『暁蕣華の咲く処』(ある子竜の物語)第1章〈3〉 ~フラットアース物語②

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そこには暖かくて、穏やかな波動が打ち寄せていた。大気は微かに甘い匂いを含んでいて、どこか遠くから優しく歌う声が聞こえた気がした。
目覚めて最初に見えたのは、暗い朱色の光だった。それから、その薄暗い視野の一面を、(わず)かに明滅(めいめつ)するモノが埋めているのに気が付いた。
原体(プラズマ)……なのかな?)
しばらく観察して、それらは微細な粒子が、それぞれ無軌道に動き回っているだけで、定形もなく自ら動くという意思もなさそうだと分かった。
だからと言って、それらがただの物質だとも思えなかった。微弱ながらも、その波動は変移していたからだ。一ヶ所で波動が変わると、周りの粒子も呼応するように波動が変わり、それが次々と伝わって全体を明滅させていた。
なんだか、辺りを埋め尽くす粒子全体が、一つの生物のようにも見えた。

(これは原体とは呼ばない……かな。)
頭に浮かんで来た原体の定義を、目の前のモノと照らし合わせて、そう結論を出した。
(原体って言うのは、あれのことだ。……あれ? どこかで、原体を見たことがあるはずなのに。……ない。)
確かに見たという記録(ノート)はあるのに、探そうとしても、それと結び付けられているはずの情報(コード)を見つけ出すことが出来なかった。(あわ)てて丸めていた体を伸ばして確認してみたが、体を構成するどの部分にも欠けた所は見つからなかった。
だが、何かが違う、という気がしていた。

もう一度、今度は注意深く〈核心(コア)〉を確認した。まず先に、ざっと記録(ノート)を検索して、それに欠けた所がないのを確認すると、次にひとつひとつの記録と、それに該当する記憶(コード)とを照らし合わせ始めた。
だが、それはすぐに断念せざるを得なかった。記憶を探しだそうとしても、それがどこに収められているのか、さっぱり分からなくなっていたからだ。記憶は、まるで壊れた絵皿の破片のように、あちらこちらに散ってしまっていた。ばらばらになった破片は、拾い上げてみても、どこに収まるべきものなのか見当もつかなかった。

かろうじて照合できたのは、記録との絆の強い幾つかの記憶だけだった。
あの時だ、と思った。暗い穴に落ちていったあの時、何かにぶつかって体が弾けて壊れた。その時の体を引き裂く痛みを思い出して、思わず身を縮めた。
ともかく、記録(ノート)の並びに欠けた場所はないのだから、〈核心(コア)〉は全て守られているはずだ。
だから、繋がり(コード)さえ見つけ出すことが出来れば、〈記憶(メモリー)〉を修復することは可能だ。けれど、それはとてつもなく困難な作業になりそうだった。無数に思える欠片を前に、手がかりはほとんど無いに等しかった。

溜め息をついて、意識を外に向けた。
(分からないことだらけだ。)
そもそも、ここが何処なのか分からなかった。どこかから落ちて来て、ここにいるらしい、ということは思い出したが、では何処から、どうして落ちて来ることになったのか、それを思い出すことは出来なかった。
思い出すためには記憶を何とかしなくてはならない、と考えて、また深い溜め息をついた。
(これじゃあ、堂々巡りだ。)

だから、立ち上がってひとつ背伸びをした。それから取りあえず、辺りを埋め尽くした粒子をかき分けて歩き出した。少なくとも、ここがどんな所かくらいは知る必要がある、そう考えたのだ。
暗い朱色の光の中を、ゆっくりと周囲を確かめながら歩いた。けれど、何かいるかもしれないと気を張っていたのも、最初のうちだけだった。
行けども、行けども周りの景色は変わらなかった。薄暗い光の中に見えるのは、微かな波動(ウェーヴ)を放つ粒子だけで、それ以外には何の波動(おと)もしなかった。

