白から黒へ

白に憧れて黒になる
手を伸ばしても届かなくて灰色になって
そこから真っ逆さまに落ちて黒になった

慣れてしまえば造作もなかった
あんなに求めていたものすら
なんだったのか分からないくらい
今は心地が良い

嗚呼、思い出せない
鈍い痛みで視界がくらり
嗚呼、気持ちが悪い
酷い目眩で躯がぐらり

言葉を疑えば自分を守るのが楽で
心を見せなければ自分を欺くのが楽で
そうやってニセモノで固めていった

いつしかそれが当たり前
嘘を吐くのが平気になった

昔はそんなことなかった
昔はありのままだった

でもそれじゃ通用しないのが
この世の中だから
傷つかない為に
ボクは漆黒の闇を纏うんだ

白から黒へ

白から黒へ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-03-11

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