遮音

雲海 至

遮音

『さよなら』 言葉告げて 立ち去る 足音 聞きながら
『これで終わりなんだ』とは思わなくても良いよね?
出会い別れがあるのなら 僕等の始まりは何処からなのだろう
何も生まれはしないのだからと 逃げていた僕がいた

『さよなら』 『またね』を繰り返し 増えてくる笑顔は何の為
傷付くことを恐れ 傷付いていることに気付かない
抱きとめたはずの 小さな優しさは
心で受け止めるのには 余りに儚くて痛すぎて

思い出して繋いだ手 まだ あどけないキミの表情が過ぎる
『またね』 口にする度 込み上げてくる不安に
居場所をなくし 離した手 何かを悟り 笑顔のままのキミがいた

立ち止まることは許されない 振り返る勇気はない
『さよなら』 ずっと逃げてきた気がする

どれだけ 後 どのくらい
人を自分を 裏切れば 楽になるのだろう

『戦っているだけなんだよ』 今でも響くよ
キミの その言葉は 幾つの傷から生まれたの
涙の枯れた その場所にキミがいるのなら
そこまで行き着くのも悪くはない

立ち去った足音 キミの 僕の
出会った人の数 すれ違った人の数
耳を塞いでも 心にまで入り込んでは
傷口が広がる分だけ 様々な笑顔が生まれた

遮音

遮音

子供の頃、「またね」と言う言葉に怯えてました。「またね」は次の日、交わした相手と続きがあるように錯覚すると知りました。「またね」は約束の言葉ではないと思いました。それは、どんな状況に置いてもです。いじめ。突然の死。いつの頃からか防衛する言葉が生まれました。「さよなら」この言葉に続きはなく、錯覚することもありません。そして自然と笑うようになってました。傷つかないために生まれた防御。そこに終わりはないのです。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
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