いったいどのくらい歩いていたものか、単調な景色の中を歩き続けて、疲れて足を止めた。そもそも、ここでは時間の経過が分からないのだ。差し込む光が全く変わらないので、今が昼なのか夜なのかさえ、定かではなかった。
ただ変わらぬ薄明かりと、(わず)かに強弱する粒子の波動(ひかり)が眠気を誘った。
それに(あらが)いきれずに、その場に体を丸めて眠りに落ちた。勿論(もちろん)、結界を強めて安全を確保することだけは忘れなかった。これまで何にも出会わなかったからと言って、これからもそうだとは限らないのだ。
そのまま眠っては目覚め、目覚めてはまた眠った。周囲に満ちた微かに甘い匂いのする大気から精気(エネルギー)を取り込んで眠り、目覚めて身の内に溜まった気力(ちから)を確認して、また眠りに落ちた。


ーー(つよ)くて静かな波動(こえ)が聞こえていた。闇の中に朱色の光が浮かび上がって、それがぼんやり(にじ)んだ。それから黒い瞳が見えた。……揺れる白、丸い黄色、遠い緑、(のぞ)く蒼、染める紅、そして……(まぶ)しい光が差した。
ふわりと体が投げ出される感覚で目を覚ました。浮き上がる感覚に思わず身を縮めて、それから夢を見ていたのだと気が付いた。

さっきまで確かに、記憶を(つか)まえたと思っていたのに、目が覚めたらすっかり忘れてしまっていた。少しでも記憶を(つな)ぐ手がかりはないかと、随分と時間をかけて探したが、結局、何も思い出すことは出来なかった。
しかたなく、探索の続きをすることにして、相も変わらぬ風景の中を歩き出した。

いや、変わりはあった。しばらく歩いていて、辺りを埋めている粒子の大きさが、少し大きくなっていることに気が付いたのだ。よくよく見ると、十数か数十か、それくらいの数の粒子が凝集して、一つの(かたまり)を形成しているのだと分かった。
(少し原体に近くなった……のかな?)
けれど、境界ができて各々の形を持ったとは言え、それぞれの塊が、一つのモノとして協調した働きをしているわけではなかったから、それらはやはり物質の集まりとしか言いようがなかった。

変わったこと、と言えばそれだけだった。
あとは果てなく続く同じ景色を眺めながら歩いた。休みなく歩いて、歩いて、ただひたすら歩き続けて、とうとう()きて座り込んだ。
(歩いていれば、どこかで果てると思っていたのに。これじゃあ、街より広い……。)
そう思ってから、街ってどんなものだっただろうかと考えた。
そして、ここを探険するよりも、記憶を修復した方が良いのだろうか、と思い始めた。
どちらも、困難で気の重い仕事であることに変わりはなさそうだった。

(外の世界は楽しかったのに……。)
そう(つぶや)いて、ふと思いついた。
(そうだ。〈外〉へ行けないかな。)
〈外〉がどんなところなのか、そんなことは分からなかったが、〈外〉という言葉の引き起こす、わくわくとした気分だけは覚えていた。
〈外〉と考えて、上から落ちて来たことを思い出した。それなら、〈外〉は上にあるのかもしれない。そう考えて、今度は上を探険することに決めた。
上を見てもやっぱり、もやもやと浮いている粒子以外のものは見えなかった。
少しの間そうやって見上げていて、上も果てがなかったらどうしよう、と思ったが、その時はその時だ、と考え直して、思い切って走り出した。

走りながら翼を広げて、さらに数歩、駆けたところで体が浮き上がった。そのまま、粒子をかき分けながら走り続けて、どんどん上って行った。
上へ上へと行っても、景色は全く変わらなかった。
暗い朱色の光は油断すると、すぐに眠気を誘った。だから、〈外〉という言葉の引き起こす浮き立つ波動(きもち)だけを力に走り続けた。
そのうちに、翼を広げて旋回していれば、落下を防げることを学んだ。疲れるとそうやって休みながら、大気から精気を取り込んで気力を回復して、また上り続けた。

