マトルキャット~誕生の秘密とタイムトラベル~

西川詩乃

マトルキャット~誕生の秘密とタイムトラベル~

双子の猫と3人のオジサンの物語

マトルキャットとタイムトラベル
西暦6000年ごろ、イギリスの魔法使いユーホールド・ワイマンが時空をこえられる入口を見つけた。
ある日、ユーホールド・ワイマンは、サッカーの国際試合を観戦している最中に、キラッと光る何かを見つけた。次の瞬間、その場所だけがぼやけ始めたので、箒でそこまで飛んでいくと吸い込まれた。
タイムトラベルできるとユーホールドは感じ、1986年6月22日、アルゼンチンのディエゴ・マラドーナの5人抜き伝説の試合を見たいと強く願った。
すると、次の瞬間、ユーホールドは、ワールドカップメキシコ大会に来ていた。
最初は、パロディー映画の撮影に来てしまったかと思ったが、そうではなかった。
ユーホールドは、1986年6月22日に来ていたのだ。

つまり、タイムトンネルの入口は、魔法を持たない人間の特殊能力が使われている時の頭上に現れる。そこからタイムトラベルできるらしい。帰り方も同じである。
その後の研究で明らかとなったのは、タイムトラベルはマジな時にしか出来ないし、悪だくみしている時には、出来ない。



プーチ・ピピンの祖先も、そのまた祖先も人間だった。プーチは現在66才で、ミシルマ島に暮らしている。
妻のスーワンとは、別居中だ。
プーチは、前国王から『人間』認定を受けたが、スーワンとの子供は、愛の調べによって生まれた。名前をリーロイという。
リーロイは、イギリスで暮らしている。

マトリアシルで人間認定を受けると、税金が0.5パーセント安くなるが、人間は、あまり、マトリアシルに移住してこない。
なぜなら、魔法族ばかり住んでいるので、魔法力を持たないと暮らしづらいからである。

プーチは、シートルアスラに行き、サシムに占いをしてもらうと、『宝はサンリルリランにある、いずれあなたが見つける。』というお告げをもらった。

プーチは、ロドリアムに会った。
「おはよう、ポッチ。いい天気じゃのう。」
「お爺さん、僕の名前は、ポッチではなく、ロドリアム・ホッチナです。」
「いいじゃないか。今日も釣りに行くのかい?」
「はい、釣りに行きます。釣る場所は秘密ですが。」

ロドリアムは、釣りの名人だったが、釣る場所は人に教えないという腹黒さで、ロドリアムはみんなから、『ポッチ』と呼ばれていた。

ロドリアムに挨拶し、プーチはサンリルリランに向かった。
『サンリルリラン』
人間の代物である、地雷探査機で宝を探した。
すると、地雷探査機が鳴り出した。急いで掘り返すと、なんと人骨がでてきた。
プーチは少しがっかりし、昼になったので、途中の店で買った、バゲットサンドを食べた。
夕暮れになり、帰ろうとした時、また地雷探査機が鳴り出した。
プーチが掘り返すと、宝箱を発見した。日本語で何か書いてあるが、プーチには読めない。とりあえず、家に持って帰ることにした。

夜、探検家のオイドレン・ミーマンと、ロドリアムが来た。
「こんばんは、プーチ・ピピン。宝を発見したそうだね。」
ロドリアムが言った。
「そうなんじゃ。」

「俺も、拝見させてもらおう。」
オイドレンも体を乗り出した。
「これじゃ。」

「とく…がわ…。」
ロドリアムが読み上げた。
「ロド。この文字が分かるのか?」
「少しだけね。」
「なんと、書いてある。」
「とく…がわ…マイ…ゾ…キン…。これは…!」

「徳川の埋蔵金だ。」
「埋蔵金?」
「なんじゃ、それ。」
「約6140年前、日本を支配していた徳川家は、ついに明治政府に城を明け渡した。明治政府は、徳川の御用金を期待したが、金蔵は空だった。その前に、井伊直弼がどこかに隠したと言われている。…多分これは、その時の金だ。」

