多久さんの事件簿 霧ヶ峰に温泉旅行編⑨ 11

Shino Nishikawa

多久さんの事件簿【霧ヶ峰に温泉旅行編⑨】11

「じゃ、俺達も行くか。」
岸道さんは立ちあがった。
「とりあえず、リフトだな。」
岸道さんはリフトに乗った。


ダミエルは、山賊のやりを拾った。
「いい武器だね。」
ロニーは優しく笑いかけた。
「うん。」

岸道さんはすぐに追いついた。

少し行くと、もののけ姫の格好をした山賊の女の子が立っていた。

「えっ。」
「どうしたの?」
岸道さんが訪ねた。

でも、女の子は麻薬をやっていたので、わけがわからなくなってしまっていた。

「やめろぉ!!」
女の子は叫び、こちらにやりを向けた。

「大丈夫かい?」
ダミエル、ロニー、マイクルは英語で、何か話しかけた。

女の子は、過呼吸のように、はぁはぁしている。

女の子が向かってきたので、ダミエルが槍で応戦し、倒した。

女の子は体ごと倒れた。
「オーマイガー。」
ロニーはダミエルを見た。
ロニーとマイクルは、英語でダミエルに何か言ったが、ダミエルは無表情のままだった。

ダミエルは、英語で何か言い、女の子を立ち上がらせた。

みんな前に進んだが、「ちょっと俺、様子見てくるわ。」
岸道さんが言い、行ってしまった。

「おい、お前、大丈夫?」
女の子は、ハッとした表情で岸道さんを見た。

「兄貴に追いつきたくて。」
「はぁ?兄貴って誰やねん。」
女の子は何を言っているから分からない感じで、ぶつぶつつぶやいた。

「とにかくさ、飴でも食べろや。」
岸道さんはポケットから飴を出し、渡した。
「うん。」
女の子は口に飴をいれ、包み紙を岸道さんに渡した。

しかしすぐに女の子は口から飴をこぼした。

「えっ、どうした?合わなかったんか、口に。」
「んっ。」
女の子は少し声をもらし、うつむいた。

「もう一つ、やるか。」

「はい。」
岸道さんはポケットからまた飴を出し、女の子の手に握らせた。

「リフト動いてるから、乗って帰れよ。」
「うん。」
女の子は呆然とした感じだった。

「じゃ、俺行くわ。」
岸道さんはみんなの後を追った。

女の子はリフトに乗ったが、崖の深い所を見つけ、落ち、死んだ。

岸道さんはみんなの後を追う途中、茂みの奥に黒い影を見た。

「熊。」

よく茂みを見ると、熊の毛皮をかぶった男だった。
岸道さんは怒って何か言い、みんなの後を追った。


マージンの方は、仲間が山賊の所へ行ってしまったことを話し、清明とメンの身の上話を聞き、その晩は、青年自然の家に泊まることになった。

旅館には、七が到着していた。
トーロ達は七にお茶をいれた。

大ちゃんはついに泣きだしていた。
伸が何か言い、励ました。

夜10時。
みんな山賊の本拠地に到着した。

コツン
トウナが振り向くと、多久達が茂みから顔を出した。
『アメ』

『とれない。』
トウナは笑ってジェスチャーをした。

かぐちゃんとオーヤン君もみんなに気づき、表情を明るくした。

トウナの前には、たき火があり、山賊達の前にもたき火があった。
本拠地では2か所でたき火がされていた。

夜11時。
隅に置かれていた、死体のやぐらにマロが気付き、指さした。
『うわぁ~。』 
多久とリンチルはニヤニヤと笑い、顔をしかめた。

『どうすんの。』
『さあ~。』

「マジで、戦うことになったらどうする?だって何の武器も持ってないじゃん。」
リンチルが言った。

「しいて言えば~‥コレ。」
多久はポケットからどら焼きの包み紙を出した。

「無理でしょ。」
「いや、こうやって。」

「はぁ!」
多久はどら焼きの包み紙を振り回した。

「アハハハ!あぶねー。」
つい、3人は大きな声で騒いでしまい、山賊に見つかってしまった。

山賊は銃を持ってきた。
小林さんもオバケに心を変えていた。

夜11時半。12時の点火に備えて、死体のやぐらが中央に運ばれてきた。

多久、リンチル、マロは茂みからでた。

「ええ!新たな仲間?」
若い山賊達は、はしゃいだ。

3人は一列に並べられ、銃を突き付けられた。
「うわー、こわい。」
マロはヘラヘラしながら声をもらし、オーヤン君は、心配そうな無表情で眺めた。

「ねえ、仲間に入るんだから!」
山賊の女の子は言ったが、熊井や小林は、銃を向け続けたので、女の子は黙った。

中央の死体のやぐらが回転された。

多久は、下から3人目に鈴木さんがいるのを見つけた。

「鈴木さんっ。」
多久は鈴木さんの下にかけよった。
鈴木さんの頭の上に額を乗せ、悲しんだ。

山賊は銃を持ち、多久の下に来て、離した。
マロとリンチルもかけより、多久を説得した。

『仲間に入るって言おうな。殺されるよりはマシだから。』

多久はしぶしぶ了承した。

「僕達、仲間に入ります。」
リンチルが言った。

「よし。じゃあ点火の役目だ。」

「いや、それは神様のお役目です。」
リンチルがひざまずいて言ったので、多久とマロも顔を見合わせ、ひざまずいた。

高選手と日比野の後ろに、銃を持った山賊が現れたが、高選手が殴り、倒した。

神雅が来て、巫女と若い男が、水にみせかけた灯油をまいた。

多久、リンチル、マロは、正座し、うつむいた。

神雅は、真っ白な箱からマッチを出し、火をつけ、投げ入れた。

みんな、命のために、声を殺して見つめた。

火は下にひいてある、白い布につき、下からどんどん燃え上がった。

「鈴木さん‥。」
多久はつぶやき、マロは眉間にしわをよせ、顔をそむけた。
火は3時間で消火した。

茂みのヤマ達も泣いたが、みんな泣いていたので、声は届かなかった。

この日、今までで最多の8人が燃やされたので、その臭いは、里まで届き、里の人達は、夜中に交番に相談に行った。

午前2時に、ヘリは動きだしており、午前3時半。居場所を突き止めていた。
死者を出さないよう、警察の本部の者と無線で話した。

午前3時40分。
ダミエルは、みんなからそっと離れた。
ロニーとマイクルは気づいたが、何も言わなかった。

山賊の者達は、まだパチパチと燃えている火を見つめている。

リンチルは体育座りで、顔を腕の中にうずめていた。
多久とマロも体育座りで、ポーっとしていた。

みんな無表情だった。
神雅は消えた。
どんなトリックか分からないが、宙に浮いて、いなくなったのだ。

でも、神雅は、山賊が立ち入り禁止の、神雅の広場にまだいた。
消えたのは、双子の弟、翡翠だったのだ。
そこには石碑があり、小さな神社のようになっていた。

神雅の双子の弟、翡翠は、不十分な男だった。
翡翠は神雅を尊敬し、心酔していた。

神雅の言うことなら、なんでも聞いた。

神雅の言う通り、木に縛られた。

「何するの?」
翡翠は、純粋な瞳で聴いた。

神雅は翡翠に目隠しをし、チェーンソーを振り上げた。

多久さんの事件簿 霧ヶ峰に温泉旅行編⑨ 11

多久さんの事件簿 霧ヶ峰に温泉旅行編⑨ 11

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