暗闇を歩いている
暗闇を歩いている。
月も星もない暗闇。
感じるのは歩いているという実感だけ。
とことこと歩いている、暗闇を。
やがて一つ二つ三つと光が遠くに見えてくる。
暗闇から抜け出す出口なのか?
一つなら迷わないが複数あれば選択できるとなれば悩むのが人。
どれにしようか悩んで立ち止まる。
やがて一つを決めて歩き出す。
暫く歩いてはこれでいいのかと振り返っては進んでいく。
あるものはそのまま。
あるものは別の光を選ぶ。
そして辿り着いたその先で暗闇から出られるのは、ごく僅か。
外れと分かったときには、もう遅い。
時間切れ。
無念と後悔を抱えて闇に消える。
なら最初から暗闇で蹲るのと何が違うのか?
暗闇で光に照らせて生きて行けば良かったのか?
誰も答えを持ってない。
神様は無言。
暗闇を歩いている