お前の僕は僕じゃない

お前が腹を抱えて笑っていた頃
僕は頭を抱えて悩んでいた
どうすれば償えるか 
誰かの幸せを願えるか
一瞬の感情が一生を支配されたくない

僕はビルの屋上から飛び降りた
そうすれば僕は僕じゃないから
僕が僕だという事で考えたりしない
だけどそれは僕だけじゃなくて
お前にも知ってもらわなきゃいけないから言う
僕は死んだ あの頃 暑く雨が激しい日
今までの為に僕は死んだ 空は暗かった

僕は一度自殺した
だからお前の僕は僕じゃない

昔は純粋無垢に生きていた子ども
それはそうあることを知らなかった
いつからか逆らった
普通の人生に刃向かった
つまらない人間に決して笑われたくない

僕は首吊り縄に手をかけた
そうすれば僕は僕になれるから
人が僕の個性を殺すことも無い
だけどそれは「自殺」じゃなくて
お前が裏で仕組んでいた他殺であると思う
僕は死んだ あの頃 切なく一人静かな日
これからの為に僕は死んだ 嫌 殺された

僕は一度自殺した
だからお前の僕は僕じゃない

頼むから今を見てくれ
それで判断するなら僕は一生死んだまま
生まれ変わって人の幸せを願うことさえ
許さない権利は絶対お前には無い
絶対に無いんだよ

お前の僕は僕じゃない

お前の僕は僕じゃない

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-18

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