「では、井伊直弼が、ミシルマ島のサンリルリランに隠したというのか?」
「そうだ。」
「ハッハハ。そりゃ豪快だ。」

ロドリアムもニヤリと笑った。
「マトリアシルは、当時はまだなかった。きっと井伊直弼が、タイムトラベルして、この場所に埋めたんだよ。」

「しかし、タイムトラベルが発見されたのは、西暦6000年頃のはずだろう。井伊直弼は、それより4140年も早く、タイムトラベルを発見していたということか?」

「そうだ。井伊直弼は、タイムトラベルを6140年前に発見していたんだ。」

「はああ。」
プーチはへたりこんだ。

「爺さん、大丈夫か。」
「いや、腰をぬかしてしまって。」
オイドレンが椅子に座らせた。

恐る恐る、プーチが箱を開けた。
「わあああ。」
金貨が現れた。
「すごい。俺が夢見てた物だぁっ!!」
オイドレンが触れると、金貨から、金色の光が浮かび上がった。

「なんだこれは。」
とても美しい光景である。

「多分…愛の調べだ…。」
「はぁぁ。わしも見るのは2回目じゃ。」
「なんて、美しい。」
ロドリアムはまじまじと眺めた。
オイドレンは光を、手の平で隠した。

金の光は消え、机の上にゆりかごがおかれていた。
その中には猫耳の生えた、男の双子の赤ちゃんが眠っていた。

3人は、その子たちとレリカとワイトと名付けた。
そして、プーチの家で育てることになった。
ロドリアムとオイドレンも、手伝うと約束した。


レリカとワイトは、およそ1.5カ月で、1才年をとるようだ。4.5ヶ月で3才になった。
「エイ、ヤー!!」
レリカとワイトは、少林寺拳法のマネをしていた。
「ハハハ、そうかそうか。」
「エイ、ヤー!!」

プーチが、ニコニコしながら、様子を見ていると、オイドレンが来た。
「プーチ、可愛い子供たちにパンを買ってきたよ。」
「キャー!!」
レリカとワイトは駆け寄ってきた。
「ミセスピンクの店では、ついに未満児パンが発売されてね。」
レリカとワイトはパンを食べた。
「食べる前にお手々を拭きなさい。」
「やー。」
プーチは無理に2人の手を拭いた。

「それで、分かったのか?誰の子供か。」
オイドレンが聞いた。
「今、調べてもらっている。誰の子でもいいじゃないか。可愛い子たちだ。わしが育てる。」
「俺と血がつながっているのなら、冒険家に育てたいものだ。」
オイドレンはニヤニヤと笑った。

今日は、ロドリアムが、双子のために、夕食を作ると約束していた日だ。
今日作るものは、ロドリアムが釣った魚のムニエルである。
「ワー!!」
レリカとワイトは、ロドリアムに駆け寄った。
「おじさんがムニエルを作ってあげるからね~。それで爺さん。金の方は。」
「大丈夫だ。金庫にある。」
「ほぅっ。」
ロドリアムは胸をなでおろした。ちなみに埋蔵金は400万ドルほどの価値がある。

夕食を食べる頃には、オイドレンが来た。
「双子には、魔法力があるか?」
オイドレンが聞いた。
「まだぁ、見られないね。成長が早いのと、猫耳があるくらいだ。」
「僕は、魔法使いだけど、魔法は使わない。」
「ハハハ。君はいつも新しい挑戦をしているようだね。」
オイドレンはロドリアムを見た。

次の日、朝早くから、プーチは手ぬぐいをかぶり、掃除をしていた。
今日は妻のスーワンが来るのだ。

郵便配達員のアジア系マルコスが、DNA鑑定結果を届けに来た。
「プーチさん、掃除ですか?」
「ああ、今日は妻のスーワンが来るんだ。」
「そうなんですか。これがDNA鑑定の結果だそうです。
僕も以前、DNA鑑定をしてもらいました。
どうも親と気が合わなくてね。でも、実の親でした。」

マルコスは紙を覗き込んだ。
「ナオスケ・イイ?ははは。それだけ?」
プーチは首をかしげた。
「だけど、本当の親が判明して良かったですね。僕はこれで。」
マルコスは、白い歯を見せ、行ってしまった。

レリカとワイトも手ぬぐいをかぶり、掃除を手伝っていた。

「ばーちゃん。」
掃除の途中でスーワンが現れた。
「あらあら、可愛い。」
「わー。」
レリカとワイトは、スーワンに抱きついた。
「2人が大好きなケーキを焼いてきたからねぇ。」
「ィエーイ。」「ケーキ。」
レリカとワイトは喜んだ。
「スーワン。早かったんだね。」
「ああ。予定より汽車が遅れなかったからね。ところで、この子たちの親は誰か分かったのかい。」
「ちょうど来た。これじゃ。」
プーチは紙を見せた。
「ナオスケ・イイ?!悪党じゃないか。」
「そうとも言い切れん。6140年前に、タイムトラベルをすでに使っていた。」
「ふん。埋蔵金は無事かい?」
「大丈夫だ。オイドレンが金庫に魔法をかけてくれた。」
「あの男は色男だが、信用できるね!本当にいい男だ。」

