The holiday


今日は休日目覚ましもかけず
自分がおきたい時間に起きた
昨日は一日中電話であいつと喧嘩
気づけば俺は怒りと眠気にすべてを任せ
難癖をつけ無理やり電話を切っていた
浮気なんてする女の言うことなんて誰も信用する人なんていない
でも昨日は俺の方が言い過ぎていた
あいつの話全く聞いてなかった
もしかしたら浮気なんてしていなかったかも
していないと思いたい
でもまだあいつと会える気分ではない

大量の着信に気付いたのは起きてからすぐ
あいつからの着信だった
どれだけかけて来ても出ようとも思わない
ぼーっと携帯を眺めているとあいつからの着信
携帯を左に放り投げ無視
着信はいつまでも鳴りやむことなく永遠に鳴り響いていたようだった
少しとろうと思ったがプライドに負けたくないと思い取らなかった
そうこうして時間が無意味にたったときまた携帯が鳴った
しつこいと思いながらも携帯を覗くと全く身に覚えのない電話番号
一体誰からだろう
電話に出ると警察からだった
末永さんですか?申し上げにくいことなのですが
先程大竹愛美さんがお亡くなりになりました
俺は何も映っていないテレビをそれがテレビなのか
わからなくなるほど自分の時間を止めて固まってしまった
もしいま窓の外で事故が起こっても動揺なんてしないだろう
警察官に何度か名前を呼ばれ我に返った
玄関に向かおうとしたとき外からあいつの声がしたような気が来た

警察署につくとあいつが寝ていた
起きろよって何度も言っても完全に無視だ
昨日のことはもういいから
もう許してやるから
問いかけに答えないことは分かっていた
信じられないことは分かっていた
分からないことはなにもないはずなのに
頭では分かっているのに
それを嘘にしようとする何かが俺の中にいる
警察官が死因は車が居眠り運転をしていて
たまたま大竹さんが横断歩道を渡っているときに
はねられたといっていたといっていたと思う
その後警察官から一通の手紙を渡された
あいつからだだった

昨日はごめんね、わたしがいうと言い訳になるかもしれないけど
浮気なんてしてなかったの
蓮君がすっごく怒っていたから
言っても無駄だと思ったから落ち着いた今日
どうして私が浮気していたかといわれるようになったかいいます
蓮君は頑張っているけどまだ定職に付けなくて
そんなこと言っている私なんかまだ学生で収入なんてない
だけど私蓮君がいつかお金が稼げるようになったら
結婚しようって言ってくれたの
とっても嬉しかった
だからわたしお金がたまるように
夜のお仕事はじめたの
馬鹿だよねわたし
でもそれも全部蓮君と私が早く一緒になるためだったの
あるとき蓮君の友人にその仕事しているとこ
見られて浮気って勘違いされちゃったみたいなの
本当なの信じてもらえないかもしれないけど
仕方ないよねこんな女最低だよ
蓮君を裏切るようなことしてごめんなさい
今日は電話しても出てくれないみたいだから
手紙にしてポストに入れておきます
こんな私ですがもう一度会ってくれるとうれしいです
会ってくれるならいつまでも電話待っています
愛美
ところどころ赤くなっている
あいつの血なのだとすぐわかった

その後警察からあいつが最後に電話を掛けたのが俺
ということを聞いた
いつごろかと聞くとはねられたすぐあとだそうだ
あの携帯を投げたときだ
俺はそれからずっと自分を責めた
あいつは俺と最後喋りたかったんだと思うと
ただただ責めた
どれだけ誤ってもあいつは帰ってこない
あいつの顔を見ながらずっと泣いた
誰が来ようと泣いた
後悔してもしきれないなんてそんなことどうでもいい
嘘だって誰かに行ってほしい
でもそんなこと誰も言ってくれない
この休日という生き物は俺をあざ笑うように光を失っていく

The holiday

The holiday

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-10-11

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