置き去り

置いて行かれても必ず迎えに…。


「もう別れよう。」

僕より3歳年下の彼女から告げられた別れ。
僕は文字通り縋り付いたが、彼女は僕の話に耳を貸さず僕らの部屋を出て行った。

彼女から僕への気持ちが離れているのはわかっていた。別に男が居るのも探偵を雇って調べさせたので知っていた。
全部わかっていた。

それでも彼女が側に居てくれたから僕は知らないフリをしていた。

…でも、彼女が離れるならば話は別だ。

僕は探偵から受け取った調査書を開き男の家の住所を確認する。

彼女が行くならここだろう。

僕は前もって用意していた物をクローゼットから引っ張り出して中を確認する。

…どうやら彼女に中身は見られていなかったようだ。

見られていたらきっと僕の元から居なくなるなんてなかっただろう。
僕は荷物を手に彼女を奪った男の元に車を走らせる。
僕が着く頃には彼女も着いているだろう。
きっと目の前で男をバラバラにすれば彼女の目も覚めて僕の元に帰って来てくれるだろう。

…あぁ…今から迎えに行くからね…。

置き去り

久々に書きたくなったので思いのままに書きました。
お気に召せば幸いです。

置き去り

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • ホラー
  • 青年向け
更新日
登録日
2019-03-01

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