「いい子はお手々を拭きましょうねぇ!!」
庭の木のテーブルで、レリカとワイトはケーキを食べた。

「可愛いが、この子たちの成長は早い。生まれて2年で16才になる。教育はどうするつもりだね?」
「学校では間に合わん。近所の連中も手伝うと言ってくれている。なんとかするさ。」
「ふん。油に水を加えるようなマネだけは、しないでくれるといいが。」
「そうだな。それは一番に教えるつもりだ。」
プーチは目をふせた。


西暦1858年。
井伊直弼がタイムトラベルを発見したのはこの年である。

直弼が、考え事をしながら散歩をしていると、向こうから、ランニング中の徳川慶喜が来た。頭上にきらりと光る何かを発見したので、直弼が慶喜を追いかけ、手を伸ばすと吸い込まれた。たどり着いたのは、西暦2020年の世の中である。

西暦2020年の日本で、『徳川埋蔵金はいつか』という本を見つけた。
徳川の金を、幕府の代わりにできるであろう、新政府に渡すつもりはなかった。直弼は、自分が金を埋蔵すると決めた。
その後も、直弼がうろついていると、宮崎駿さんが来て、お金とiPodをくれた。

帰りたいと思った時、ちょうど慶喜によく似た男が走ってきたので、光るものに手を伸ばし、西暦1858年に帰った。


満月の夜、慶喜が散歩をしていると、直弼が来て、話しかけた。
「慶喜どの。綺麗な月ですなぁ。」
「直弼さん。どうも、これはこれは。」
「はい、これ。慶喜さんに土産です。慶喜さん、音楽がお好きでしょう。よく歌っておられますから。」
直弼は、ポロライドカメラとiPodを渡した。
「これをね、耳につけて。」
「うわぁぁ、すごい。私が聴きたかったものです。」
「ははは、よかった。」
「だけど、どこでこれを…?」
「慶喜さん、あなたですよ。」

心地いい夜風が吹いた。

「あなたの頭上で、時を超えられることが分かりました。それでね、私は未来に行ってきたんです。」
「はああ!未来、ですか。」
正直言うと、慶喜は未来の夢を何度も見ていたので、そこまで驚かなかった。

「慶喜さんもね、近い内に行ってみるといいですから。」
「はい…。」
「では。お気を付けて。」
直弼は優しく笑い、行ってしまった。


『かごめかごめ かごの中の鳥は いついつでやる 夜明けの晩に つると亀がすべった 後ろの正面だあれ』
「いーち、にーい、さーん。」
未来では、6才になったレリカとワイト、伯父のオイドレンは、森で、かくれんぼをして遊んでいた。


江戸時代。慶喜は直弼と会った。

「慶喜どの、歴史では、私は来年、殺されます。」
「へえ、そんな歴史が?」
直弼は小声になった。
「はい、桜田門外の変という、未来でも有名な事件なんですよ。未解決事件ですがね。」
ヒャハハ…直弼は声を落として笑った。
「私も、自分の命に関しては、流れに身を任せるつもりですわ…。でも、私が愛してきた徳川家の金を、新政府に渡すわけにはいかない。」
「僕も、金など必要ありません。」
ハハハ、声を落として笑いながら、直弼は慶喜を小突いた。

「それで…私が、未来に行って、徳川家の金を埋蔵したいのですが。」
「それはいいのですが、いつの時代に埋めるのですか?それに財宝は、100畳の蔵いっぱいにあるのですよ。」

直弼の目がきらりと光った。
「西暦8000年ですよ。どうゆうわけかね、その時代には、新国が設立されて、魔法族がおるんですわ。」

「魔法族っ?!そんなものがいるなんて、信じられません。」
ヒャハハ…直弼は慶喜を小突いた。
「慶喜殿だって、同じような者なのに…。」
「いえ、僕は違いますよ。」

「とにかくね、今からいって、この財宝を小さくたためないか、直談判してきます。」
そう言って、直弼はタイムトンネルに吸い込まれた。
「ちょっと待ってください!!」
慶喜も着いて行った。


西暦8000年の世界では、9才になったレリカとワイトに、近所の人たちが交代で勉強を教えていた。なんといっても、1年分の勉強を1.5カ月でやるのだ。大変なことである。

