「死にたい」と呟いた。

終電の去ったホームで冷えたコーヒーを飲みながら

線路に降りたら終電が帰ってこないかな

なんて考えていたら妄想の僕が死んだ




轢死 溺死 墜落死 圧死 客死 過労死
焼死 凍死 衝撃死 震死 急死 窒息死

      縊死




考え得る限りの自らの死を想像する





死にたい死にたいとよく言うが

本気で死にたい人間は果たして何割か

そういう僕だってファッション自殺志願者の一人みたいなもので


つらいや悲しいでは表せない虚無を「死にたい」と言い換えて叫んでいるだけ











‪友達が別の友達の悪口を言っていても嫌な気持ちにならないのは薄情だからでしょうか‬


‪自分に対する陰口を聞いても何とも思わないのは自身を諦めているからなのでしょうか‬


そうやって自らの恥ずべき点を探し集めて

希死念慮を無理矢理に作り出して不幸のバーゲンセール






そんな自分が一番気持ち悪くて

そんな自分が一番死んでほしい

でもそんな自分が死ぬのは耐えられなくて

今日も今日とて酸素を浪費していた

「死にたい」と呟いた。

「死にたい」と呟いた。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-02

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