囁きを風にのせて……

あなたが迷いこんだのは、癒しの風から不思議な囁きが聴こえる世界

チカチカ


仲の良いあの子とケンカした

最初はくだらない争いだったはずなのに

素直に「ごめん」が言えなくて


ベッドに転がり(まぶた)を開いて


視界に入った


チカチカ光る蛍光灯

消えそうで消えない電気が

意地っ張りな自分と重なって



チカチカ目が回る

ビー玉

きらきらと光るビー玉は



反射するたび違う色



窓辺のグラスの中


七色に輝くビー玉で



あの日の



彼の笑顔を



思い出した

パンドラの箱


放課後の教室

眠ってしまった貴方の手に

そっと書いた


「スキ」の2文字


この想いは

秘密という名の

パンドラの箱に閉まっておくから


どうか気付かずに

あの子と笑っていて



だからせめて夢の中だけ


夢の中だけは

あなたの隣にいるのが

私でありますように

鏡と道化

狡いよね

そんな風に笑えてさ

鏡の中の自分が言う

冷たい鏡の分身が

私を見つめて睨んでる




鏡から手が伸びて

私の首を絞めていく


苦しくて

息ができなくて

押しつぶされそうで

(まぶた)を閉じた



知ってるよ



自分を隠すしかなくて

道化を演じる私を

本当は嘲笑(わら)っているんでしょう


知ってたよ

囁きを風にのせて……

ふと、チカチカと頭に浮かんできたので、書きました。

囁きを風にのせて……

日常に疲れを感じたとき、あなたが足を運ぶ世界。 ここは、癒しの風が吹く癒しの地。 不思議な囁きが風にのって聴こえてきます。 ほら、今もすぐそこから……。 ──少しでもあなたの心を癒せますように。

  • 自由詩
  • 掌編
  • サスペンス
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-04-02

Copyrighted
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  1. チカチカ
  2. ビー玉
  3. パンドラの箱
  4. 鏡と道化