New過去Newワールド 第1章~New過去へ~
ああ俺は…俺は何をしていたんだ
1
あれは確か雨の降るある日の昼のことだった、ドアポストに何か入ったから行ってみた。ポストを開け腰をかがめてとってみた。そういや水道代払ってなかったなとか思いながらそれを見ると、白い封筒だった。そこには、表に山中広大様裏には「過去を過去としますか??それともNew過去にしますか??」と書いてあった。不審に思いドアを開け外を見たが誰もいなかった。どうせ何かの宗教だろうと思い、最初は封も開けずほおっておいた。しかし宗教で過去なんかどうこういうものか??とか何か気になってしまってしまい、しぶしぶ封を開けた。するとそこにはカードが入っていた。そこには電話番号のようなものが書いてあった。普通の人ならかけないだろう、その時の俺はどうかしていたようだ。特に何も考えずかけていた、いやかけさせられていたと言えないこともない。俺は耳に携帯をあててみた。プルルルル…プルルルル…ガチャ・・はいもしもし
2
おーい広大朝だぞ起きろ―。
この声は兄の声だ、懐かしい声だ。それにこの心地よい感じはいつかに似たような感じだ。ぼーっと寝ているとまた。
おい!早く起きろよ!
俺は勢い良く起きた。俺はあっけを取られた、ここは実家だ。俺は一人暮らしだそれに自分の部屋で寝たはず。そう考えると兄の声が聞こえるというのはおかしい、兄はすでに亡くなったのだから。兄がなくなった時のことは忘れない。あれは俺が中学3年の時のこと、そう12年前の5月8日文化祭の前の日だ。俺が1時限目の授業を待っていると、先生が血相変えて教室に来た。兄が車にひかれて重傷だと聞かされた、間髪入れず先生はおれの手を引いて病院まで連れて行った。しかし兄はもうすでに亡くなっていた。
広大いい加減にしろよ学校遅れるぞー、あっそうだ学校って言ったら明日お前の文化祭行くからなー早くしたくしろよー、俺は学校いくからな。
。
明日??文化祭??その時俺の体に鳥肌が走った。今日は兄が死ぬ日、まさか俺は夢で兄の死ぬ日を見ているのか??なんてことだ、俺は兄を追って家を飛び出た。しかし兄はもう遠くだった。俺はそんなことお構いなしで兄を追った、分け目も降らず追っているとだんだん追いついていた。大声で兄を呼ぶが、イヤホンをつけているのか聞こえないようだ。最後の力を振り絞りこごうとした瞬間…大きな音がした。前方がつぶれた車・大破し原形をとどめていない自転車のようなもの・そして血だらけの俺の兄。助けられなかった・・ただただ茫然と立ちすくむ俺の横を、やじ馬がぞろぞろと兄の方に向かっている。おいやめろ…俺の兄に俺の兄に近づくなぁぁぁぁぁ!!と叫びながらベットの上で目が覚めた。
3
はいもしもし、こちらNew過去Newワールドでございます。
あっホントに出たと思いながら、あの…と言おうとすると
あぁ山中広大様ですねーわかりますよー、なんたって私たちはあなたのことなんでも知ってますからねー
え?いきなりすぎてよくわからないんですが、俺のこと知っているって??
はい知ってます。1985年1月6日午前11時35分23秒誕生、小学校は朝比奈小学校その時のあだ名は広君そ・れ・っとー
いやもういいです。いいですからあのあなたのところは、なんなんですか??
あっはい私たちたちは、お客様の過去を過去としないため、過去に行ってもらい過去を変えてもらうというんです。
タイムスリップ・・・ですか??
いや簡単に言えばそうですね、しかしそれとはちょっと違うんです。
どこがどう違うんですか??
そうですね、まず山中様と我々の記憶はなくなります。そうなるということは、タイムスリップしているとはわからなくなります。しかし一度その日を体験したことがある記憶はある。ということはそれを夢だと思ってしまうかもしれません、というか大概の人はそうなります。そうなるとわけのわからないことをしてしまう可能性が出ててしまい、いい生活していたのに現実に戻ってくると、監獄にいるっていうこともありますね。
そっそうなんですか…大変なことになったと思った、でも興味はある。じゃあどんな過去があるんですか??
えーそうですね、山中様お兄さんがなくなってますね。その時とかどうでしょう??
あの時に行けるんですか??行きます
そうですかならば寝てもらって、携帯に向かってNew過去Newワールドって言ってください
あのひとついいですか??これって契約とかお金とか、かかんないんですか??
それは大丈夫です!!他の方にもらってるんで
他の人って誰ですか?
それは言えないんです。聞いても分かりませんし
そうですかわかりました。よいっしょNew過去Newワールド
ごりようありがとうございます。
New過去Newワールド 第1章~New過去へ~