生きてきた道

人間

最近人間が気持ち悪く感じる。
そんな私にとって「人間」とは私自身を含めこの地球という惑星を蝕む害悪そのものだ。
何故私は生きているのだろう。そういった疑問が常日頃私の頭の中を行き交う。
私は私が人間である限り自身が嫌いだ。死にたい。そんな思いを心の奥底に押し込んで送る
日常生活とやらはどうやら私に向いているらしい。
誰にも本音を打ち明けず「怒り」「憎悪」「殺意」「虚無感」をひっそりと心の奥に忍ばせ
今日まで私は生きている。
いつ死ぬのか、いつこの生き地獄から開放されるのか。
「そんな事を思うならいっそ自殺でもすればいい。」ともう一人の何かがつぶやく。
それに反論をするように「自殺はあまり褒められた手段ではない。」と私は返す。
続けて「今こんなに命を否定しているのだから最後くらい命と向き合って死ぬべきだ」と
私は何かを打ち消さんとばかりに強く思う。
何かは「今、命を否定している自覚があるなら最後まで否定し続けるのも一つの正しさだ」
「否定するなら最後まで責任をもって否定し続けろ」とまるでお互いの正しさがぶつかり
あった時のように、激しく攻め立てる。
結局、何にもなりきれない何かと、人間がどうしようもなく嫌いな私の討論は延々続く。
今も、明日も、死ぬまでずっと。

裏切りの形

裏切り。なんて胸クソ悪い言葉だろう。
私は裏切りが嫌いだ。自分が裏切られるのも嫌だし、周りの人が裏切られているのを見るのも嫌だ。
中学生どうしでの遊び程度の裏切りなら遊びとして見ることが出来るが、実際の裏切りは違う。
本物の裏切りとは裏切られた者の心に決して癒えぬ傷をつけ、あまつさえそんな心を踏みにじる行為だと
私は捉えている。
「死ねば良いのに」「なぜ生きてるのだ」「気持ち悪い」「嫌だ」「やめてくれ」
どこかで裏切りの鱗片を見るたびに私の頭の中ではこう言った言葉が繰り返し再生される。
町中、家の中、職場、学校。今日も今こうしている時にもどこかで裏切りが起こる。
そうして恨みや怒りの連鎖が生まれる。
最初こそ小さな波紋だが、波紋と波紋がぶつかり合い次第に大きなものへと変化する。
そう、私たちの目に見える形で。

生きてきた道

生きてきた道

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-02-25

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  1. 人間
  2. 裏切りの形