完全支配

生きる上で必要ということは

生きたいのならば縋るしかないということ。

支配はいつでも押し付けられるもの

私はお金が怖い


幽霊よりもずっと怖い


どんなに良い人でも、あいつらのせいで変わってしまう。


例え望んでいなくても、あいつらのせいで存在意義が変わってしまう。


それでも逆らえない。


お腹を空かせた子ども達

片腕を無くした男の人

お腹の大きな女の人


あいつらは、簡単に救ってしまう。 

私なんかよりも、ずっとずっと凄い。

反対に


あいつらは簡単に命を刈り取っていく。

呆気なく突き放して、知らない誰かと笑ってる。


凄く凄く怖くて、凄く凄く気持ち悪い。


お昼時、財布を開く


今日もあいつらに笑われた。


何だかんだ言って縋りついてるじゃないかって見下された。


悔しい。


君は僕のお蔭で生きていける


僕が居るから幸せなんだ。


財布の中でぶつかり合って


カチカチと鳴る度に、そう言われてる気がする。


夢って何なんだろう


生きるってどういうことなんだろう


愛ってどれだろう


幸せはこれかな


皆同じに見える


私が好きなのはあの人なのかな


あの人と居るあいつらなのかな


眠い。


明日も、明後日もその先も


支配は続く


私はずっと笑われ続ける。

完全支配

今回はお金について書いてみました。

いやー、改めて考えると怖いですよ、お金って。

完全支配

短編集の一部として見てください

  • 小説
  • 掌編
  • サスペンス
  • ミステリー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-10-12

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