アイロニイ
安直な構成、心象操作
微笑を産み出す机上の空論
映像はやがてスリープ・モード
不快な画面は我映す
洗われた脳、落とせぬ描写
愚者があぶれる群雄割拠
妄信的な私刑を傍聴
下劣な単語が騒ぎの発端
雑音千切って契る関係
従来比較で五倍は嫌悪
満足しない空腹の子は
中毒症状を騙って自滅
隠語を使った内緒話に
お偉い様まで割込み駐車
強引な手法でクリーニング
本当に必要なのはクリニック
駆除すればいいと電線切れば
他プレイヤーの起爆剤
「嫌なら止めれば?」従ったなら
不満漏らすのは同じ口
友好的な教育係に
誘われ購入したソフト
「カネをかければ」「流行りを知りな」
重なる説教、広がる距離感
無知が招いた醜態が産む
自己反省と悔恨の念
リベラリストが集まって
あれやこれやと語っても
少数意見を弾圧するだけ
不徳の会議は非情の饗宴
右から左へ流れる汚物を
消して見ぬふり出来ればいいな
自身の吐瀉物を愛せるのに
他人の汚物は何故鼻に付く
要求飲んだら即ち同類
反発したなら即ち対立
得意な顔で発信すれば
やがて自身に跳ね返る
言語閉じれば穏和な生活
立場は誰とて、同程度
軽視並べる帰属意識を
軽視で返せば埋もれる自戒
嘲り、侮り、笑った筈が
鏡写しのエンディング
過剰な遊びで得た物は
視力低下とテクニック
利益はおろか存外の損害
意識下の自制が仲を裂く
嫌い嫌いと呟き乍ら
独りで行う不買運動
“排除、リテラシー、疑念を胸に”
稚拙な知ったかぶりの指針
高慢ちきの主要人物
偶像崇拝、不自然な比重
攻撃力は上がるのに
空白ばかりのステータス
虚構にふらりと足を運んで
出逢う人々、飛び交う罵声
全てに背中を向けたはいいが
極彩色の溜め息吐息
「あなたも暇ね」と示唆する詩人に
苦悩を溢せば逆毛を立てて
理由も告げずに蹴り出されたから
僕は不向きであるのだろう
同じ料理になるのは御免
その一心で窓から廃棄
ばらばら、がらくた、内臓破裂
いち、にの、ぬけた、さようなら
アイロニイ