テロ対策は闇が深い!X-ray

この話は『テロ対策は闇が深い!William』の続きです!(1話は『テロ対策は闇が深い!Able』)

※この話は『小説家になろう』にも載せています

X-ray

「すみません。強制捜査の件でサポートに来たのですが……」

宇賀は杉谷にそう言われたものの、テロ対策課との合同調査をするとは聞いていなかった。なので古河が何か聞いているのではと思い、古河を見た。しかし古河も状況が分かっていないように見えた。なので宇賀は杉谷にこう言った

「ちょっとそのような話は聞いていないので、確認してきます」

宇賀はそう言うと部屋から出ていった。すると今度は古河が杉谷にこう言った

「すぐに戻ってくると思うので、そこら辺に座ってて下さい」

杉谷はそう言われると、近くの椅子に座った。すると古河は杉谷に「そこの資料は見ないで下さいね」と言った

監視課も対策4の用に機密情報を扱っているところだった。なのでこの紙も機密情報が載っているのだろう…… 杉谷はそう考えながら、紙が置いてある机を見た。するとそんな杉谷に古河はこう言った

「その資料、別に機密情報じゃないから見てもいいよ。だけど、そのあとどうなっても知らないけどね」

「あ、はい。大丈夫です」

杉谷がそう答えたときだった。突然部屋の扉が開くと、部屋の中に上条達が入ってきた

「杉谷さん。捜査の方は……」

上条がそう質問すると杉谷はこう答えた

「その件なんだけど、監視課に話が通っていなかったみたいで…… だから今確認してもらってるの」

「すみませんね。少し待ってもらえる?」

杉谷に続いて古河はそう言った。なので上条達は仕方なく監視課の確認作業が終わるまで待つことにした

その待つ間、杉谷達は特にやることがなくただボーッとしていた……


それから二十分後、監視課専用室に本郷と宇賀が戻ってきた。宇賀はテロ対策課との件について、本郷に聞きに行っていたため結局は行っても行かなくても時間は変わらなかった

「全員集合!」

本郷は部屋の中に入るとそう言った。すると部屋の奥にいた監視官が数人、こちらに集まってきた

「三日後、ゾンビ愛護団体総本部の強制捜査を行う。今回の調査及び監視任務はテロ対策1に手伝ってもらう。テロ対策1は宇賀に色々と教えてもらってくれ。以上!解散!」

本郷がそう言うと、集まってきていた監視官は部屋の奥に行ってしまった


「えっと、どうすれば?」

小田切は杉谷にそう言った。しかし本郷は宇賀に教えてもらえと言っていたため、詳しいことは分からなかった。なのでとりあえず宇賀にこう言った

「宇賀さん、私達はどうすれば……」

杉谷がそう言うと、宇賀はこう言った

「テロ対策課にはゾンビ愛護団体総本部の調査をしてもらいます」

宇賀はそう言った。しかしゾンビ愛護団体総本部については、テロ対策1と監視課の両方で詳しく調べていた。なので杉谷は「それはもう調べませんでした?」も言った。すると宇賀はこう言った

「はい。確かに調べましたが、あれはあくまで資料庫にあった情報をもとにつくったやつです。なのでこれから確認しにいきます」

宇賀はそう言うと上着を取った

「確認というのは?」

杉谷はそう聞いた。すると宇賀は「目で確認するという意味です。もっといえば総本部に侵入します」

宇賀は上着を着ながらそう言った

しかしゾンビ愛護団体に潜入し、調査をするのは潜入捜査官の仕事だった。それなのに何故監視課がそれを行うのか杉谷には分からなかった

「これから潜入捜査官みたいなことをするんですか?」

宇賀は上条にそう聞いた。すると宇賀は「まさかテロ対策課にそんなことはさせないよ」と言った

「テロ対策課にはさせないというのは?」

上条はそう言った。すると宇賀は机の上に置いてある資料を取った。そしてその資料を一人一冊づつ渡した

「これは……」

上条は宇賀から資料を受け取ると中を見た。するとそこにはゾンビ愛護団体総本部の見取り図があった

「これからテロ対策課には監視課のサポートをしてもらう」

宇賀はそう言うと部屋のすみに置いてあったホワイトボードを取り出した。そしてそのホワイトボードにゾンビ愛護団体総本部の見取り図を貼るとこう言った

「今回、監視課の古河と宮代が潜入する。なのでその報告を聞き、この見取り図と違う場所を修正してください」

宇賀はそう言うと杉谷達に赤ペンを渡した。するとそんな宇賀に誰かが話しかけた……

「宇賀君、今回はそれに加えてもう一人連れてきたよ」

宇賀はそう言われると後ろを見た。するとそこには女性対策官が二人いた

「ちょうど良かった。この人が今回潜入する宮代監視官です」

宇賀は杉谷達にそう紹介した。すると宮代はそんな宇賀にこう言った

「強引に話を戻すようで悪いけど、今日はこの子も参加するからね」

宮代そう言うと隣にいる女性対策官の肩を軽く叩いた。すると宇賀はその女性対策官を見るとこう言った

「あれ?特殊課の仕事はどうなったの?」

宇賀がそう聞くと女性対策官は「そっちは大丈夫です。強制捜査まで特にやることないので」と答えた。するとそんな様子を見ていた上条は、隣にいる深見に小声でこう質問した


「宮代さんの隣にいる人、誰か分かりますか?」

上条はそう質問した

上条は過去の合同捜査で宮代と仕事をしていたため、宮代のことは知っていた。しかし今、宇賀が会話をしている女性対策官のことは知らなかった

すると深見はこう言った

「あの人は小柴さん。特殊課の人よ」

「特殊課?」

上条はそう言った。特殊課は対人部隊で、ゾンビ関連で歯向かってくる人は容赦なく殺す人達だと思っていた。なので上条には、何でその特殊課の人がここにいるのか分からなかった……

テロ対策は闇が深い!X-ray

宮代波央(みやしろなお)

二等監視官

武器……拳銃

テロ対策は闇が深い!X-ray

『テロ対策は闇が深い!』の二十四話目!

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-03

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted