金曜日の放課後





水泡のような一瞬の存在が憧れだった



浴室の天井からポタポタと零れ落ちる結露



喉を潤してやまない湿気達よ



どうにも苦しくて寝返りを打った













神様だってお腹を下す



きっと僕がその証拠でしょう?



狂い咲く彼岸花が祝福している



全部決まっていたんだ













脚本にはない台詞ばっかり


           僕の考えない言葉ばっかり



        君は吐くから






    粘土をこねるようにやり直したい!










全てを煙に巻いて最初から何もなかった、と。










誰かが背中を押してくると期待してる
果実を意味もなく潰してる
肉を細切れにしてみる




ぬいぐるみを、浴槽に沈めた









便宜的なアイスクリームで喉を潤そう

蝉のような褐色の腕で木登りをしよう

滴る汗はいつのまにか止まっていて

涸れた絵の具容器を丸めたんだ



丸めたんだ



登ったんだ



潤ったはずなんだ











落書きに塗れた駅の案内板に傷付けられて



赤く鳴り響くギロチンに命運を委ねた



放り投げたビー玉が放物線を描いて落ちた



ガラス片で破れた鞄が佇む道の端に咲くマリーゴールド



静かに揺れていた

金曜日の放課後

金曜日の放課後

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-09

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