繰り返しの世界

暗闇でそっと笑顔を浮かべるキミは誰?
前髪の影で目元が見えない、でも笑ってる

嗚呼、何でこんなところで寝てるんだ?
とても寝心地が悪いじゃないか、身体が痛い

鈍い痛みが身体に響くこれは何?
鼓動がうるさいくらい聞こえる、耳障り

嗚呼、起きなきゃいつまでもここに居たくない
でも身体が鉛のように重い、動かない

ねぇ、どうか手を貸してくれないか?
そこに立っているなら手伝って、力が出ない

声もなんだかうまく出せない、風邪かな?
さっきから反応がないな、聞こえてないのか

ねぇ、ボクの腕を引いてくれないか?
あれ?伸ばした手が赤く染まっている、どうして

なんだろう痛みが増してきた、痛い痛い
どうしてこんなに…

ねぇ、キミ何か知らない?
ねぇ、なんでさっきから黙っているの?
ねぇ、聞こえてる?

ねぇ…泣いてるの?
そんなに涙こぼして、どうしたの?
泣かないでよ、ボクの方が泣きたいよ
身体は痛くて動かないし、鼓動が煩い
助けを求めてもキミは無視だし

ねぇ、聞いてる?
ここにはボクとキミしかいないみたいだし
応えてくれないと困るな

なんだか眠くなってきちゃったよ
眼を開けてるのも辛いぐらい眠い

あれ?いつの間に屈んでくれたの?
気がつかなかった、ごめんごめん

頭撫でてくれるなんて優しいね
寝ていいの?

なんだろう前もこんなことあったような…
思い出せないな、なんだっけ?

掠れた声で呼びかけてみたら
心配そうに覗き込んできた顔が見えた

嗚呼、そうかキミはいつものボクか

じゃあ、また後でね

繰り返しの世界

繰り返しの世界

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-13

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