『運命の人』

何度生まれ変わっても
貴方とは結ばれない


『運命の人』


好きで好きで仕方ないのに
出会った瞬間から分かってた
愛されることはないんだ
愛されないから愛してしまうんだ

その唇もその身体も
アタシのものじゃないから
燃え上がるように恋したわ
知らぬ人のものを愛でるの

そこに憎しみは無くて
ただ事実がありのままに在るだけ
貴方はアタシを愛さない
アタシは貴方を一番には愛さない

心地いい嘘と裏切りを
貴方は否定するから余計に
もっと欲しくて強請ってしまう
絡んだ舌も抱く腕の強さも
幻に思えて手を伸ばしてしまう

罪の林檎の甘美を知る二人は
何度出会ってもこの形を選ぶ
愛し合うより求め合う
自分が何番目か探りながら
探ることに喜びを見出す

きっと一番を欲すれば終わるから
舌を絡めて貪って繋がって
これがいいのと吐息で睦言
応えるように強く抱かれれば
本当にいいと思えるから


「来世でも探り合いましょうね」

『運命の人』

『運命の人』

  • 自由詩
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-23

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