どれくらい上り続けたのだろうか。下で歩いていた時の十倍くらいは頑張ったと思った頃、突然に粒子の層が途切れた。
そこから先は、暗い朱色の光だけになった。それでも、見渡す限りに広がる粒子の境面を、下に見ながら上り続けた。力の続く限り上っては、旋回しながら少し休み、また上る。それを繰り返して、ひたすら上を目指した。
その内、粒子の層さえも眼下に見えなくなって、上も下も右も左も、見えるのは暗い朱色の光だけになったが、それでもまだ上り続けた。

時々、上っているのか沈んでいるのか、分からなくなる感覚に(おそ)われた。
最初は混乱して足掻(あが)いたせいで、かなりの距離を落ちてしまい、頭上に粒子の層を見つけてようやく、落下していたことに気が付いたのだった。
しかし、そんなことを二度、三度と繰り返すうちに、上下が分からなくなったら、取り敢えず翼を広げたまま止まることを覚えた。そしてひたすら〈外〉と念じ続けるのだ。そうすると内側から明るい光が沸き上がって来て、体が暖かくなった。その暖かさが、混乱した心を静めてくれた。

それから、力を使い果たさないように、旋回しながら上る方法も覚えた。
そうやって上り続けていたら、ふと、差し込む波動(ひかり)が少しだけ強くなったのを感じた。ゆっくりと旋回していると、ある方向で(わず)かに明るさが増すのだ。
その波動は横から来ていた。だから、このまま上を目指そうか、それとも光の強くなる方へ向かおうかと随分迷った。迷った揚句に、光の方へ行くことに決めた。
なにしろ、上り始めてから、いや、ここに来てからの数少ない〈変わったこと〉だったから、それが何なのか確かめずにはいられなかったのだ。

光は漠然(ばくぜん)とそちらの方が少しだけ明るい、といった程度のものだったので、時々大きく旋回して、波動の強まる方向を確認しながら進んで行った。
そうやって、長いこと飛び続けたにもかかわらず、光はちっとも近くならなかった。
けれど、そんなことはもう慣れっこだった。とにかくこの場所は、想像もつかないくらい広いということを、すでに学んでいた。それに、ここで(あきら)めても、あの退屈な底に戻るだけなのだ。どうせ退屈しているのなら、まだ飛んでいる方がましと言うものだ。

そう、飛ぶことは、もう何の意識もせずに出来ることの一つになってなっていた。呼吸をすること、目を開けていること、そんなことと同じように飛び続けることができた。
上り続けたのと同じくらいの時間が過ぎた、と思った頃、暗朱色の光の一角が黒い色に染まっていることに気が付いた。さらに進むにつれ黒い色は面積を増し、やがて視界一面を黒い色が(おお)った。
そこが果てだった。
そこには見渡す限りに、ごつごつとした垂直の岩壁が続いていた。激突しないように速度を(ゆる)めて、岩棚の一つに着地した。

波動(ひかり)は岩壁を透かして、入り込んで来ているようだった。岩肌に触れると、奥の方により強い波動を感じることができた。
そのまま岩から岩へと飛び移りながら、辺りを探索した。近くの岩壁に亀裂(きれつ)を見つけて、早速、(もぐ)り込んでみたけれど、それはすぐに行き止まりになってしまい、後退(あとずさ)りして戻って来ることになった。
それからは、岩壁に亀裂を見つける度に、中に入ってみた。その数、二十と少し、入って行っては引き返して来ることを繰り返して、またもや行き止まりになってしまい、探険を中断して近くの岩棚に座り込んで一息ついた。