オイドレンは、ロドリアムが釣りをする場所についてしつこく聞いていた。
「一体、どこで釣りをしている?教えてくれよ。」
「嫌だ。教えたくない。僕だけの場所なんだ。」
「僕だけの場所だと?自分の部屋じゃあるまいし。
海だぞ!お前ひとりだけの場所など、あるわけがない。」

ドンッ。直弼と慶喜はミシルマ島に到着した。
「直弼さんっ。」
「慶喜殿。」
「着いたようですね。」

オイドレンは目を丸くした。写真や絵で見ていた、慶喜と井伊直弼である。
『タイムトラベルを?』
すれ違い、ふりかえった。
ロドリアムも後ろから歩いてきていた。

ロドリアムはオイドレンに追いつき、言った。
「オイドレンッ。あの人たちは。」
「徳川慶喜と井伊直弼だ…。タイムトラベルしてきたんだ…。」

「なんて綺麗な島だ。」
慶喜は風に身をまかせた。
「海に行ってみましょう。」
2人は海に向かって歩いた。

オイドレンとロドリアムは影で様子をうかがった。
「何してるの?」
サーファーの女性、ハマイと、ユーサが来た。
「もしかして、あの人たち?」
「呼んで、あげようか?」

「ねえ!!」
オイドレンとロドリアムが答える前に、ハマイとユーサは、慶喜と直弼に声をかけてしまった。

「はい。」
マトリアシル人は、英語が一般的だが、どこの国の人とも話すことができる魔法が、かかっている。人間を攻撃しないためだ。

「あの人たちが、用があるみたいです。」
ユーサが指さした。

「行こ。」
ハマイとユーサは、サーフィンをしに行ってしまった。

「徳川慶喜さんと井伊直弼さんですよね?」
「はい…。」
「先日、プーチ・ピピンという男が、埋蔵金を、サンリルリランで発見しました。」
慶喜と直弼は顔を見合わせた。
「もう埋蔵金を?」
「そうです。それに、そのお金から、直弼さんの子供が産まれたんです。」
「は…?私の子供ですか?」
「はい、双子の男の子で。プーチが、レリカとワイトと名付けました。お金と直弼さんの子供です。」
直弼はふらふらした。

「大丈夫ですか?」
「はあ…。」

「よければ子供に会っていきませんか?」
「はい、ぜひ。」
慶喜が言った。
直弼はよろよろとしていたが、慶喜は子供と聞いて、わくわくしていた。


「プーチ。」
プーチは、慶喜と直弼を見て、唖然とした。

「慶喜さんと直弼さんだよ。タイムトラベルして、来てくれたんだ。」
「信じられない。6140年前の方が、目の前にいるなんて。レリカ、ワイト!!来なさい!!」
レリカとワイトは、女学生たちに勉強を教わっていたが、笑顔で飛び出した。

「お前たちの本当のお父さんだ。前に言っただろう。お前たちは、お金と井伊直弼さんとの子供だって。」
レリカとワイトは、直弼に抱きついた。

「ははは、なんて可愛いんだ‥。」
「本当のお父さん。」

「プーチ、金を。」
プーチは、慶喜と直弼に埋蔵金を見せると、2人は顔を見合わせた。
「これだけですか…?」

「実はですねぇ、埋蔵金は、蔵100畳分あるんですよ。」

オイドレンは、金色のピンで箱をたたいた。
オイドレンは、杖を変身させ、金色のピンとして持ち歩いていた。

箱の魔法は解けたようだ。箱の中に100畳の部屋が広がり、財宝で埋め尽くされていた。

「わあああ!!」

「‥ということは、誰かが、江戸時代で財宝に魔法をかけ、サンリルリランまで、また運ぶ、という訳だ。」
オイドレンが言った。
「誰かって。ロドリアムは、魔法は使わないし、わしは人間だ。オイドレンしかいない。」
プーチが言った。

「オイドレンさん、宜しくお願いします。」
「ふー。タイムトラベルするというわけだ。」
「オイドレン、僕も行くよ。」
ロドリアムが言った。

プーチの頭上が光りだしたので、ロドリアムが飛び込んだ。
慶喜と直弼は、顔を見合わせ、うなずき、2人も飛び込んだ。
オイドレンをプーチが押し込み、4人は江戸時代に戻った。

