【声劇台本 男女】僧侶と魔法使いがまた生き残った件

メイロラ

「僧侶と魔法使いがまた生き残った件」

≪キャスト≫
僧侶(女)
魔法使い(男)


★★★

僧侶:これは困りましたね……

魔法使い:そうですね、……また、ピンチになってしまいましたね。すみませんー! やっぱり戦士さんが「どんどん行くぜー! 大丈夫、いけるいける、俺にまかせろって!」って言うのを止めることができず、こんなダンジョンの奥まで来てしまったせいで!

僧侶:前線にでた戦士さんをかばって勇者さまが死亡。そして、逆上した戦士さんがモンスターにつっこんで……お2人ともおいたわしいことに。

魔法使い:残されたのは僕たちのみ。なんか前にもこんなことがあったような。……あのときは僧侶さんが急に人が変わって僕に……

僧侶:……なにかおっしゃいました?(殺気)

魔法使い:いえなんでも! 大丈夫です、今回はちゃんとメキラの石がありますから、街にもどれます。

僧侶:そうですか。魔法使いさん、よければそれ、少し見せていただけますか?

魔法使い:え? はい、どうぞ?

僧侶:ありがとうございます。……ついでにちょっと話があるのですか。

魔法使い:え、な、なんですか?

僧侶:私たちの関係って、なんですか?

魔法使い:えと、それは……

僧侶:なんですか?

魔法使い:えと、だから、その……

僧侶:なんですか?

魔法使い:はい、恋人です!

僧侶:ですよね? なのにその……なんで?

魔法使い:なんでとは?

僧侶:……い、言わなくても察してよ! その、ほら、恋人同士らしいことを何もしてないのはなんで!?

魔法使い:え、ええー?

僧侶:私のことを好きだって言ったのは嘘だったの!?

魔法使い:いえそんな! だって、交換日記しているじゃないですか!

僧侶:そうよね、交換日記……を始めて早3ヶ月。そう、交換日記だけ! 天気がどうとか、今日食べたものがどうとか! 恋人同士なら、もっといろいろあるでしょう? 

魔法使い:え、だ、だって、勇者さまや戦士さんに僕たちの関係を知られるわけにはいきませんし! そもそも、魔王を倒す使命をもった勇者の仲間が恋愛にうつつを抜かしていると思われては、勇者さまの名誉にかかわります!

僧侶:……まあ、それは、そうだけど。でもー! 私だって普通の女の子みたいに、待ち合わせで「待った?」「ううん、今来たところ」ってやったり、人ごみではぐれそうになって「ほら」って手を引かれたり、口にケチャップついたのを「しょうがないなー」って取ってもらったりしたいの!

魔法使い:いや、その、ところどころ何のことかわかりませんが、わがまま言わないでください。勇者さまが魔王を倒すまでの辛抱ですから。どうかもう少し我慢してください。

僧侶:わかりました我慢します。その代わり、キスしてください。

魔法使い:わかりました、キスですね。って、え、えええーー!!! ききき、キス!? ここここ、ここでですか?

僧侶:だって、2人きりになれるチャンスなんてなかなかないし、なによ嫌なの?

魔法使い:いえそんな、でも! そのやはりまだ早いですよ!

僧侶:早くない、むしろ遅い! 付き合って3ヶ月で交換日記だけとか、小学生ですか! ……ほら、はやく!

魔法使い:ひ、引っ張らないでください! だめですよ! か、勘弁してください!

僧侶:いいじゃない減るもんじゃないしー! してよーしてよー!

魔法使い:や、やめてください、襲ってこないでください! 離してくださいー!

僧侶:なによ! 魔法使いさんの、ばかー! いくじなしー! もう嫌い!!

魔法使い:……(ため息)僧侶さん?

僧侶:なに?

魔法使い:我慢しているのは、自分だけだとでも思っているんですか?

僧侶:え?

魔法使い:僕だって、めちゃくちゃ我慢してます。一緒に戦っているときも、パーティのみんなと他愛のない話をしているときも、僧侶さんのことばっかり見てしまいます。本当は今すぐにでも、したいですよ、いろいろ……。ですから、僧侶さんがいいなら僕に断る理由はないんですよ? なのになぜ断っていると思いますか? キスだけで止まらなくなりそうだからですよ?

僧侶:え、ちょっと、壁際に追い詰めないで? ていうか、そもそもここに壁あったけ?

魔法使い:細かいことを気にしている余裕あるんですか? 来いといったのは、僧侶さんのほうですよね?ほら、目をつぶっててください。それとも、目を開けたままがいいですか?

僧侶:や、その……ごめ、まって?

魔法使い:何を言っているんですか? それとも僕のことが嫌いなんですか?

僧侶:そ、そうじゃないけど、いざとなると、怖いっていうか……

魔法使い:大丈夫、目を閉じていてください……

僧侶:うん……

魔法使い:好きですよ、僧侶さん

僧侶:うん、私も……

魔法使い:ちゃんと言ってください。

僧侶:うん、あのね、魔法使いさん……

魔法使い:はい?

僧侶:ごめんー! 「スリープ」

魔法使い:え? そうりょ、さん……いったい、なにを……

(場面、街へ)

魔法使い:ん、ここは?

僧侶:よかった気が付いたんですね魔法使いさん。

魔法使い:僧侶さん?

僧侶:魔法使いさんは魔物の呪文によって眠らされていたんです。でも大丈夫、メキラの石があったので街に戻れました。さあ、勇者さまと戦士さんを生き返らせてもらいに、教会に行きましょう。

魔法使い:僧侶さん? ごまかせるとでも思ったんですか?

僧侶:……やっぱりだめ? だってえ! やっぱり怖いというか、恥ずかしくて、つい!! ごめんなさいー!!

魔法使い:(ため息)やれやれ。いいですよ。行きましょう教会へ。ただし、手をつないで。

僧侶:え?

魔法使い:いいでしょう、それくらい? ……その、僕たちはつきあっているんですから。

僧侶:う、うん、いいよ。

魔法使い:さ、行きましょう。

僧侶:ありがと。あのね、私、ちゃんと魔法使いさんのことを……

魔法使い:はい?

僧侶:魔法使いさんのことを……す、す、す

魔法使い:はい。

僧侶:す、す、す、スケトウダラみたいだなって思ってるから!

魔法使い:はい……。

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僧侶と魔法使いの後日談

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