少年

ーー朝焼けがとても綺麗だったので
ーー写真を撮ろうと思い、ベランダに出ました
ーー戸を閉めた拍子に金具が降りてしまい
ーー指を、挟んでしまいました

白い絹の寝間着姿のまま
少年は上ずった声で状況を説明する

「まずは汚れた服を脱ぎなさい」
ぞっとするような声に少年は青ざめる

その直後、いつもの声が耳を撫でる
「朝食を用意しておくから」

それだけで、少年は無邪気に飛び跳ねた

ほんの少し乱れた髪の毛と衣服
自ら光を発しているような肌
どんな汚れも知らない透き通った瞳

ーー何も心配しなくていい
ーー今からお前の身体を飾ってあげる
ーーその前に、目隠しをしてあげよう

少年

少年

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-02-21

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted