星空文庫掲載作品の権利表示の変更について

不波 流

 私こと不波流(ふわ・ながる)は当サービス「星空文庫」様を利用して幾つか自作を掲載させていただいておりますが、先ごろ一部の作品について、その「権利表示」を改めましたので、この場をお借りしてご報告申し上げます。
 具体的には、これまで著作権法の範囲内での利用を認めた「Copyrighted」としていたものを、クリエイティブコモンズに準拠した「CC-BY-NC-ND」へと改め、原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件のもとで作品の利用を許諾することといたしました。合わせて『籠の小鳥と錆びた鈴』『安達原異説』『七羽の鳩』の三作品については二次創作物であることを示す「Derivative Work」へと変更いたしました。その理由は、『籠の~』は金子みすゞの作品全般の印象から主たる着想を得ているため、『安達原異説』はその構成の大半が能の詞章に基づいているため、そして『七羽の鳩』は物語前半部において原作(日本語訳された『ペンタメローネ』)と共通する表現を多く用いているためです。
 今回の権利表記の変更は、先ごろ文化審議会著作権分科会において、あらゆるコンテンツについて著作権侵害されていることを知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする方針が決定されたことを受けたものです。
 勿論、私のような零細作者がこのような対応を行う意味は現実的にはほぼ無いでしょう。日々細々とした閲覧があるだけでも有り難いことで、私の作品が盗用されたり無断で改変されたりするようなことが起こるとは極めて考えにくいことです。しかし、もしも今回の決定に基づいて現実に著作権法の改正が行われたならば、すべての創作者に大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。ダウンロードやスクリーンショットは日常的にほとんど抵抗なく行われているのが現状であり、これに法規制がかけられたところで実効性には疑念が生じます。寧ろ、著作権法という著作者を守るための法律が実質的に骨抜きとなり、或いは逆に創作者を強く規制するものにさえなりかねません。恣意的な拡大解釈がなされるならば、公権力によって意図的に特定の人物を法令違反と見做して逮捕するといったことすら起こる可能性があります。一体誰がそのような事態を望んでいるのでしょうか? そのような事態を招きかねない今回の文化審議会著作権分会の決定には、零細・趣味的とはいえ著作者の一人として、強い憂慮を抱かずにはいられません。この度私が自作の権利表示を変更したのは、著作権法というドメスティックなルールではなく、クリエイティブコモンズという別の国際的なルールに則って自作の利用を条件付きであらかじめ許諾し、利用者様が不当な不利益を被ることがないようにしたいという考えによるものです。また、クリエイティブコモンズに準拠した権利表記に対応している「星空文庫」様のシステム運営・サービス提供に、心より感謝申し上げたいと思います。実際に私の作品が第三者に利用されるかどうかは別にして、私は法秩序の暴走を深く危惧しております。私の心配が杞憂に終わりますことを切に願いつつ、取り急ぎ皆様にお知らせ申し上げました。利用者の皆様におかれましては、この点何卒お汲み取りくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

星空文庫掲載作品の権利表示の変更について

星空文庫掲載作品の権利表示の変更について

当サービスを利用して掲載している自作の権利表示を変更しました。その理由と、(零細・趣味的とはいえ)一著作者として今般憂慮すべきことについて書いた、ごく短い声明文のようなものです。なお、当サービス運営様とは一切無関係です。為念。

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