「呼吸が乱れています」
赤羽根 比呂
AI「呼吸が乱れています」
男「分かってる」
AI「制御して下さい」
男「分かってる!
目の前に居るのに興奮するなって言うのが無理があるんだよ!」
AI「冷静にして下さい」
男「相変わらず、君は人間が分かってないなー。
だからAIはバカにされるんだ。今日は何月何日だい?」
AI「2月14日です」
男「そう、世の中はバレンタインデーだ。
そして目の前には僕に恋をしてると思われる少女が
チョコレートが入ってると思われる小箱を持って、
こっちにやって来ているじゃないか!
確かあの娘は隣のクラスのユカリちゃん」
AI「チョコレートが入っているとは断定はできません」
男「だとしても、あの潤んだ瞳は間違いなく僕に恋をしている」
AI「貴方にとは限りません」
男「ほら、来た(小声)」
少女「あの…」
男「はい」
少女「これ、同じクラスのタカシ君に渡して貰っても良いですか?
どうしても自分じゃ渡せなくてっ!」
男「はい?」
少女「お願いします!じゃ!」
※走り出す少女。
男「…ねぇ、アイ」
AI「御用はなんでしょうか?」
男「バレンタインデーを無くす方法を教えてくれないか…?」
AI「悪の秘密結社に加入されてはいかがでしょうか?」
男「そっちかーー!!」
「呼吸が乱れています」
ここみゅ『呼吸が乱れています』
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