岩壁は垂直から更に角度を狭めて、岩にしっかりと爪を立てていないと、落下しそうな角度になりつつあった。最初に着地した場所から、岩壁を上へと進んで来たのだが、どうやら、この空間の天井を形成している部分に差し掛かり始めているようだった。
(出入口はやっぱり天井にあるのかな……? でもこれ以上、岩壁を登るのは難しいし、飛びながら探すには……。)
なにしろこの場所は広すぎるのだ。そもそも今いる場所が、この空間の上の方なのか、それともまだ真ん中辺りなのかも分からなかった。
果てなく続く黒い岩壁を見渡して、溜め息をついた。

それにしても、と思った。
(それにしても……、この場所は静かすぎて息苦しい。)
この広い空間で、自分だけが、ばたばたと動き回って、静謐(せいひつ)な空気を乱していた。本当は息をも殺して、じっとしていなければならないのではないか。むしろ、そうしていないのは悪いことだという気さえした。
(ここには、生物がいないのかな?)
この場所に来て、結構長い時間、探険したと思うのに、これまで動く影一つ見ていなかった。それどころか、生物のいるという波動(けはい)さえ感じられなかった。

(外の世界にはもっと色々な波動が飛び交っていた、と思うのだけど……な。)
記憶が戻らないので、それが正しいのかどうかも判断しようがなかった。
もしかしたら、この空間の方が本来の世界なのかもしれないと考えて、何か違和感を覚えた。
(空間、世界……、外……? そうか、だから内だと思ったのか。)
果てなど見えないくらい広い場所なのに、内側、つまり閉じた空間だと感じていたのは、ここに大気の流がないからだ、ということに気が付いたのだ。
勿論(もちろん)それだけではなくて、ここよりも明るい場所から落ちて来たという記憶があったから、というのも理由の一つだった。

(明かりと気流があるのが外なら、波動(ひかり)の強くなるこの壁の向こうに出口があるはずだ。)
そう考えると元気が出てきた。
ふるるっ、と体を震わせて気合いを入れてから、岩壁の探索を再開した。
しかし、光の強くなる方向の壁と言っても、上下だけでも随分と距離があった。
結局、最初に着地した高さを中心に、岩壁に開いた亀裂に、入り込んでは戻ることを繰り返して、百数十、入ってすぐに行き止まりだった亀裂を含めると、三百以上は数えた。探索した場所が分かるようにと、一定の距離ごとに残しておいた目印の数も五百を越えたが、それでもまだ手付かずの岩壁は、遥か視界の果てまで続いていた。

さすがに疲れて、手近な岩窪に潜り込んだ。
(ちょっと眠ろう。)
そう思って、結界を強くして体を丸めてみたものの、全て空振りだった探索のことが頭に浮かんできて、すぐには眠ることが出来なかった。どこまでも続く巨大な岩壁に取り付いている自分が、とても小さくて無力なものに思えた。
気力(エネルギー)を溜めて大きくなったら、もっと簡単に出口を見つけられるだろうか。)
大きくなったら、と隅で反応する記憶の欠片があった。
(大きくなったら……、何と続くのだっけ?)

記憶はそこで断ち切られていた。唯一、(つな)がっているのは、黒い穴に落ちていった時の記憶だけだった。
(あの衝撃でほとんどの気力(ちから)を削られてしまった。)
その数少ない記憶の中にある自分と比べても、随分と薄れて弱々しくなってしまった自身を見て、大きく溜め息をついた。
(まるで原体みたいだ。)
かろうじて辺縁(アウトライン)は保っているものの、中心(コア)から離れた末端は、岩肌が透けて見えるほどの気力しか残されていなかった。
(元の一割……くらい、かな。)
体を構成する最も大切な〈核心(コア)〉と、それと同じだけの量の気力。たったこれだけで、よくもあの衝撃から身を守って生き延びられたものだ、と今更ながら思った。

(元の気力を取り戻すまでに、どれだけかかるだろう。それから大きくなって……それでも戻れるだろうか。……待っていてくれるだろうか。)
次々と浮かんでくる不安を追い出すために、いつもの言葉を唱えた。目を閉ざして〈外〉と念じ続けてしばらく、揺れる白い光が意識に上って来て、ぽかぽかとした温かさを身体にもたらしてくれた。その温かい光に抱かれて、ようやく眠りに落ちた。

