詩集.想いをこの束にして (五束目)

詩集.想いをこの束にして (五束目)

愛の編 二十一


じっと
目を閉じて
胸に
掌を当ててみる

ありがとう
温かな
音がする
その言葉に
どれだけ
救われて
来たのだろう

理(ことわり)の
尽くせぬ
人生の中で

折に触れ
澱(よど)みかけてしまう
弱い
わたしの
心の中で

ずっとずっと
遠い
あの日から
優しく
響き
揺るぎなく
瞬いている

ありがとう
優しい声を

ありがとう
素敵な手紙を

ありがとう
温かな
その掌を

ありがとう
出逢ってくれて

ありがとう
生まれてくれて

ありがとう
また
生かされる
今日を

そして
これからの
君との
日々を

心から
ありがとう─



愛の編 二十二


もし
見えるなら
僕の
言葉は
何色なのだろう

寒風に
耐えかね
たった今
散った
病葉(わくらば)みたいに
くすんでは
いないだろうか

見せかけの
心ない
艶やかさで

誰かを
傷つけては
いないだろうか

廻る
季節のように
その
彩りを
移ろうのが
人の心ならば

せめて
止まり木に
君を
見つけたい

羽ばたいて
羽ばたいて
空を泳ぎ
やっと
手招きに
導かれ

僕は
今度こそ
その
全てを
抱き寄せて
二度と
放しはしない─


愛の編 二十三


さよならは
駄目だよ

音が
寂し過ぎる

「また、ね」
そう
約束しよう

「朝」は
「あした」とも呼ぶよ
朝になれば
昨日は終わり

辛いこと
悲しいことも
途切れた
まどろみの
夢と一緒に終わり

始まりの
息吹きを
胸いっぱい
吸い込んだら

また
新しい一日が
動き出す

乗り遅れないように
しっかり手を繋ごう

君の掌は
いつも温かい

「また、ね」
「また、あした」─


愛の編 二十四


離れて
いても
あなたの
灯す火は
いつも温かい

例えば
海を照らす
漁り火にも
似てる

魚を誘(いざな)う
明かりに
導かれる
みたいに

わたしの
心も
あなたに
惹かれ
照らされている

ゆらゆら
時の
波間に
揺られながら

ただ
その
優しさに
安らぎを
求めてる

直ぐにでも
この
胸に
引き寄せたい

あなたが
その身を
任せてくれますように

心を
腕の中で
遊ばせてくれますように

わたしの
持つ
全てを
込めて

永遠に
あなたを
護れますように─



愛の編 二十五


繰り返す
刻(とき)の
永遠(とわ)の
息遣いの狭間で
僕らは
生まれた

出会いが
奇跡なら
巡り逢わせは
きっと
遠い日の
約束だから

受け取った
同じ
行き先の
チケットは
決して
偶然じゃないんだ

詰め込んだ
鞄の中の
昨日までの
アルバムから
燻(くす)んだ
泣き顔を
抜き取ってしまおう

風に
向き合う
その横顔が
こぼれる笑みで
満ち溢れるように

次の各駅で
行こう
終着駅の名は
誰も知らない

貸してごらん
荷物は
みんな
僕が持つよ─

詩集.想いをこの束にして (五束目)

詩集.想いをこの束にして (五束目)

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2019-02-20

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