部屋の哲学書

睡眠を引きずったまま
生きていけば きっと
どうしても死にたくても
物事に対して寛容になれる

人はそれぞれ
それぞれと言うのならば
人は生きてきた理由も
死んでいく理由も
同じじゃないだろうから
人は何も考えなくていい
人は何も目立たなくていい

美しさに酔いしれながら
生きていたら きっと
何かの汚れに気付いても
何度だって見逃せる

人を助けたい
助けたいと言うのならば
人が他による理由や
自発的な理由を
基に死にたいと言う時に
人は何と言うだろうか
人は何が出来るだろうか

初めから そんなこと
考えて生きるのはおかしいことはない
いつ訪れるかも知らない
精神的苦痛と
必ず先に待つ死への恐怖から逃げるのだ
引きずることで
酔いしれることで

単純な疑問
複雑な哲学に近い悟りさえ
感じ取れなくなった時
人は死ぬだろう
いや 既に死んでいるだろう
それまでに何が出来るか
それまでに何が出来るか

部屋の哲学書

部屋の哲学書

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-18

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