必要最低限

あぁ、なんだい?
こんな夜更けに

どうしたんだい?
今にも泣きそうな顔をして
元気か?とキミは申し訳なさそうに笑った

何かあったのかい?
そうやって聞くとキミは
黙ってしまうだろう

だから聞きやしないさ
野暮ったいのは嫌いだからな

見れば分かるだろ?

そういって煙草を吹かせば
キミは阿呆と笑った

実にキミらしい笑顔

阿呆はお前だ
雨の中傘も差さずに来たびしょ濡れめ
タオルを渡すついでに頭を小突いた

キミはありがとうと俯いた
小さく震えた声は聞こえないフリをして
ボクはただ窓の外を眺めた

直に雨も止むだろう

必要最低限

必要最低限

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-02-25

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