夢の中で声が聞こえていた。楽しげな笑い声、穏やかな歌声、一定の調子で刻まれる波動(おと)。……生まれて来てくれて(うれ)しい、と声は告げていた。そして、鋭く冷たい波動、深く響く声音、強い祈念(いのり)。お前を守ってくれるように、という声は二重音声(ステレオ)に聞こえた。
(母さん、父さん!)
叫んだ自分の声で目を覚ました。
それから急いで、今の夢を忘れないように、しっかりと記憶に留めた。
(帰らなくちゃ。……絶対に、帰る。)

その為には出口を探さなくてはならない、と自分を叱咤(しった)して立ち上がった。
次に飛び移れる場所を探して岩の先端に立ち、何気なく、眼下の闇を(のぞ)き込んだ。
そうして見えたのはやはり、果てなく続く岩壁と暗朱色の光だけだったが、見えないけれど何か変な感じ、何だか鼻の先がくすぐったいようなムズムズする感じがした。
(何かざわめいている……?)
分かったのは下の方に、何かもやもやとしたものがあるようだ、ということだけだった。

その正体を探して、岩壁伝いに降りて行った。来た方向が分かるようにと、距離を測って目印を残しながら下っていたのは途中までで、ざわめきがはっきりとした波動となって届いて来ると、翼を広げて一気に飛び降りた。
割合近くに、少なくとも、上って来た時よりもずっと短い距離だと思った所で、あの粒子の境面が見えて来た。近づくにつれて、境面がもこもこと波立っているのが見えた。
その粒子の海から、沸き立つような波動(こえ)が聞こえていた。
(ここだよ、此処に在る。)
(うれ)しくて、勢い余って粒子の中に飛び込んでしまい、突っ込んだ勢いで、体に触れた粒子が幾つか弾けて、散って行く波動が伝わって来た。残りの粒子は、結界から逃れるように、すっと遠ざかって行った。(あわ)てて速度を緩め、なるべく粒子をかき乱さないようにそっと飛んで、近くの岩場に着地した。

粒子は互いに一定の間隔をあけて、空間を漂っていた。何かの具合で互いが近付き過ぎると、さっと反発するように離れて行くのが見えた。それが無数に集まって、全体が波立つような動きをしているのだった。その動き一つを見ても、粒子がその排他領域(パーソナルエリア)、つまり〈結界〉を持っている生物だと分かった。
以前に見た時と比べて、粒子の大きさはあまり変わっていないように思えた。せいぜい倍になったくらいだ。けれど、その性質は激変していた。

それはもう、一つの生物と言えるものだった。境界を形成している粒子は、密に組み合って、形を強固なものにすると同時に、内と外を(つな)ぐ輸送体の役目も持っていた。空間の大気に比べて、粒子内の精気(エネルギー)は強い波動を放っていたから、効率よく大気から精気を取り込んでいるのだろう。その固い外縁に守られた内側に、ごく小さいけれど、力強く脈動する波動が存在していた。

卵だ、と言葉が(ひらめ)いた。
中にいるのはどんな生物だろうかと思って、顔を近づけたら、粒子の方がこちらの結界を嫌がって離れて行ってしまった。
しばらくの間その場に(とど)まって、見渡す限りに浮かんでいる粒子の群れ、もとい、卵の群れを眺めた。卵たちが発するブゥーンという(たの)しげな波動は、それを聞いているこちらも浮き立つ気分にさせてくれた。
それからは探索に疲れると、度々、卵達の様子を見に下りて行った。
だからそれは、卵達がくれた幸運と言えるのかもしれなかった。

『暁蕣華の咲く処』(ある子竜の物語)第1章〈3〉 ~フラットアース物語②

『暁蕣華の咲く処』(ある子竜の物語)第1章〈3〉 ~フラットアース物語②

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-08

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