なまえを与えられなくても構わない
わからないのならば わからないままでも構わない

自我の首を絞めて 理性の足を引っ張っているな
甘美と便宜は違うのだ 鋭利なまなこをしているな

置き去りにした時間は ことばによって保存される
置き去りにした関係は こころによって淘汰される

懲りないな 同じことを繰り返している
飽きないな 同じものを違く見せるのは

割いて裂かれて削ぎ咲いて
あすも未来も変わらじと
生きて活かして生きて逝け

身が朽ちるまで身を砕け

錆びた言の葉

錆びた言の葉

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-10

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