こっわぁー

マチミサキ

二、三日
自宅を空けていまして
深夜のただいま
ようやく戻って参りました。

丁度1時くらいですか。

いわゆる25時。

で、

バイクをマンションの指定場所に停め
そこから徒歩2分程のマンション横の側道を
歩いていたのですよ。

ここまでは
いつも通り。

そしたら

側道沿いにブロック塀があるのですが

ここに体育座りを崩した様な格好で
ぶつぶつと
独り言を言っている
ソバージュの女性が1人
居たのですよ。

見た目は二十代前半くらいですか。

まー、普通じゃありませんね。

しかし
ここを通らないと私も帰れない。

マンションは繁華街の大通り沿いに
あるのですが

こちら側から行くと
昼間でさえ
あまり人目が無いのです。

まして今は深夜
周囲には
まったくヒトケがありません。

なるべく
刺激しないよう

道路の逆サイいっぱいに
距離を取り

それでも
万が一に備え

握り込んだ拳の中指と薬指から
バイクの鍵の先端を。

有事には即対応出来るように。

上着で隠してはありますが
肘にはプロテクターも。

これはバイクに乗る時には毎度なのですが。

クセにしておいて良かった。

とにかく
このダンジョン深部に住む
階層主のような生き物とは
あまり関わりたくない。

チェンジオブペースを駆使し

スッ…ススー…スッ!

そう
相手に狙いを定めさせないよう
変則気味に歩を進めます。

勿論
刺激はしたくないが
なるべく
視界の片隅には
このドラゴンを入れるようにして。

『サムイー トウシシチャウヨォー サムイー』


・・・!

本格的にヤバイ奴だ!!

圧倒的なホンモノ感!!!

そして
私が
ようやく
ドラゴンの横を通り過ぎるか過ぎないか

の所で

ブロック塀に寄りかかった体育座りから
突然
立ち上がり

私の真後ろを
追尾してきたのです!

マジですよ。

片手には
お酒の缶みたいなのを
持って

立ち上がり早々
グビグビ飲み込んでいます…。

私は流石に
すぐ
振り返りました。

こういう時は
ダッシュで逃げるように
いつもは想定しているのですが

イザとなると
対峙してしまうものだということを

今回
思い知りました。

でも

普通

何かしらの事情があったとして
道路に
ベターと直で座りこまざるを得ない理由が
あったとしても

そこに
通りかかった人の真後ろに付き
立ち上がりますか?

普通?

明らかにまともじゃない。

立ち上がるにしても
通行人が見えなくなってから
じゃないですか?

これだけを見ても
ドラゴンには
一切
世の中のルールが当てはまっていない…。


しかも
私が睨んだあと

一瞬止まり

そのあとをすぐ
追って来るんですよ?

感覚的には
1メートルありません。

ここで
初めて私は逃げました。

ドラゴンが立ち上がった時に
薄汚いサンダルを履いているのを確認しましたし

それも素足の上
かかとは元より
その半分以上が道路に
べったりと着いていたので。

とにかく

オートロックエントランスを抜け…

嘘でしょ?!

まだ
ついてくるよッ?!

なんなのッッ???!

このままでは
ドラゴンとエレベーターで一緒に
なってしまう!

ボス戦突入

しかし逃げられない状態待ったなし

未だ降りて来ないエレベーターは諦め

非常階段へゴーゴーゴーゴー

ハリーハリー

ムーブムーブムーブ

驚異の逃げ足と防御力
人は呼ぶ
はぐれメタルと。

夜中に階段を
ダッシュで登りカンカン音を立てる
ご法度は承知の上!

無害な住人の皆様には
誠に申し訳ないです。

しかし
私も下手をすれば命が掛かっている

かもしれない。

とにかく
部屋へ滑りこみました。

何階の何処の部屋に
住んでるのか知りませんが

このマンション

ああいう人が居るのですね…。

ご近所付き合いとかは
私も苦手で

そういう事がないマンションは
今回の転居で利点を感じていましたが…

こわぁー…

そうですよね

近所にどう思われても
良いタイプも居るといいますか

弾き出されてきた

といいますか…

きっとそういうタイプも
居るのですよね。

賃貸だと
管理組合もないし

なおさら

こういう場合もあるのですかね…。

ようやく慣れてきた所で
なんですが

ちょっと

やっぱり
当初の計画通り
一軒家を探し直そうかなぁ。

冗談混じりに書き込んでみましたが

本気で怖かったですよ。

殺されるのも嫌だし

殺して
厄介事になるのも嫌。

ホント
一寸先は闇っていうのは
本当です。

皆さんも気をつけてね。

私も
想定が甘かった。

色々と考え直さないと…。

こっわぁー

昔から
そうなのですが

普段に増して

春には
こういったSS級とのエンカウント率が
跳ね上がりますな。

なぜ
こうも
変態ホイホイのような体質なのだろうか。

だからこそ
夜中の外出はやっぱり避けたい。

職場でも
もう少しその辺りを考慮して欲しい。

もし今回
これで何かしらの事件が起きて
最悪の事態に陥っていたとしたら

それは
七割以上
仕事のせいです。

奴らに責任がある。

どうしてくれようか…。

こっわぁー

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-03

Copyrighted
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