幻想

幻想

陽風蓮華

最初はお互い眼中にも無くて
友達としか思ってなくて
隣にいるのが当たり前で

最近あったいいことも
昨日の嫌な出来事も
着ていく服が決まらないことも
巻いてみた髪の毛が偶然うまくいったことも

どうでもいいことで盛り上がった
時間が過ぎていくのが早くて
話が止まらなくて
いっしょにいるのが楽しくて仕方ない

でもそんなこと、あるわけなかった

好きじゃない、好きじゃない。
そう自分にいい聞かせてたのに、

君が嬉しそうに笑うから、
もう、何も言えなくなっちゃった。

今まで、ありがとう。
幸せになってね。

私じゃない、あの子と。
君は照れくさそうに、はにかんだ。

もっと早く、この気持ちに気づいていたら、
何か変わっていたのかな。

もっと素直に、この気持ち、君に伝えていたら、
どうなっていたかな。

未来はちょっとでも、変えられたのかな。
振り返っても浮かぶのは君の笑顔だけ。

さようなら、私の好きだった人。
君の不幸を思う私は、ひどいやつでしょうか。

幻想

幻想

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-31

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