錆びた言の葉
声が纏う別の意味を 声が帯びる殺傷性を
声に抱く感情を 声に溺れる陶酔を
知っているか 知っているのか
感覚を知れ 感情を知れ
今はまだ なまえを与えられなくても構わない
わからないのならば わからないままでも構わない
自我の首を絞めて 理性の足を引っ張っているな
甘美と便宜は違うのだ 鋭利なまなこをしているな
置き去りにした時間は ことばによって保存される
置き去りにした関係は こころによって淘汰される
懲りないな 同じことを繰り返している
飽きないな 同じものを違く見せるのは
割いて裂かれて削ぎ咲いて
あすも未来も変わらじと
生きて活かして生きて逝け
身が朽ちるまで身を砕け
錆びた言の葉