名前ひとつを 祈りとす
俳句と短詩
地をちぎり
カトレアが逝く
実は狂ふ
風を織り
火の橋の百合
雫
散る
海、山が
命を語る 梅雨の霧
地が震え 名前ひとつを 祈りとす
旅の地の 言葉は遠く 細い糸
街の荒涼が 今夜は やさしくて
珈琲の琥珀に 戻れない日を数えた ホテル ロビー 朝
距離 過ちの過去が 僕に ひとを 遠ざけさせる
折れた 気持ち . 僕は どこから 帰ってきたのだろう
尊い哀しみ 一歩ずつ 擦り切れて
脱け殻 風の音 草の匂い
また 一生を隔てられたて
足音さえ恋しくて
名前ひとつを 祈りとす
作者ツイッター https://twitter.com/2_vich