多久さんの事件簿 霧ヶ峰に温泉旅行編⑩ 12

Shino Nishikawa

多久さんの事件簿【霧ヶ峰に温泉旅行編⑩】12
午前3時40分。
翡翠がチェーンソーで解体され始めた時、蒔田さんのお母さんの詩来(しこ)は、お父さんの横で、むくっと起きた。

悪い予感で寒気がして、お手洗いに行った。
鏡で顔を見、「あああ‥。」声をもらした。

シコと翡翠は、若い頃より、恋人関係だったが、シコは人生を誤り、お父さんを選んでしまった。
でも、シコと翡翠は時々会った。
翡翠が神雅を敬愛していた理由は、神雅が、シコを神雅の秘密の庭に呼び、翡翠に会わせてくれたからだ。
翡翠は、神雅を愛していたので、神雅は代役お金を渡そうとしたが、翡翠は断った。
神雅が知らない時も、翡翠はシコと、山の中で会った。

2人には、他にも秘密の場所があったが、他の人に入られたので、会える場所は、本当に神雅の庭しかなくなった。

蒔田さんはなんと、翡翠とシコの息子だった。

翡翠はたまに、小さな集落のシコの家まで現れて、慌てて山に逃げたりした。
翡翠は基本的には、名古屋で働いていたが、神雅とシコ以外、山の者達はそれを誰も知らない。

シコは、街で暮らすことになったが、翡翠は会いにきた。


シコは、息をはあはあした。
「大丈夫か。」
お父さんが声をかけたが、首をふった。

翡翠は死に、神雅は、翡翠の縄を解き、横たわらせ、解体を始めた。
その場所にダミエルが来た。

ダミエルは立ち尽くした。
「きゃああああ!!!」
みつきは叫んだ。
みつきは時々、神雅と性的な関係をもっていたのだ。

空はだんだんと明るくなってきた。
完全な朝になる前に帰ろうと、山賊が動き始めた時、木の上のミンクが、法螺貝の音を出した。
ミンクは法螺貝なしで出せるのだ。

みんな、茂みから出た。

どさくさに紛れて、ヤマがみんなの縄を解いていた。

山賊vs多久達は左右に並んだ。

「仲間に入るんじゃなかったの!!」
若い山賊の女の子がわめいた。

山賊達は銃や、槍を向け、何か言っているが、ヤマ達は何も言わない。


神雅の庭で、ダミエルが、英語で神雅に何か言うと、神雅も英語で話した。

「英語、流暢ですね。」
「ああ。俺は、ドイツ語もフランス語も中国語も話せる。」

「中国語とフランス語を?僕は英語とドイツ語しか話せません。」

「なぜ、こんなことをするんです?」

「使命だよ、バカタレ。」
「使命?人を殺すことが?」
「悪さをすれば、怖くなれる。それが常識だろう。」
「怖くなる?それで、どうするんだ。」

「怖い人間は、強い。私は総理を目指しているのだ。」

神雅は完全にいかれていたので、ダミエルは赤くなり、首をかしげた。

みつきは気を失ってしまっている。

ダミエルは素手、神雅はチェーンソーを振り回し、決闘した。
あと少しで、ダミエルが神雅を倒そうとした時、みつきが起き上がり、神雅の応戦をした。

「ああああああ!!」
みつきは叫んだ。

しかし、そこに、ハクが到着し、後ろからみつきに空手チョップし、倒した。
ミンクは神雅を倒した。


「なんでこんなことをするんだ!!」
ヤマが広場で、山賊達に叫んだ。

「勝ちたいからだよ!」
山賊の若い男が叫んだ。

「強い奴ら全員にさ。」
小柄の若い男はつぶやき、体操のすご技を見せた。

「うまいじゃないか。」
ヤマや多久達は、みんな笑い、拍手をした。

「こんなことやめようよ。」
リンチルは言った。

心地いい風がふき、みんな、罪を赦すつもりになった時だった。

茂みから女の子が飛び出し、高選手を刺した。

「あああ!あああ!!」
女の子は血を浴び、叫んだ。

それでも、高選手は、女の子の肩を抱き、軽く抱いた。

「高選手!」
日比野が高選手を支えた。

パン!!
山賊は発砲し、岸道さんは頬をおさえた。
かすっただけだが、一瞬でかなり赤くなってしまっていた。


その様子を見たダミエルは、チェーンソーを持ち、走った。
「早く!!」
ミンクは木に登った。

うわああああ!!!
山賊達は叫び、ヤマや多久達に向かった。

ダミエルは、チェーンソーで、ミンクが登った木を切り倒した。
ミンクは体重をかけ、ヤマ、多久達と山賊の中間に木を倒した。

パン!!
山賊は発砲したが、それが最後の玉だった。

上空には、ヘリが到着し、隊員が降りてきた。


神雅や、幹部の山賊は、ヘリで連れて行かれた。
幹部達は、人並みの受け答えをしたが、神雅は、「うぃ。」としか言わなかった。
高選手は、日比野に付き添われ、ヘリで病院に運ばれた。


仕度をし、トーロ達に丁重に挨拶し、旅館を出た。


外には、警官がいた。

「みんな一列に並びなさい!!」
偉そうな女警部が、男警官達に言った。
「ありがとうございました!!」

「気づきましたか?」
日比野は、病室で、高選手をのぞきこんだ。


青年自然の家で、マージンが目覚めると、清明とメンが掃除をしていた。
「俺達、自首するっす。」
「え‥でも、殺してはいないんですよね?」
「いや、でも。」
清明とメンは、自分達は捕まらないと思っていたが、まともに社会復帰するためには、罪をゼロにすることが必要だと考えていた。

多久から連絡がきたので、マージンは多久達と合流した。

かぐちゃんとオーヤン君は、テレビ電話で、マーキンと松と話した。

ニーヤは、気づくと、ぐっすりと眠っていた。
洗面台に行くと、蒔田さんが上半身裸でいた。
背中には、翡翠色のドクロのタトゥーがしてあった。

クーン親子は、途中で野宿したため、遅れて到着した。
七は、亡くなった女の子の遺体を見て絶句した。

それは、七の元恋人の美登里だったのだ。
「えっ‥。」
七は、変わり果てた美登里にしがみつき、泣き崩れた。


ヤマは、1人暮らしの部屋で、冬の始まりに窓を開け、ベッドに横たわり、休んだ。


ダミエル、ロニー、マイクルは、イギリスで映画を撮りなおしたが、また同じような事件にあってしまった。

イギリスの山賊の基地は、庭園のようになっていて、美しかった。


「あー、疲れた。」
「こんなのこりごりだよね。」
多久とリンチルは話し、この事件は終わった。

多久さんの事件簿 霧ヶ峰に温泉旅行編⑩ 12

多久さんの事件簿 霧ヶ峰に温泉旅行編⑩ 12

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