「お父さん!!」
双子はお父さんに、少林寺拳法の技を見せるため、道着に着替えてきたが、もう後の祭りだった。

「よし、プーチが来た。」
4人は、プーチが宝を見つける少し前に戻り、埋蔵した。


直弼のはからいによって、慶喜は、将軍職をまぬがれていた。
直弼は未来を見ていたので、1859年に、日米修好通商条約を調印した。
「やりましたぞ!!」
直弼と慶喜は、手を固く握って、うなずいた。
しかし、徳川家に対する、世間の目は厳しい。謹慎処分という形で、徳川家の者たちは、世間の目に触れぬようにされた。

1859年12月。
直弼と慶喜は、会った。

「慶喜さん、私はもうすぐ殺されます。」
「‥もう一度、子供たちに会わなくていいですか?」
直弼は、首を振った。
「もう二度と会わない方がいい。」
「どうしてですか?あんなに可愛かったのに。」
「もういいんです。」
直弼は悲しそうだった。

「そうですか‥。」
慶喜はまっすぐ前を見た。

ついに、その日がくる。
1860年3月3日である。
慶喜は、朝4時に目覚め、未来にタイムスリップした。

その頃、未来では、オイドレンとロドリアムが、釣りをしていた。
「この場所で、本当に釣れるのか?」
「いつもここで釣っているんだ。」
オイドレンは首をかしげた。

「ん?引っ掛かった。」
オイドレンが引くと、小さな魚だった。
「なんだ、小魚だ。」

「おっ。」
ロドリアムが、とても大変そうな感じで引いている。
「大丈夫か。」
オイドレンも手伝った。

「うわあああ!!」
2人が全力で引くと、なんと、慶喜が海から上がってきた。

「慶喜さん。」
「どうも‥。」
「どうしたんですか?」
「今日は、直弼さんが殺される日なんです。」
「そんな。では、助けに行かないと。」
「はい、お願いします。」
3人は、江戸時代にタイムトラベルをした。

直弼は、見てきた未来を壊さないためにも、歴史通り、殺されようとしていた。
静かにカゴに揺られている。

3人は、江戸時代に到着した。

桜田門外はとても静かで、浪士が隠れている気配はない。
「もうすぐ桜が咲きますな。」
カゴの外から、家来が話しかけた。
「そうですね。楽しみです。」
直弼は、悲しそうだ。

1人の忍者が現れたかと思うと、次々と、忍者が飛び出した。
みんな、直弼が乗っているカゴに向かって行く。

「ダメだ!!」
オイドレンは、魔法を使おうとしたが、江戸時代なので、魔法が使えなかった。

直弼は、短銃で撃たれ、カゴから引きずり出された。
3人は、動くことが出来なかった。

パン
3人が目を閉じ、見ると、レリカとワイトが到着していた。
1人の忍者が、直弼の首をはねるために、剣を振り上げたが、
「止めて!!」
双子が叫んだので、止まった。

「お父さん、お父さん。」
「息子たちよ‥。」
「死なないで‥。」
「会えてよかった。」
直弼は、息を引き取った。

「やあああ!!」
双子は叫んだが、オイドレンとロドリアムが止めた。
「もうダメだ。」

「行こう。」
マトリアシルに、タイムトラベルをした。
双子の目に映る、直弼の姿は、だんだんと小さくなっていった。


それ以来、慶喜は、人が変わったように、幕府の仕事に打ち込んだ。
結婚はしていないが、幕府の仕事を続けるために、結婚をしていることにした。

1867年10月14日。大政奉還を実行した。
「これが、戦争の始まりになったとは、思っていない。長く続いた、徳川家の内乱を終わらせただけだ。徳川家がこの国を支配し続けるより、政府の言う通りに動く、天皇に権力を渡した方がよかったのだ。」
慶喜は、マトリアシルからタイムトラベルをしてきた、トムに言った。
トムはマトリアシルの騎士だが、謎の男である。

トムの短い髪は、風に揺れている。
「そうですか。次の話の舞台は、ここです。」
トムは、紙を渡した。

『Tokyo』

「でも、もう、未来へは行くことはない。」
「絶対に?」

「おそらく。未来ではもう、直弼殿の顔を見ることは出来ない。」


でも、時々、オイドレンとロドリアムは、過去の慶喜と直弼に会いに行って、将棋を打っている。

【鈴】
【Matriacil】
【マトルキャットの切ないI love you】
【MICHILUMA】
【猫の玉手箱】
【猫のマーチ】
【Beautiful Dreamer】
【When I do count the clock】
By shino nishikawa


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マトルキャット~誕生の秘密とタイムトラベル~

マトルキャット~誕生の秘密とタイムトラベル~

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